
新型「Timemachine Mpc.」発表 チューダー・プロサイクリングと共同開発した究極のTTバイク|BMC
Bicycle Club編集部
- 2026年02月21日
INDEX
スイスのプレミアムバイクブランド、BMCがタイムトライアル(TT)バイクのフラッグシップモデル「Timemachine(タイムマシーン)」をフルモデルチェンジした。第4世代となる新型は、ファビアン・カンチェラーラ率いるチューダー・プロサイクリングチームとの強力なタッグにより開発。「Masterpiece(マスターピース)」の名を冠し、システム全体で空気抵抗を3.7%削減した究極のレーシングウェポンとして登場した。
「3%の壁」を超えろ Impec Labとチューダー・プロサイクリングの挑戦

「勝つこと。それだけが目的だ」。新型Timemachineの開発において、BMCとチューダー・プロサイクリングが掲げた目標は明確だった。2026年シーズン、ワールドツアーの最前線で戦うために、単なるアップデートではなく、タイムトライアルバイクの再発明が求められたのだ。

開発の中心となったのは、BMCが誇る研究開発施設「Impec Lab(インペック・ラボ)」と、チューダー・プロサイクリングのイノベーションチームだ。彼らが設定した目標は、ライダー、バイク、コンポーネントを含めた「システム全体」での空気抵抗を3%削減すること。フレーム単体の空気抵抗はシステム全体のわずか6%に過ぎないため、システム全体で3%を削るには、フレーム単体で20%以上という驚異的な性能向上が必要となる。
ライダーとバイクを一体化する設計哲学「AeroSynthesis」

この野心的な目標を達成するために導入されたのが「AeroSynthesis(エアロシンセシス)」という設計哲学だ。これはCFD(数値流体力学)、風洞実験、そして実走テストを繰り返し、ライダー、コンポーネント、フレームセットが相互にどう干渉し合うかを徹底的に解析するアプローチである。
特に重視されたのが、近年の高速化するレーススピード(平均55km/h以上)における空力特性だ。高速域ではヨー角(風の当たる角度)が浅くなることに着目し、実際のレース環境に即したデータ解析が行われた。

その結果誕生した第4世代Timemachine Mpc.は、旧型(Timemachine 01 Gen 3)と比較して、システム全体で3.7%(ヨー角加重平均)の空気抵抗削減を達成。これは450ワットで走行した際、時速が50.0km/hから50.8km/hに向上することを意味し、50kmのタイムトライアルでは実に45秒ものアドバンテージを生み出す計算となる。
Halo+フォークやMariana BBなど、独創的な空力ギミック

新型Timemachine Mpc.の造形は、BMCらしい機能美と最新の空力トレンドが融合している。
フロント周りで目を引くのが「Halo+(ヘイロープラス)フォーク」だ。UCIルールの許容範囲ギリギリまでクラウン幅を広げ、フォークレッグとホイールのクリアランスを確保。これにより乱流を抑え、ライダーの脚へと流れる空気を整流する。

リアセクションには「SpeedSlab(スピードスラブ)」シートチューブと「PayloadFins(ペイロードフィン)」シートステーを採用。ライダーの脚が巻き起こす乱気流を整え、ホイールの回転による空気抵抗を最小限に抑える設計となっている。

また、ボトムブラケット周辺には左右非対称の「Mariana(マリアナ)BB」を導入。ドライブサイドとノンドライブサイドで形状を変えることで、巨大なチェーンリング(シングル・ダブル対応)を許容しつつ、最適なエアフローを実現した。
製造工程も規格外。「Masterpiece(Mpc.)」の名が示す意味

モデル名の「Mpc.」は「Masterpiece(傑作)」を意味する。これはBMCのラインアップの中でも、コストや生産効率を度外視し、最高の素材と技術を投入した製品にのみ与えられる称号だ。
新型Timemachine Mpc.は、継ぎ目のないワンピース・モノコック構造を採用。オートクレーブ(高圧釜)による一体成型で製造され、塗装さえも重量増になるとして排除された「ペイントレス」仕上げとなっている。これにより、極めて高い精度と剛性、そして軽量化を実現した。
「これは普通の『人間』のためのバイクではない。ワールドツアーのエリート選手のために設計されたものだ」とBMCが語る通り、商業的な妥協を一切排したピュアレーシング機材である。
販売パッケージと価格

新型Timemachine Mpc.は、フレームセット(フレーム、フォーク、ベースバー、シートポスト、スルーアクスル等を含む)のモジュール形式で販売される。DHバー(エクステンション)やアームレストはライダーの体格に合わせてカスタム品を使用することが前提となっているため、あえて同梱されていない。
サイズはSとMLの2サイズ展開。「Masterpiece」シリーズとなるため受注生産となり、この情報解禁日の2月21日(現地時間では2月20日)より国内BMC取り扱い店舗で受注を開始する。ただし、生産数量が決まっているので、注文しても必ず手元に届く保証はないという。
国内BMC取り扱い店舗
https://e-ftb.co.jp/bmc/shop/
BMC Timemachine Mpc. Module VAR1
販売価格は280万円ほどを予定
- サイズ:S, ML
- フレーム:Timemachine Mpc. Premium Carbon(Masterpieceテクノロジー)
- フォーク:Timemachine Mpc. Premium Carbon Halo+
- シートポスト:Timemachine Mpc. Premium Carbon SpeedSlab
- ハンドル:BMC Basebar FlowSpine(エクステンション別売)
- タイヤクリアランス:実測30mm
問:フタバ https://e-ftb.co.jp/bmc/
- BRAND :
- Bicycle Club
SHARE
PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。


















