
【100楽山/巻機山】美しい草紅葉のある地へ。私の好きな秋の山歩き

ランドネ 編集部
- 2025年09月16日
秋といえば、絶好の登山シーズン。今年の秋はどこの山に行こうか?と、考えるのが楽しみな時期になってきました。
当記事では、山をこよなく愛する4人のインフルエンサーの方に、「私の好きな秋の山歩き」について紹介していただきます。 今回は、山の恵みを使った書を楽しんでいる山と書さんに教えていただきました!
山頂ではなく景色のピークを探す
私はピークハントよりも、その山がいちばん美しく見える景色を探す山歩きが大好きです。今回は、巻機山の山行で見つけた景色を紹介したいと思います。
この日はソロで、巻機山のふもとキャンプ場にテントを張り前泊。夜ごはんは無印のトムヤムクンキットと、家で下ごしらえしてきた食材をメスティンへ入れるだけで簡単に。栄養バランスを考えた具材がたっぷりで、〆にフォーを入れていただきます。
この日に登った人たちがテン場に戻ってきて、「草紅葉がすばらしくて感動したよ!」と教えてくれたこともあり、明日がより楽しみに。明日のことを考えると、なかなか寝つけませんでした。
午前3時、辺りは真っ暗でだれも起きていないなか、テン場を出発。ヘッドライトの灯りを頼りに、道迷いに気をつけながら歩きます。太陽が昇っていない山は闇に包まれており、少し怖さもありましたが、ふと空を見上げると星空の美しさに圧巻されました。
ニセ巻機9号目にさしかかったころ、やっと写真が撮れるくらいの明るさに。休憩をしていると、さっきまで汗だくで暑かった身体はすぐに冷えてしまいました。10月半ばの山は、もう冬支度を始めているんだな~と感じます。
山のあいだから朝陽が差し込み、じわっと身体に血が巡るような感覚が。これはナイトハイクならではの体験だと思います。歩みを進めて避難小屋近くに来ると、ガスが抜けたことによって、もふもふの絨毯のような草紅葉が見えてきました。
辺りには、小屋に前泊していた人たちがたくさん。ここで見る夕陽もきっと最高なんだろうなあ……。次はここで前泊しよう!と、また楽しみが増えます。

巻機山をあとにして牛ヶ岳方面へ歩くと、あの有名なニコちゃんがお出迎えをしてくれます。その先の牛ヶ岳に到着すると、周辺はガスで真っ白。1時間ほどガスが抜けるのを待ちましたが好転せず、引き返します。
本来はここで下山予定でしたが、登りのペースの調子が良かったことと、まだまだ時間に余裕があったため、割引岳へ向かうことにしました。くっきりと姿を見せる越後三山を眺めながら、いつか歩いてみたいな~と思いながら進んでいきます。
山は晴天すぎるよりも、雲やガスがあったほうが、山に奥行きが増す気がします。また歩行時間が長ければ長いほど、振り返ったときに自分が歩いてきた道がよく見えるとうれしいきもちになります。
雲やガスが晴れた瞬間、割引岳の全容が見えてびっくり。こんなにすてきな山だったなんて……!夢中でシャッターを切ります。草紅葉が本当に美しくて、この景色を目的にした山行を毎年したいと思いました。


秋の草紅葉が美しい時期、巻機山だけ歩いて帰るのは勿体ないと思います。ぜひ割引岳まで足を伸ばしてみて欲しいです!
私のもう1つの山の楽しみ方
私には家に帰ってきてからも楽しみがあります。沢の水を持ち帰り、その水で墨を磨る。そして山で思った言葉を書にしたためる。山そのものが書に宿る気がしてうれしい気持ちになります。
また山で撮った写真をレタッチしながら飲むお酒は格別に美味しいです。カメラのなかは同じような写真ばかりですが、そのなかからベストショットを選ぶ時間も楽しいひとときです。
おすすめのルート
巻機山麓キャンプ場~巻機山登山口~巻機山~牛ヶ岳~割引岳~巻機山登山口~巻
機山麓キャンプ場
紹介してくれたのは
山と書 yamatosho
普段は高等学校教諭(書道)を生業としています。山の写真と書をSNSに配信しています。
Instagram:@_yamatosho_
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PROFILE

ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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