
モバイルバッテリーの選び方|安全な登山を実現するモバイルバッテリー8選

FUNQスタッフ
- 2025年10月21日
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導入と選び方ガイド
登山のスマホ充電、不安じゃない?最適なモバイルバッテリーで安心を手に入れよう
初めての登山、美しい景色を写真に収めたり、地図アプリで現在地を確認したりと、スマートフォンは今や必須アイテムです。しかし、「途中でバッテリーが切れたらどうしよう……」という不安は、多くの登山初心者が抱える共通の悩みではないでしょうか。万が一の連絡手段を確保するためにも、モバイルバッテリーは安全な登山に欠かせません。
この記事では、数ある製品の中から登山初心者に最適なモバイルバッテリーの選び方を徹底解説します。さらに、編集部が厳選した最新のおすすめモデル8選もご紹介。この記事を読めば、あなたの登山スタイルにぴったりの一台が見つかり、より安心感をもって登山を楽しめるようになります。
登山用モバイルバッテリー選び3つの重要ポイント
ただ「大容量」なだけでは、登山用としては不十分です。ここでは、登山初心者が絶対に押さえるべき3つの選定基準を、その理由と共に詳しく解説します。
ポイント1:容量は「10000mAh」が基本のベストバランス
モバイルバッテリーの性能を表す最も重要な指標が「mAh(ミリアンペア時)」です。これは「バッテリーの容量」を示し、数値が大きいほど多くの電力を蓄えられます。
なぜ10000mAhが最適なのか?
最新のスマートフォンのバッテリー容量は、約3,500〜4,500mAhです。10000mAhのモバイルバッテリーなら、約2回分のフル充電が可能です。日帰りや山小屋泊の1泊2日の登山であれば、十分すぎるほどの安心感が得られます。これ以上容量が大きいと、その分重くなり、登山の負担が増えてしまいます。軽さと安心感のバランスが最も良いのが10000mAhなのです。
mAh(ミリアンペア時)とは?: 1時間に流せる電流の量を示す単位。モバイルバッテリーがどれくらいの仕事量(充電能力)を持つかを示すスタミナのようなものです。
ポイント2:重量は「200g前後」を目安に!軽さは正義
登山では、荷物の重さが体力に直結します。「たかが数十グラム」と侮ってはいけません。特に長時間の登山では、そのわずかな差が後半の疲労に大きく影響します。
具体的な目安は?
容量10000mAhのモデルであれば、重量200g前後が一つの目安になります。これは、一般的なスマートフォン1台分とほぼ同じ重さです。製品によっては150g台の超軽量モデルも存在します。バックパックに入れる際は、他の荷物と合わせて1gでも軽いものを選ぶのが、快適な登山への近道です。購入前には必ずスペック表で「本体重量」を確認する習慣をつけましょう。
ポイント3:安全性と+αの機能(防水・急速充電)を確認
登山の環境は常に変化します。突然の雨や、岩場での落下など、予期せぬ事態に備えることも重要です。
最低限確認すべき「PSEマーク」
日本国内で販売されるモバイルバッテリーには、電気用品安全法に基づいた「PSEマーク」の表示が義務付けられています。これは、製品が国の定めた安全基準をクリアしている証です。このマークがない製品は、安全性の観点から絶対に避けましょう。
あると便利な+αの機能
- 防水・防塵性能(IP規格): 「IP67」のように表記され、数字が大きいほど性能が高くなります。突然の雨でも安心な防水性や、砂埃に強い防塵性を持つモデルは、アウトドアで非常に心強い存在です。
- 急速充電(PD): 「Power Delivery(パワーデリバリー)」の略で、対応する機器を短時間で充電できる規格です。休憩中に素早く充電を済ませられるため、時間の限られた登山では大きなメリットになります。
編集部が厳選!登山初心者向けモバイルバッテリーおすすめ8選
ここからは、前述した選び方のポイントを踏まえ、編集部が「これなら間違いない」と自信を持っておすすめする最新モバイルバッテリーを8つご紹介します。
1. Anker(アンカー) Anker Power Bank (10000mAh, 30W)|高出力とコンパクトさを両立した優等生
モバイルバッテリーの定番ブランドAnkerが送る、性能バランスに優れた一台です。最大の特徴は、コンパクトなサイズ感ながら最大30Wという高出力に対応している点。これにより、最新型のスマートフォンを最速で充電できるだけでなく、タブレットや一部の薄型ノートPCへの充電も可能です。
本体重量は約220gと標準的ですが、丸みを帯びたデザインで握りやすく、バックパックのサイドポケットにもすっきりと収まります。バッテリー残量がパーセント表示されるディスプレイも搭載しており、直感的に残量を確認できるのが初心者には嬉しいポイント。初めてのモバイルバッテリー選びで迷ったら、まずこのモデルを検討すれば間違いありません。
項目 | 詳細 |
ブランド | Anker(アンカー) |
商品 | Anker Power Bank (10000mAh, 30W) |
公式サイト | https://www.ankerjapan.com/products/a1256 |
2. CIO(シーアイオー) SMARTCOBY Pro SLIM|カードサイズの軽量コンパクトなバッテリー
「荷物はとにかく薄く、軽くしたい」というミニマリスト志向の登山者に最適なモデルです。特筆すべきはその驚異的な薄さと軽さ。厚さはわずか約16mm、重量も約180gと、10000mAhのモデルではトップクラスの携帯性を誇ります。
クレジットカードとほぼ同等のサイズ感で、サコッシュやパンツのポケットにも違和感なく収まります。小さいながらも性能はパワフルで、最大35WのUSB-PDに対応。2つのUSB-Cポートと1つのUSB-Aポートを備え、3台同時充電も可能です。バッテリー本体を充電しながらデバイスへ給電できる「パススルー充電」にも対応しており、山小屋でのコンセント争奪戦でもスマートに立ち回れます。デザイン性と機能性を高次元で両立させた、スタイリッシュな一台です。
項目 | 詳細 |
ブランド | CIO(シーアイオー) |
商品 | SMARTCOBY Pro SLIM |
公式サイト | https://connectinternationalone.co.jp/cioproduct/mobilebattery/smartcoby/cio-smartcoby-pro-slim-35w2c1a/ |
3. Goal Zero(ゴールゼロ) Venture 35 Power Bank|雨も衝撃も怖くない!アウトドア最強のタフネスモデル
Goal Zeroは、アウトドア向けのポータブル電源で絶大な人気を誇るブランドです。その中でもVenture 35は、9600mAhのリチウムイオン電池を搭載し、IP67の高い防塵防水性能を備える、まさに登山のために生まれたような大容量タフネスモデル。水深1mに30分間沈めても浸水しないという圧倒的な防水性は、突然の豪雨に見舞われてもデバイスを確実に守ってくれます。
本体はラバー製のガードで覆われており、岩場での落下など、不意の衝撃から内部のバッテリーセルを保護します。重量は約286gと重めですが、天候を問わずアクティブに登山を楽しみたい方にとって、これ以上ない頼れる相棒となるでしょう。
項目 | 詳細 |
ブランド | Goal Zero(ゴールゼロ) |
商品 | Venture 35 Power Bank |
公式サイト | https://goalzero.jpn.com/product/venture-35-power-bank/ |
4. ELECOM(エレコム) DE-C38-10000シリーズ|信頼の国内メーカー製!基本をしっかり押さえた入門モデル
「特別な機能よりも、まずはシンプルで信頼できる一台が欲しい」という方に最適なのが、国内大手メーカー、エレコムの定番モデルです。最大の魅力は、登山用バッテリーとしての基本性能をしっかりと押さえている点にあります。機能はシンプルながら、USB-AとUSB Type-Cの2ポートを搭載し、2台同時充電に対応。接続された機器を自動で見分けて最適な出力で充電する「おまかせ充電」機能も備わっています。
高出力な急速充電や防水性といった特化した機能はありませんが、その分、登山の「お守り」として持つのに必要十分な性能と、国内メーカーならではの安心感を両立しています。何を買うべきか迷った際の、堅実で間違いのない選択肢として、最初の一個に最適なモデルです。
項目 | 詳細 |
ブランド | ELECOM(エレコム) |
商品 | DE-C38-10000シリーズ |
公式サイト | https://www.elecom.co.jp/products/DE-C38-10000BK.html |
5. Belkin(ベルキン) BoostCharge Power Bank 10K with Integrated Cable|ケーブル忘れとは無縁!スマートな一体型モデル
「登山に出発する朝、モバイルバッテリーは持ったのにケーブルを忘れた……」そんな経験はありませんか?Belkinのこのモデルは、本体にUSB-Cケーブルが内蔵されているため、そんなうっかりミスを完全に防いでくれます。ザックの中でケーブルが絡まるストレスからも解放されます。
Apple製品との親和性が高いブランドとしても知られており、品質とデザイン性は折り紙付き。内蔵ケーブルは最大20WのPD出力に対応し、iPhone15Proを約30分で50%まで急速充電できます。さらにパススルー充電にも対応しているため、機能面も抜かりありません。ケーブル管理の手間をなくし、スマートに充電したい登山者にとって非常に価値のある選択肢です。
項目 | 詳細 |
ブランド | Belkin(ベルキン) |
商品 | BoostCharge Power Bank 10K with Integrated Cable |
公式サイト | https://www.belkin.com/jp/p/power-bank-10k-with-integrated-cable/BPB021fqPK.html |
6. cheero(チーロ) cheero Pocheri Danboard ver.|持っているだけで楽しい!可愛さと実力を兼ね備えた一台
大人気の段ボールロボット「ダンボー」とのコラボレーションモデル。コロンとした可愛らしいデザインと、約187gという軽さが魅力です。無機質になりがちな登山ギアの中に、遊び心のあるアイテムを加えたい方におすすめです。
見た目の可愛さとは裏腹に、性能は本格的。最大18WのUSB-PDに対応し、急速充電が可能です。USB-AとUSB-Cの2ポートを備え、2台同時充電もOK。日本のメーカーとして、徹底した品質管理と安全対策を行っている点も、安心して使える大きなポイントです。登山の休憩中に取り出せば、その愛らしい姿に癒されること間違いなし。実用性とデザイン性を両立させたい方にぴったりです。
項目 | 詳細 |
ブランド | cheero(チーロ) |
商品 | cheero Pocheri Danboard ver. 10000mAh |
公式サイト | https://cheero.shop/products/che-125d |
7. Maxell(マクセル) MPC-CE10000|電池のプロが作る、3台同時充電対応の頼れる一台
乾電池や記録メディアで長年の歴史を持つ国内メーカー、マクセル。その技術力が注ぎ込まれたこのモデルは、「電池のプロ」が作るという絶対的な安心感が最大の強みです。特筆すべきは、USB Type-Cポート1つとUSB-Aポート2つを搭載し、合計3台のデバイスを同時に充電できる点。スマートフォン、ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチなどをまとめて充電したい場合に非常に便利です。
本体の厚さは約16.5mm、重量は約230gと、持ち運びやすい標準的なサイズ感。過充電や過放電などを防ぐ高度な安全回路を搭載しており、長期間にわたって安心して使用できます。登山の道具として「複数の機器を一度に充電できる利便性」と「堅実な信頼性」を最優先したい方におすすめの一台です。
項目 | 詳細 |
ブランド | Maxell(マクセル) |
商品 | MPC-CE10000 |
公式サイト | https://maxell-online.com/products/mpc-ce10000?_pos=1&_sid=5e4d6a115&_ss=r |
8. MOTTERU(モッテル) MOT-MB10001|国内最小最軽量クラス!軽さを極めるならコレ
MOTTERUのこの製品は、「かるふわ」という愛称の通り、約174gという驚異的な軽さを誇ります。10000mAhかつPD18W以上に対応するモデルで、USB-AとUSB-Cの2ポートを搭載し2台同時充電が可能と、機能性は充分にあります。1gでも荷物を軽くしたいという、軽量化を突き詰める登山者におすすめです。
豊富なカラーバリエーションと、手になじむ丸みを帯びた優しいデザインも特徴。ロゴがプリントされた専用ポーチ付きで、バッテリー本体と付属の本体用ケーブルとをまとめて収納できる点も魅力です。
項目 | 詳細 |
ブランド | MOTTERU(モッテル) |
商品 | MOT-MB10001 |
公式サイト | https://motteru.co.jp/model/mot-mb10001/ |
モバイルバッテリー選びのよくある質問
ここでは、登山初心者の方がモバイルバッテリーを選ぶ際によく抱く疑問について、Q&A形式で詳しくお答えします。
Q1. 登山のモバイルバッテリーは10000mAhで本当に足りますか?
A1. 日帰りや1泊2日の山小屋泊であれば、ほとんどの場合で充分です。
その根拠は、スマートフォンの使い方とバッテリー容量にあります。 例えば、一般的なスマートフォンのバッテリー容量は約4000mAhです。10000mAhのモバイルバッテリーの実効容量(変換ロスを考慮した実際の充電可能量)が約60-70%だとすると、6000〜7000mAhの電力量が使えます。これにより、スマホを約1.5回フル充電できる計算になります。
登山中のスマホの主な用途は、地図アプリでの位置確認、写真撮影、緊急連絡です。常に画面を点灯させるわけではないため、1日でバッテリーを使い切ることは稀です。そのため、1泊2日の登山でも、10000mAhあれば充分な備えと言えるでしょう。ただし、動画撮影を多用したり、気温が低い冬山(バッテリーの性能が低下しやすい)で使ったりする場合は、20000mAhのモデルを検討するのも一つの手です。
Q2. 安いモバイルバッテリーと高いものでは、何が違うのですか?
A2. 主な違いは「安全性」「性能の信頼性」「付加機能」の3点です。
- 安全性: 高価なモデルは、高品質なバッテリーセルを使用し、過充電・過放電・ショートなどを防ぐための保護回路が何重にも搭載されています。登山の振動や気温変化に耐える設計など、安全への投資が価格に反映されています。
- 性能の信頼性: 安価な製品の中には、表示されている容量(例:10000mAh)よりも実際の充電可能量が著しく少ないものも存在します。信頼できるメーカーの製品は、表示スペック通りの性能が安定して発揮されるため、「いざという時に使えない」というリスクを避けられます。
- 付加機能: 価格が高いモデルは、急速充電(PD)への対応、防水・防塵性能、軽量化のための素材(カーボンファイバーなど)といった、登山をより快適で安全にするための付加価値が備わっています。
命を守る道具の一つとして、特に登山で使う場合は、価格だけでなく信頼性や安全性を重視して選ぶことをおすすめします。
Q3. 急速充電(PD)は本当に必要ですか?
A3. 必須ではありませんが、あると格段に便利で、安心感も増します。
急速充電(PD)の最大のメリットは、短い時間で大幅にバッテリーを回復できることです。 例えば、登山の休憩時間は30分程度。この短い時間で充電する場合を比較してみましょう。
- 通常充電(5W): 約10〜15%の回復
- 急速充電(PD 20W): 約50%の回復
このように、充電できる量に大きな差が生まれます。山小屋に到着してから就寝までの短い時間や、下山後のカフェでのわずかな時間でスマホを復活させたい場面で、急速充電は非常に役立ちます。行動中にバッテリーが心許なくなった時でも、少しの休憩で一気に回復させられる安心感は、精神的な余裕にも繋がります。予算が許すのであれば、PD対応モデルを選ぶ価値は充分にあります。
Q4. モバイルバッテリーを長持ちさせる使い方はありますか?
A4. 「過充電・過放電を避ける」ことと「適切な温度で保管する」ことが重要です。
モバイルバッテリーに使われているリチウムイオン電池の寿命を延ばすための、簡単なコツを2つご紹介します。
- バッテリー残量を50%前後に保つ: 常に100%の満充電状態や、0%のまま長期間放置することは、バッテリーの劣化を早める原因になります。登山から帰ってきたら、50%程度まで充電して保管し、登山の前日に100%にするといった使い方が理想的です。
- 高温・低温を避ける: バッテリーは極端な温度変化に弱いです。特に真夏の車内への放置は絶対に避けてください。冬の登山では、外気に直接触れるバックパックの外ポケットではなく、衣類に近い内ポケットや、バックパックの中心部に入れて保温を心がけることで、性能低下を防ぎ、バッテリーを長持ちさせることができます。
これらの少しの工夫で、大切なモバイルバッテリーをより長く、安全に使い続けることができます。
まとめ
あなたに最適な一台で、安全で楽しい登山を!
今回は、登山初心者向けのモバイルバッテリーの選び方と、おすすめの最新モデル8選をご紹介しました。最後に、この記事の要点を3つにまとめます。
- 容量は10000mAh、重量は200g前後がベストバランス: 日帰り〜1泊2日の登山に十分な安心感と、負担にならない軽さを両立できます。
- 安全性は最優先。「PSEマーク」は必須: 万が一の事態に備え、国の安全基準を満たした信頼できる製品を選びましょう。
- 自分の登山スタイルに合った+αの機能を選ぶ: 雨天でも安心な「防水性」、短時間で充電できる「急速充電」、荷物を減らせる「ケーブル内蔵」など、自分に必要な機能を見極めることが大切です。
モバイルバッテリーは、美しい景色を記録し、自分の安全を守るための重要な装備です。この記事で紹介した製品の中から、あなたの登山スタイルにぴったりの一台を見つけ、バッテリー切れの不安なく、心ゆくまで登山を楽しんでください。
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