BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo
  • タビノリ

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

芯を喰う瞬間 モデル・パトリシオが語るゴルフと人生の交差点|タクミのカクゲン

ファッションモデル パトリシオ -Patricio-

ゴルファーのために活躍するゴルフ界の匠から、それぞれの仕事に賭けた誇り高き言葉を頂く連載企画。今回は、サーフ&ターフを実践する本誌でもおなじみのファッションモデルが登場。

ゴルフだけは生涯関わることがないと

今回のキーワードは「芯を喰う」。たとえば、創刊時からゴルフファッションを大事にしてきた本誌が、僭越ながらモデルを選ぶ場合、企画のイメージに合う複数名が最終候補に残れば、ゴルフ経験者を優先するのはご理解いただけると思う。

無論モデルの役割は、服がもつ個性や特性をその身をもって表現すること。だが、ゴルフという限定的なケースでは、ゴルフが身についている事実が重要だ。なぜなら、いかにもゴルフ的なスイングのポージングより、クラブやボールの扱い方など、ゴルファー特有の慣れが写真に現れるからだ。

それが、いわばゴルフファッション企画の芯にもなり得る細部。正しく喰っているか否かの判断は、あるいは編集者より読者のほうが厳しかったりする。

「衝撃的でしたよ、EVENから依頼があった時は」

パトリシオの端的なプロフィールは、湘南を生活拠点とし、ゴルフとサーフィンを楽しむライフスタイルも注目されているモデル。それゆえ本誌が彼の起用を望んだのは必然だった。だが当の本人は、「ついにあのEVENが?」という驚きがあったらしい。
「学生時代はサッカー。20代の後半で湘南に住みサーフィンを始めた僕の人生で、ゴルフだけは生涯関わることがないスポーツと思っていたんです」
そんなパトリシオとゴルフが出会ったのも、モデル業を通じてだった。今から数年前、彼が様々な事柄に挑戦する雑誌の連載企画で、ただ1回のテーマに選ばれたのがゴルフだった。

パトリシオの登場では初期に当たる2021年5月号の本誌表紙。モデルの経験が豊富な上にゴルフも好きな存在は、専門誌にとって極めて重要なのは言うまでもない。

芯を喰いたい!

「芯を喰ったんです。初めてクラブを握ったその日に。サーフィンでたとえるなら、テイクオフが上手く決まり、レールがしっかり波にはまって、良いポジションを走れている感覚に近かったですね。インストラクターの指導も良かったんです。握り方の基本だけ教えてくれた後は、ボールを思い切り遠くへ飛ばすイメージで打てば良いと。それで体感した芯を喰った感触に感動して、その連載企画で唯一、今後も続けたいものになりました」

そうして友人からクラブを譲り受け、気ままなペースで練習場に通い始めた。
波乗りを先に始めた彼によれば、ゴルフとサーフィンの共通点は「自然相手のスポーツ」らしい。

今号のファッション撮影のオフショット。どのページのカットかはご検索あれ。モデルなら当然とはいえ、気温35度越えの中、この衣装で汗を見せないとは……。

歳を重ねるほど自分の経験が表に出てきますよね

「コース上のアンジュレーションが波に見えて、そこに自分が立つイメージが自然と湧くんですよね。風が嫌だという人もいるけれど、僕にすればオフショアかオンショアかの違いでしかないので、どんな状況も素直に受け入れられるんです」

ライフスタイルの理想形に挙げられるサーフ&ターフを実践しているパトリシオが大事にしているのは、マイペースを維持できる生活全体のバランスだという。この言葉に説得力を覚えたのは、彼が3人の子供を持つ41歳の側面があるからだ。それを積み上げた幸福の背景と呼ぶなら、出発点はモデルという職業に他ならない。その始まりをパトリシオは、「奇跡のような3日間」と称した。

モデルという仕事は人生のバランスの源

東京・目黒生まれ。アルゼンチン人の父親と日本人の母親のもとに生まれた彼が16歳になったある日、その3日間がいきなり堰を切った。

愛称は「パト」。現場のスタッフからその名で親しまれるのは、プロとして芯を喰いたい信条によって培われた人柄の良さによるものだろう。

「元から洋服が好きでファッション誌をよく眺めていたんですね。その中の、ある裁ち落とし1ページ。青空バックに男性モデルのサングラスから瞳が透けて見える写真に釘付けになった瞬間、『この仕事やるかも』と思いました。『やりたい』ではなかったのが不思議でした」

その翌日、偶然居合わせた渋谷で、サッカー少年には怪しい気配しか感じ取れない外国人の3人組に声をかけられた。「これから歌舞伎町で写真を撮らせてくれ」と言ったのは、間もなく日本版が発売されるという海外のカルチャー誌の制作主要メンバーだった。

「奇抜な衣装を着せられた過激な写真でしたけれど、プロの仕事振りが凄くて、表現の世界って楽しいと思っちゃったんです」

そしてさらに翌日。バイトで向かった原宿で、現在も所属する芸能事務所にスカウトされた。
「それから41歳になる今日まで、同じ事務所でこの仕事を続けてきました。昔は雪が降る中Tシャツ1枚で撮影するとか、肉体的に辛い仕事がたくさんあったけれど、思い返せばいろんな人に出会えた喜びばかりなんですよね。だから続けられるんじゃないでしょうか」

仕事の信条が明らかに変わったタイミングあったそうだ。

「歳を重ねるにつれ、自分には似合わないと思う服を着る仕事が増えてきました。それが、15年くらい前かな。長男が生まれる前後になって、用意された服を着て現場の人たちが喜ぶ顔を見るのがうれしくなったんです。その上で服が売れるなら最高だなと、改めてこんなに素敵な仕事はないと思えるようになって。そこから、自分に求められる芯をよりしっかり喰うことを心掛けるようになりました。モデルという職業に出会えたことで妻と結婚し、子供ができて家庭をもつこともできた。僕の人生のバランスの源がモデルですから、これからも続けていきたいです。今のところ、ゴルフとサーフィンの両方に興味をもってくれるのは次男だけですけれど」

現在のパトリシオは、二つのブランドを介して、より直接的なコミュニケーションを展開している。
一つは、アーバンリサーチのサニーレーベルとコラボレーションした『OOPS』。年2回、パトリシオが提示する旬のテーマを形にしたゴルフウェアを発表している。

「当初は、ゴルフウェアと普段着の融合をコンセプトにしていたのですが、ゴルフ歴がかさむほどにゴルフ専門ブランドに圧倒されています。プレーのしやすさって重要ですもんね。そうした機能性は『OOPS』にも反映しています。でも、気持ち良くゴルフを楽しむスタンスは大事にしていきたい」

もう一つは、サーフ&ターフ仲間でもあるスタイリストの橋本敦氏とともに立ち上げた『CIRCLE CIRCLE』。二人が楽しいと感じるモノやコトを様々なアイテムに託した、いわばライフスタイルブランドだ。名称には、パトリシオがその人生で感謝している人の縁が、さらに丸い円となって広がる願いが込められているという。

「どんな職業も同じと思いますけれど、歳を重ねるほど自分の経験が表に出てきますよね。モデルなら、ポージングの良し悪しだけではない部分で。だから一生成長しなければと思います」

これは、人に見られる仕事に対する考え方を訪ねた際の返答だ。

「一方で、困るというほどではないけれど、たまにコースで『EVENに出てる人』と声をかけられることがあるんですね。うれしいんですが、楽しいプレーを信条にしているので、芯を喰わないショットでも温かく見守ってください」

洋服好きに端を発した職業ゆえ到達した、ファッションによるコミュニケーション。現在は、ゴルフウェアブランドの『OOPS』と、サーフ&ターフ仲間と立ち上げた『CIRCLE CIRCLE』を展開中。
パトリシオのサーフ&ターフ。その二つを楽しむことが自然なライフスタイルとなり、周囲から注目され仕事にもつながった件について、彼は「時代の運と、人との縁のおかげ」と言った。

Instagramはこちら

SHARE

PROFILE

EVEN 編集部

EVEN 編集部

スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。

EVEN 編集部の記事一覧

スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。

EVEN 編集部の記事一覧

No more pages to load