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冬の登山の必需品!保温性インナーの選び方|快適な登山を実現するベースレイヤー12選

冬の登山において、最も重要なウェアは何かご存知でしょうか。アウタージャケットやダウンも大切ですが、実は肌に直接触れる「ベースレイヤー(保温性インナー)」こそが、快適さと安全性を左右する鍵を握っています。

「動いているときは暑いけれど、休憩すると急激に冷える」「汗冷えで体力を奪われてしまった」
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。冬山では、かいた汗が冷やされることで低体温症のリスクが高まります。そのため、単に暖かいだけでなく、汗を素早く処理する機能を持ったインナー選びが不可欠です。

この記事では、登山用品に精通した筆者が、冬の登山用レディースインナーの選び方と、機能性に優れたおすすめモデル12選を厳選してご紹介します。初心者の方からベテランの方まで、ご自身のスタイルに合った一着を見つける参考にしてください。

失敗しない!冬山用インナー選びの3つのポイント

冬山のインナー選びには、街着とは異なる「命を守るための基準」があります。ここでは重要な3つの視点を解説します。

素材の特性を知り「保温」と「ドライ」のバランスを選ぶ

登山用インナーの素材は大きく分けて「ウール(メリノウール)」「化繊(ポリエステル等)」「ハイブリッド」の3種類があります。専門用語の解説を交えながら選びましょう。

メリノウール

天然の調湿機能を持ち、濡れても保温性が落ちにくいのが特徴。汗冷えしにくく、防臭効果も高いため、宿泊を伴う登山や、運動量が一定の雪山ハイクに適しています。

化学繊維 (化繊)

吸汗速乾性(汗を素早く吸い上げ、拡散して乾かす性能)に優れ、かいた汗を素早く外へ逃します。運動量が多く、大量に汗をかくアクティビティにおすすめです。

ハイブリッド

ウールと化繊を混紡し、両方のメリット(保温性と速乾性、耐久性)を兼ね備えたタイプ。近年のベースレイヤーの主流であり、バランスの良さが特徴です。

生地の厚み(ウェイト)を気温と運動量に合わせる

生地の厚さは主に「ライトウェイト(薄手)」「ミッドウェイト(中厚手)」「ヘビーウェイト(厚手)」に分かれます。目安となるのが「グラム/平方メートル(g/m²)」という数値です。

中厚手(200g/m²前後)

最も汎用性が高く、日本の冬山(低山~2000m級)で使いやすい基準となります。多くのブランドで中心的なラインナップです。

厚手(260g/m²以上)

厳冬期の高所や、動きの少ない停滞型の活動、寒がりの方に適しています。

薄手(150g/m²以下)

トレイルランニングや運動量の多いバックカントリースキーなど、発熱量が多いシーン向けです。

「ドライレイヤー」という重ね着の新常識

近年、ベースレイヤーの下にさらに一枚、メッシュ状の撥水インナー(ドライレイヤー)を着用するスタイルが定着しています。撥水性(水を弾く性質)を持つドライレイヤーは、肌から汗を瞬時に引き剥がし、上のベースレイヤーに移動させます。肌面を常にドライに保てるため、冬山の天敵である「汗冷え」を劇的に軽減できます。寒さが苦手な女性には特に試していただきたいレイヤリングです。

編集部が厳選!冬の登山用レディース保温性インナーおすすめ12選

「とにかく寒いのが苦手」「汗冷えが心配」……そんな冬山の悩みを解決してくれる高機能インナーをピックアップ。暖かさ重視のウールから速乾重視の化繊など、あなたの体質や目的にぴったりハマるおすすめの12着をご紹介します。

1. finetrack(ファイントラック) ドライレイヤーウォーム ブラトップロングスリーブ

汗冷え対策の決定版!保温性をプラスした撥水アンダー

日本ブランド「ファイントラック」が提唱する、ベースレイヤーの下に着る「ドライレイヤー」の冬用モデルです。肌から汗を透過させ、肌面を常にドライに保つことで汗冷えを防ぎます。この「ウォーム」タイプは、素材自体に保温性を持たせているため、冬の寒さ対策に最適。ブラトップ一体型で、締め付けが少なく快適な着心地も女性には嬉しいポイントです。[画像:ファイントラック ドライレイヤーウォームブラトップロングスリーブ]

項目 詳細
ブランド finetrack
商品 ドライレイヤーウォームブラトップロングスリーブ
価格 ¥9,900(税込)

2. Millet(ミレー) ドライナミック メッシュ 3/4 スリーブ

驚きの見た目と実力。汗を肌に残さない究極のメッシュ

通称「アミアミ」として親しまれる、ミレーの代表的なドライレイヤーです。厚みのあるメッシュ構造が、かいた汗を素早く上のレイヤーへと吸い上げ、肌をドライに保ちます。また、メッシュの厚みがデッドエア(空気の層)を作り出し、保温性も確保。見た目のインパクトはありますが、一度使うと冬山では手放せなくなるほどの機能性を誇ります。袖が七分丈で、腕時計やグローブと干渉しにくい設計です。[画像:ミレー ドライナミック メッシュ 3/4 スリーブ]

項目 詳細
ブランド Millet
商品 【ウィメンズ】ドライナミック メッシュ 3/4 スリーブ
価格 ¥7,040(税込)

3. finetrack(ファイントラック) メリノスピンサーモ ロングスリーブ

ウールと化繊のいいとこ取り。未防縮ウールで暖かさ長持ち

天然のメリノウールとポリエステルをハイブリッドした「メリノスピン」糸を使用したベースレイヤーです。ウールの保温・調湿性と、化繊の吸汗速乾性・耐久性を高いレベルで両立しています。特に未防縮ウールを使用しているため、ウール本来の縮れ(クリンプ)が保持され、ふんわりとした暖かさが続きます。冬の一般登山からアイスクライミングまで幅広く対応する、頼れる一着です。[画像:ファイントラック メリノスピンサーモロングスリーブ]

項目 詳細
ブランド finetrack
商品 メリノスピンサーモロングスリーブ
価格 ¥10,230(税込)

4. Icebreaker(アイスブレーカー) メリノ 200 オアシス ロングスリーブ クルー

天然素材の優しさ。着心地抜群のメリノウール100%

高品質なメリノウールの代名詞とも言えるアイスブレーカーの定番モデルです。中厚手の200g/m²ウェイトは、秋から春先までシーズンを通して活躍します。チクチクしにくい極細の繊維を使用しており、肌触りは非常にソフト。天然の防臭効果が高いため、数日間着続けても臭いが気になりにくく、山小屋泊や縦走登山に最適です。シンプルなデザインで下山後の着替えとしても重宝します。[画像:アイスブレーカー メリノ 200 オアシス]

項目 詳細
ブランド Icebreaker
商品 【公式】メリノ 200 オアシス ロングスリーブ クルー
価格 ¥16,500(税込)

5. Arc’teryx(アークテリクス) ロー LT クルーネック

動きやすさと湿度管理を追求した高機能化繊ベースレイヤー

アークテリクスの「ロー」シリーズは、活動量の多いシーンに適した合成繊維インナーです。肌触りの良い起毛素材「Torrent™」を使用し、優れた吸湿発散性と適度な保温性を提供します。体にぴったりとフィットするトリムフィットデザインにより、重ね着をしても嵩張りません。ポリジン防臭加工が施されており、化繊特有の臭いの問題もケアされています。(※商品名はメンズ表記の場合がありますが、女性用サイズやユニセックス展開をご確認ください)[画像:アークテリクス ロー LT クルーネック]

項目 詳細
ブランド Arc’teryx
商品 ロー LT クルーネック
価格 ¥17,600(税込)※参考価格

6. ACLIMA(アクリマ) WOOLNET LIGHT CREW NECK WOMAN

ウール×メッシュの相乗効果。蒸れ知らずの暖かさ

ノルウェー発のブランド「アクリマ」が誇る、ウール素材をメッシュ状に編み上げたユニークなインナーです。メッシュ構造が汗抜けを良くすると同時に、空気の層(デッドエア)を大量に保持するため、軽量ながら驚くほどの保温性を発揮します。運動中は涼しく、停滞時は暖かいという理想的な温度調整が可能。肩や胸元など、強度が求められる部分はフラットなニット編みに切り替えられており、着心地も考慮されています。[画像:アクリマ ウールネット ライト クルーネック]

項目 詳細
ブランド ACLIMA
商品 WOOLNET LIGHT CREW NECK WOMAN
価格 ¥18,700(税込)

7. THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス) ロングスリーブ 100 ドライ WR クルー

水分を保持しにくいポリエステルはっ水糸により、肌面のべたつきを軽減するベースレイヤー。身体から出た汗をウエア表面へ素早くシフトし、肌に触れる面に水分を残さない、戻さないというコンセプトで開発。大きなメッシュ組織構造により、肌面を快適に保ちます。繊維に付着したバクテリアの繁殖を抑えて、汗によるにおいの発生を軽減するポリジン・ステイフレッシュ加工を施しています。クルーネックの長袖シャツは、重ね着をしても見えにくい広めの襟ぐり。フィット感の高いシルエットに仕上げています。

項目 詳細
ブランド THE NORTH FACE
商品 ロングスリーブ 100 ドライ WR クルー
価格 ¥8,250(税込)

8. MAMMUT(マムート) Trift Half Zip Longsleeve Women

着脱のしやすいハーフジップタイプのハイネックプルオーバーです。天然の抗菌・防臭性を備えたメリノウールは温度調節にも優れていて、厳しい環境下での登山においても快適さを保ちます。すっきりフィットするシルエットと長めのレングスで、レイヤードもしやすいアイテム。伸縮性が高く、アクティブな動きにもしっかりと対応します。異なる素材特性を縫い目のない単一素材として処理する「Mammut® Phase Knit™」技術により、最高の快適さを実現します。

項目 詳細
ブランド MAMMUT
商品 Trift Half Zip Longsleeve Women
価格 ¥20,900(税込)

9. MIZUNO(ミズノ) ブレスサーモ プレミアホットインナー

発熱するインナーの進化系。極寒地対応の厚手モデル

ミズノ独自の吸湿発熱素材「ブレスサーモ」を使用した、厳寒期対応のアンダーウェアです。体から出る水分を吸収して熱を生み出すため、着た瞬間から暖かさを感じられます。この「プレミアホット」モデルは、裏起毛で空気の層を確保し、シリーズ最強クラスの保温力を実現しています。登山ブランドの高価なインナーに比べてコストパフォーマンスが良く、寒さが特に苦手な方や、動きの少ない冬のハイキングにおすすめです。[画像:ミズノ ブレスサーモ プレミアホットインナー]

項目 詳細
ブランド MIZUNO
商品 ミズノプレミアホットインナー メリノウール×ブレスサーモ
価格 ¥9,900(税込)

10. Columbia(コロンビア) オムニヒートインフィニティ ロングスリーブ クルー

金の裏地で究極の熱反射保温を実現するハイテクベースレイヤー

コロンビア独自の熱反射テクノロジー「オムニヒートインフィニティ」を採用した高機能ベースレイヤーです。裏地の金色のドットが、体温を効率よく反射し、熱を逃さず暖かさをキープします。汗をかいても吸水速乾機能「オムニウィック」が水分を素早く処理し、肌面をドライに保ちます。特に寒冷地での低体温対策に優れており、軽量ながら驚きの暖かさを発揮します。[画像:コロンビア オムニヒートインフィニティ ロングスリーブ クルー]

項目 詳細
ブランド Columbia
商品 オムニヒートインフィニティ ロングスリーブ クルー
価格 ¥8,250(税込)

11. CW-X(シーダブリューエックス) JYURYU(ジュウリュウ)

肩甲骨の可動域を広げ、スムーズな動きをサポート

ワコールのコンディショニングウェアブランド「CW-X」の機能性トップスです。保温性だけでなく、「身体機能の向上」に主眼を置いているのが特徴。背中のサポートラインが肩甲骨の可動域を広げ、ザックを背負った状態でも腕振りや上半身の動きをスムーズにします。吸汗速乾・UVカット機能を備え、姿勢を整える効果も期待できるため、長時間の歩行による疲労軽減を目指す方におすすめです。[画像:CW-X JYURYU]

項目 詳細
ブランド CW-X
商品 機能性トップス JAY599
価格 ¥8,800(税込)

12. NORRONA(ノローナ) femund pureull long Sleeve

北欧の知恵が詰まった、ピュアメリノウールの贅沢

北欧ノルウェーのブランド「ノローナ」の、100%メリノウールを使用したベースレイヤーです(旧Svalbard woolシリーズの後継など)。180g/m²という絶妙な厚みは、保温性と通気性のバランスが良く、幅広いコンディションに対応します。極細の18.5ミクロンウールを使用しているため、素肌に着てもチクチク感はほとんどありません。北欧ブランドらしい発色の良さと、シンプルながら体にフィットするカッティングは、長く愛用できる逸品です。[画像:ノローナ femund pureull long Sleeve]

項目 詳細
ブランド NORRONA
商品 femund pureull long Sleeve (W)
価格 ¥18,700(税込)

保温性インナー選びのよくある質問

冬のインナー選びに関して、店頭でよく聞かれる疑問にお答えします。適切な知識で、あなたの登山をより安全にしましょう。

Q1. 初心者ですが、ユニクロのヒートテックで登山に行っても大丈夫ですか?

A. 冬山登山での使用は避けることをおすすめします。
ヒートテックなどの一般アパレル向け発熱インナーは、レーヨンなどの保水率が高い素材が含まれていることが多く、大量に汗をかくと乾きにくくなる傾向があります。登山では、濡れたインナーが冷風に晒されると急激に体温を奪う「汗冷え」の原因となり、低体温症のリスクにつながります。登山専用の「吸汗速乾性」に優れたインナーを選びましょう。

Q2. 予算が限られています。一番にお金をかけるべきウェアは?

A. 肌に一番近い「ベースレイヤー(インナー)」への投資が最もコスパが良いです。
高価なハードシェルジャケットを着ていても、インナーが汗で濡れていては寒さを防げません。逆に、優れたインナーを着ていれば、中間着やアウターの調整で快適に過ごせる範囲が広がります。まずは5,000円〜10,000円程度の登山専用ベースレイヤーを1枚用意し、その機能性を体験してみてください。

Q3. 性能・機能面で、メリノウールと化繊(ポリエステル)はどちらが優れていますか?

A. どちらも優れていますが、目的によって使い分けるのが正解です。
ウールは濡れても保温性が高く、防臭効果が非常に優れています。寒い環境や連泊の登山、汗をかきにくい方に適しています。一方、化繊は速乾性に優れ、ウールより安価で耐久性も高い傾向があります。運動量が非常に多く、大量の汗をかく場合におすすめです。両者の長所を併せ持つ「ハイブリッド素材」も人気が高まっています。

Q4. ウール製品は洗濯や手入れが大変ではありませんか?

A. 最近の登山用ウールは洗濯機で洗えるものがほとんどです。
「ウォッシャブルウール」や化繊混紡のものが主流で、洗濯ネットに入れれば通常通り洗濯機で洗えます(ただし、柔軟剤や漂白剤は機能を損なうため避けてください)。むしろ、ウールには天然の防臭・抗菌作用があるため、毎回洗わなくても臭くなりにくく、連泊の登山では荷物を減らせるメリットがあります。

Q5. 結局、冬山では何枚重ね着するのが正解ですか?

A. 「3レイヤリング」+「ドライレイヤー」の4枚構成が理想的です。
基本は①ベースレイヤー(肌着)+②ミドルレイヤー(フリース等)+③アウターシェル(雨風除け)の3層です。冬山ではこれに加え、ベースレイヤーの下に④ドライレイヤー(撥水メッシュ)を入れた4枚構成にすると、肌面が常にドライに保たれ、汗冷え対策が万全になります。行動中は暑く感じたらアウターを脱ぐなど、こまめな体温調整が重要です。

最適な保温性インナーで冬山登山に備えよう

冬の登山用インナー選びについて解説しました。この記事を通してご理解いただきたい要点は以下の3点です。

  • 素材選びが重要: 汗冷えを防ぐため、ウール、化繊、ハイブリッドの中から、活動量に合った機能性を選ぶこと。
  • 汗冷え対策の徹底: ベースレイヤーだけでなく、「ドライレイヤー」との組み合わせを検討し、肌をドライに保つ工夫をすること。
  • サイズ感: 体にフィットするサイズを選び、保温効果を最大化すること。

冬の山は環境が厳しい分、澄んだ空気や美しい雪景色など、他では味わえない感動があります。ぜひ、ご自身にぴったりの高機能インナーを手に入れて、安全で快適な冬山登山を楽しんでください。

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「好き、を生きよう」を地で行く、FUNQスタッフ。 初心者から上級者まで、知りたい情報をわかりやすくお届けしています。

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