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【山×書道】書道も山も、始めるのに遅いはない。 続けたぶんだけ、景色が変わる|山時間に文化を取り入れる

山は歩くだけの場所じゃない。そこで点てる一服、書き留めるひと文字、描く一枚が、山旅を豊かにしてくれます。山×文化という新しいすごし方を、3名に提案してもらいました。

教えてくれたのは

書道家 武田双龍さん

母・武田双葉に師事し、兄に武田双雲をもつ。東京にて「ふたばの街書道教室」を主宰。YouTube「美文字辞書」のチャンネル登録者数は1.9万人超。

山が好きな人と書をたしなむ人は似ている

書道家の武田双龍さんは、山歩きと書道には共通点があると話す。

「書道は、自分で美しい文字を考えたり、ルールを決めたりして楽しむもの。山もおなじで自分の責任で好きなスタイルで歩く。その感覚が似ていますね。それに、ひとりで静かに向き合う時間が心地いい。そこが両方の魅力だと思います」

▲大菩薩嶺で見つけた岩にて一筆。「あえて傾斜や凹凸のある場所で書くのもおもしろい」と双龍さん

上達(ゴール)への感覚も山歩きと書道はよく似ているという。

「書道は上達を感じやすいけれど、追究するほどゴールが遠くなる。でもいつか到達する感覚があるんです。山も山頂が遠くに見えても、意外と歩けるじゃないですか。継続していればいつか到達できる」

積み重ねることで見える景色が変わる。それが山でも書道でも共通する。さらに、書道の魅力は、年齢に関係なく始められること。

「書道って何歳からでも始められて、だれでも上手くなれるんですよ。書道を60歳から始めて70歳で先生になった人もいます」

▲山と渓谷社の書籍『東京周辺の山350 ベストコース』掲載の山を制覇すべく、毎週山へ。すでに200座超を踏破。トレランや雪山登山も行なう

書道には、意外にも季節の影響があるという。

「湿度や天気で墨のにじみ方が変わるんですよ。真夏はじわっとにじむし、冬は乾燥して筆が固まりやすい。春や秋のほうがいい作品が書ける。そうやって四季を感じるところも共通点です」

▲快晴の焼岳にて。筋トレが趣味だった双龍さん。室内トレーニングに物足りなさを感じて歩いた高尾山をきっかけに山に夢中になり、高山にも足を伸ばすように

双龍さんは、山を歩くことが書道表現にも影響していると語る。

「日常って正直つまらない。でも山を始めてから、何気ないこともおもしろがれるようになりました。小さな神社や花など、これまで気に留めなかった文化や自然にも目が行くようになったんです。日常で見えるものが変わって書道にも深みが出てきたと思います」

静けさを楽しめること、コツコツ続けられること、自然や季節の変化に敏感でいられること。そんな山を愛する人の気質は、不思議と書道にもなじむ。筆をとれば山の時間に新しい扉が開くはずだ。

▲紅葉めぐりで訪れた谷川岳にて。車移動とふもと泊をしながら日帰りでいくつもの山を歩き、地元の料理を味わう。そんな旅のスタイルも好きなのだとか

山で書道を楽しむための基本アイテムは?

下敷きはマスト 墨汁は小瓶に

山を汚さないよう下敷きは必須。あとは一般的な太筆と半紙、墨汁があればOK。100円ショップでも手に入る。墨汁は小さな容器につめ、ポリ袋を重ねて漏れ対策を。文鎮代わりに足元の石を使うのが山ならではの楽しさ

武田双龍さんおすすめの山

①谷川岳【群馬県・新潟県】

  • 標高:1,977m(オキの耳)
  • 歩行時間:天神平~天神峠~肩ノ小屋~トマの耳~オキの耳~トマの耳~肩ノ小屋~天神峠/約4時間20分

ロープウェイを使って気軽に歩けるコースなら初心者も安心。山頂からの展望がよく、風の通りや光の変化を感じながら書道を楽しむのも気持ちよい。ただし混雑しやすいため、筆をとるなら周囲の動線を妨げない広い場所を選びたい。

②焼岳【長野県・岐阜県/北アルプス】

  • 標高:2,444m(北峰)
  • 歩行時間:新中の湯登山口~下堀沢出合~焼岳(北峰)~下堀沢出合~新中の湯登山口/約5時間

上高地の南側、長野県と岐阜県の県境に立つ、北アルプスで唯一の活火山。山頂は三角点のある南峰とされるが、現在は立ち入り禁止。登山者が立てるのは北峰のみ。岩場を歩きながら、書道ができそうなお気に入りの一枚を探す楽しみもある。

③竜ヶ岳【山梨県・静岡県/本栖湖】

  • 標高:1,485m
  • 歩行時間:竜ヶ岳登山者用駐車場~登山口~石仏~竜ヶ岳~石仏~登山口~竜ヶ岳登山者用駐車場/約3時間40分

双龍さんの名前ともゆかりのある竜ヶ岳。年末年始には、富士山頂から昇る「ダイヤモンド富士」が見られる。道中にはテーブルやベンチがあり、腰を落ち着けて書道を楽しむ場所にも困らない。

④平ヶ岳【群馬県・新潟県】

  • 標高:2,141m
  • 歩行時間:(プリンスルート)平ヶ岳中ノ岐登山口~玉子石~平ヶ岳~池ノ岳~平ヶ岳中ノ岐登山口/約6時間

双龍さんは、コースタイムの短めなプリンスルートではなく、往復約13時間の鷹ノ巣コースに挑戦。ロングルート、かつ山小屋やテント場がなく日帰りを求められるため、体力を要するが、紅葉の美しさは格別。

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ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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