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笑顔と温故知新が咲く町、上諏訪へ|山麓のカルチャーを満喫する

歴史深い酒蔵や菓子店に加え、全国から多彩な人とカルチャーが集まる上諏訪。霧ヶ峰や八ヶ岳を背に、ふらりと町へ出れば、山歩き前後の余白が豊かにふくらむ。そんな町の魅力を、歩いてたどりました。

案内してくれたのは

東野 華南子さん

埼玉県出身。サービス業や夫との空間デザイン業を経て、2014年に諏訪に移住。新婚旅行で訪れたポートランドでリビセンに出会い、2016年日本にリビセンをオープン。

ReBuilding Center JAPAN

▲年代もテイストも異なる器や調理器具がずらり。ていねいに磨かれた一点一点にスタッフの愛情を感じる。

上諏訪に変化を生む存在のひと組が、リビルディングセンタージャパン(リビセン)を立ち上げた東野華南子さん夫妻だ。古材や古道具を〝レスキュー〞し、新たな持ち主につなぐ活動を軸に、移住者やクリエイター、地元の人が拠点を育ててきた。今回はその東野さんの案内で上諏訪を歩いた。店内には棚板や建具、器、照明などの古物がぎっしり。レスキューは約10年で4000件を超えた。

「車で1時間圏内の解体現場から、本来は捨てられるはずだった材を引き取っています」

▲小さな古材も豊富で、クギを打つだけでボードになるなどのアイデアPOPが随所に。店内のDIYスペースで試せる

昭和期にのみ生産された型板ガラスも並び、修繕用に求める人や、作家が作品に生かすことも多い。素材が次の暮らしへ受け継がれる。その循環がリビセンの魅力だ。1階にはカフェがあり、2階には購入した古材を加工できるスペースもある。建物をひと言で表現するなら「古材と古道具を入り口に、人とアイデアが交わる場所」だろうか。

古材を使って制作した商品にはレスキュー率やCO2削減に関する数値が表示されている。かわいい、使いたいという感覚に加え、選ぶことで環境にどんな影響があるかを考えられるしくみだ。

▲強い個性でツウ好みの品だけに絞らず、おおらかなセレクトが魅力。「次に使う人が想像できるか」を基準にレスキューしているという。倒産したニット工場から救い出した毛糸やニットも並ぶ

「お客さんが、社会問題を考えるきっかけになったらいいな」と東野さん。新聞記者だった父の影響で、「仕事は楽しく、社会をよくするために」という価値観が身についたそう。その姿勢にひかれて上諏訪に集まる人も多く、東野さんはとても慕われている。

リビセンを深く知るなら踊り場もチェック

階段の踊り場には、リビセンのあれこれを紹介するボードが壁一面に掲げられている。表に質問、裏には答えが書かれ、めくるたびに新しい発見がある。

ReBuilding Center JAPAN

  • 住所:長野県諏訪市小和田3-8
  • 電話番号:0266-78-8967
  • 営業時間:[古材・古道具]10:00~17:00、[カフェ]11:00~17:00(L.O. 16:30)
  • 定休日:水、木曜

ポータリー

東野さんと町を歩き「ポータリー」へ。リビセンがリノベーションを手がけた物件だ。今回はその中でお店を構える、オランダの焼き菓子・ポッフェルチェスの「Hoppe」、プレートごはんやドーナツの「○(オー)」、リビセン出身者が独立した「麻婆食堂 どんどん」、フランス仕込みのガレットとクレープの「crêperie Caline」を訪ねた。

店を構える人の多くは移住者で、どの店でも店主の明るさと笑顔が印象的だった。○(オー)の店主・にゃおさんが「この町はいい人ばかりで驚くんです」と話すと、東野さんも「わかる!」と笑った。山帰りにふらりと立ち寄る人も多いのだとか。

疲れた体で立ち寄っても、ほっと癒されるような温かさがある。リビセンが〝ものの循環〞を生み出す場所だとすれば、ポータリーは、移住者と地元の人、そして山や旅、おいしいもの好きが緩やかにつながる〝人の循環〞を育てる場所。歩くほどに、この町の懐の深さを実感する。

▲店ごとにまったく違うデザインと空気感が広がるのがおもしろい。訪れるたびに、今日はどこに入ろう? と迷う楽しさがある。「麻婆食堂 どんどん」の麻婆豆腐はリビセンのまかない発祥。人気が高まり、ついに店を出すまでになった

▲○(オー)のドーナツはサクもち食感。ケチャップ&マスタードが新鮮。Hoppeのそば粉ポッフェルチェスは軽やかで香ばしい。Calineのクレープは、キャラメリゼしたバナナとカリッとチョコが上品

ポータリー

  • 住所:長野県諏訪市諏訪2丁目2-28
  • 電話番号・営業時間・定休日:各テナントにより異なる(https://suwareno.com/portalley

生活と芸術の本 言事堂[ことことどう]

また少し歩くと、「生活と芸術の本 言事堂」の小さな看板が見えてきた。ここも、リビセンが設計デザインを手がけた店。店内には美術書や写真集、暮らしの本、山の本など、古書と新刊書がぎゅっと並ぶ。山の行き帰りにここへ寄って一冊選べば、その本はきっと、上諏訪の空気ごと連れて帰る旅の相棒になるだろう。

店主の宮城未来さんはもともと沖縄県那覇市で本屋を営んでいた。上諏訪へ移ったきっかけはリビセンのSNS。「上諏訪に本屋さんが来てくれたら」という東野さんの言葉を偶然見かけた。山歩きが好きなこともあり、長野に暮らしたいという気持ちと重なったという。

▲ガイドブックから古い山岳紀行まで、店内には山の本がたくさん。山麓の町ゆえに山好きも多く、ご近所さんがコレクションをまとめて持ち込むこともあるという。山帰りの人が立ち寄ることも多い。

海の近くから、山の入り口へ。環境は大きく変わったが、上諏訪での暮らしやすさをたずねると、「もともと宿場町で、人の往来がずっとあった場所なんですよね。だから外から来た人に寛容。よそ者にピリピリする感じがなくて、とても住みやすいですね」と教えてくれた。

兼業農家も多く、おいしい野菜が手に入るのも気に入っているところ。取材中には「いっしょに畑をやろうよ」と東野さんと盛り上がる場面もあった。おふたりのにぎやかな会話の端々には「ここに子どもが集まれる場所があったらいいよね」といった構想もぽろり。上諏訪にまた新しいワクワクが生まれそうだ。

現地の歴史を本でのぞくのもおもしろい

諏訪は、諏訪大社や縄文遺跡が点在する歴史の宝庫。アマチュア研究者も多く、店には考古学の専門書やマニアックな資料も並ぶ。ぱらりとめくると、この地を深く知ることができる。

生活と芸術の本 言事堂[ことことどう]

  • 住所:長野県諏訪市末広5-18
  • 電話番号:090-7567-0766
  • 営業時間:10:00~18:00
  • 定休日:火、水曜

丸平精良軒総本店

▲河西さんは登山歴60年の大ベテラン。日本の高山のほか海外の山にも登頂。リビセンスタッフを山に連れて行くこともある

リビセンのある通りから細い路地に入ると、看板に「丸平精良軒総本店」の文字。迎えてくれたのは、5代目の河西邦彦さんだ。安政二年創業、1 2 0年の歴史をもつ老舗で、看板商品は「鳥ぱん」。一つひとつ手で成形しており、鳥の形は少しずつ違う。

初代は甲州街道の宿場町としてにぎわっていた時代に「丸平」という屋号で商いを始めた。そして、2代目が江戸のパン屋で修行後、諏訪へ戻りパンの販売を開始。その後、3代目が製パンに加え和洋菓子を学び、鳥ぱんが生まれた。80代の河西さん。何度も「リビセンさんのおかげ」と口にした。

▲薄く香ばしい皮の中に、優しい甘さのあんこがつまった鳥ぱん。ほんのりパンの香りがあり、あと味にほのかな塩気が残る。明治30年ごろ、諏訪湖に飛来したカモやオシドリの浮き寝姿から着想を得て生まれた

「年齢的に店を閉めようかと思っていたんだけど、リビセンさんができてから土日はお客さんの8割がリビセンさん経由で来てくれる。ネットで周辺のお土産屋を検索すると、うちが出てくるみたいでね。スタッフの方は『こう売ったら?』とアドバイスまでくれて、お世話になりっぱなし」

店の今後について、「私の代で終わりかな」と話す。とはいえ、河西さんと鳥ぱんのファンは多い。リビセンスタッフの中には弟子入りを望む人もいるそうだ。ショーケースに並ぶミニカーを指しながら「昔は子どもに配っていたんですよ」とほほえむ河西さん。この店に通って育った人もきっと多い。鳥ぱんだけでなく、この場所の温かな時間そのものが愛され続けているのだと感じた。

丸平精良軒総本店

  • 住所:長野県諏訪市小和田7-5
  • 電話番号:0266-52-1522
  • 営業時間:9:00~18:00
  • 定休日:水曜

ギャラリー舞姫(蔵元売店)

最後に訪れたのは、創業130年以上の酒蔵「舞姫」。リビセン創業当初から気にかけてくれていた存在だと東野さんは話す。売店入口には、古材を使ってリビセンが制作した看板も立っていた。今回は特別に、製造部課長・浅沢道郎さんが蔵を案内してくれた。

奥へ進むと巨大なタンクが並び、壁には昔の梁がのぞく。「もともとの蔵はここまでで、あとは増築した部分です」と浅沢さん。歴史を受け継ぎ、少しずつ規模を広げてきたことがわかる。そして、とくに印象に残ったのは冷蔵庫だ。

「うちの自慢はこの冷蔵庫ですね。ほかの蔵にはあまりないと思います」と案内されたのは、いくつもの冷蔵設備が並ぶ場所。商品ごとに細かな温度管理を行なっている。理由は「一年中、フレッシュな状態で飲んでもらいたいから」という。ショップには定番銘柄に加え、猫ラベルのシリーズなど心ひかれる一本も。山の景色を思い出して飲むのも、つぎの山の計画を立てながら味わうのも楽しそうだ。

▲代表銘柄は「翠露(すいろ)」と「舞姫」。なかでも「翠露 純米大吟醸 雄町」は、希少な酒米・雄町を49%まで精米。フルーティーで爽やかな味わいが魅力。舞姫はフレッシュな保存に強みを持つ。試飲した一年熟成の酒も低温管理のおかげで香りがみずみずしく、口当たりも軽やかだった
▲終売になった酒の小ビンをリビセンがレスキューし、作家の手でグラスへと再生する取り組みも行なっている。そのグラスはリビセンで購入できる

諏訪五蔵めぐりを堪能しよう!

舞姫・麗人・本金・横笛・真澄の五蔵が500m内に並ぶ上諏訪。各蔵のコイン式試飲コーナーでは、3種を300円(各蔵により金額は異なります)で味わえるほか、3,000円で五蔵をめぐり、各4~5杯を試すこともできる。

ギャラリー舞姫(蔵元売店)

  • 住所:長野県諏訪市諏訪2丁目9-25
  • 電話番号:0266-52-0078
  • 営業時間:9:30~17:00
  • 定休日:12月31日、1月1日

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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