
山の宇宙人、発見されたし!「タケシマラン」 植物ライター・成清 陽のヤマノハナ手帖 #54
成清 陽
- 2026年03月04日
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登山&撮影をライフワークとする花ライターがお送りする、高山植物の偏愛記。静かに、しかしアツ~く、お花をご紹介します!
今年の2月はどうしたことか! あまりの暖かさに、体調を崩す人が続出していますね。かくいう筆者も、久しぶりに風邪&腰痛に見舞われ中。こりゃ、花が咲き始めてもまだ登山は控えなくては、トホホ……。ということで今回ご紹介するのは、腰痛とは無縁そうに見える、“空中浮遊系”のあのお花。宇宙の香り(?)を、皆さまにお届けします!
「昭和時代のSFかよっ」
もし宇宙人がいるならば、どんな姿なのか――。この疑問にある一定の答えを出したのが、昭和のSFマンガではないでしょうか。そう、言わずと知れた「タコ型」です! その特色といえば、“頭でっかち&手足が長い”。筆者を含め多くの読者が、未だにそのお姿を拝んだことはないはず(だよね?)。でも、たまに山で見かけるこのお花、ちょっと宇宙的要素を感じませんか?? 花の大きさが数ミリしかないので、ピンと来にくいですけどね……。
Data
タケシマラン(ユリ科)
一般的な花期:6月~7月
主な生育場所:亜高山/高山帯の樹林帯
「そのまんまの名前かよっ」
さて、もうひとつのツッコミどころが、名前の由来。タケシマランは、漢字に直すと「 竹縞蘭」。“竹のような葉っぱに縞々があり、そして全体の見た目がランみたい”とのこと、あまりにどストレートすぎやしないかい? ついでに植物ネーミングあるあるへのツッコミがもうひとつ、「結局ランじゃないんかーい!」。おまけに、「花の見た目とは関係ないんかーい!」。もはや、ツッコミの暴風雨です(笑)。

「マアマア、ソウイウナヨ チキュウジン」
おお?ツッコミまくる我々に対して、花が語りかけてきましたぞ。おそるおそる覗き込むと、頭のなかに声が響く…という設定に、若干ムリがありますかな(笑)。そう、 タコならばお口に該当する花の中心部分は、じつに スタイリッシュ。紫色の花びらが、虚をつく美しさ、そして花のカタチは星型と、驚くほど魅力的なのです!

「シッテルカ!オレラノ ミリョク」
若者の主張ならぬ、“タケシマラン 星 人の主張”は続きます。そう、本領発揮は夏が過ぎてから。果実になりゆくタケシマランに注目すると…。なんか、赤くなりかけた果実の茎が、くるんとしてる…?「ソウダ、ソコガ チャームポイント ダ!」。彼らが胸を張るのもそのはず、茎がマンガチックに丸まるのは、タケシマランの一種、オオバタケシマランの特色のひとつ。これがさらに秋深まると…。

「ドウダ、カワイイダロ」
地球人たちのハートを見事に射抜く、鮮やかな赤色に!! 見た目の可愛らしさと、果実を支える茎がくるんと巻くというこのキュンキュンこそが、タケシマラン星人の真価なのです。「ドウダ マイッタカ」(ドヤ 顔 )。ここまで主張されると、「へへぇ~」とひれ伏すしかありませぬ…。と、ここでふと素朴な疑問が。「カワイイ宇宙人っていうだけで、ネタが少なすぎやしないかい?」。「エエッ ソレハ ソウカモ…サラバダ!」。

さてさて、今回ご紹介してきた、タケシマラン。いかがでしたでしょうか?ここでも突っ込んでしまいますが、葉っぱにあまり特徴がない&花が小さい&花が下向きと三拍子揃ってしまうため、カワイイのに目立たないんですよねー。ただ、樹林帯だけでなく、白山が誇る花の名所「お花松原」(2,200mほど)といった、やや高標高でも生息するのは、この花の強み。山の各所で待ち受けるカワイイ系宇宙人を、ぜひ見つけてやってください!
それでは、また。
皆様のココロに、素敵な花が咲き誇りますように。
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