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自分の“好き“を信じて街と自然をつなぐ――秋元舞子さん|だから、私は山へ行く#35

2026年1月にローンチしたアウトドアブランド「P.P.C.E.」。
「『街』と『自然』をボーダレスにつなぐ」を合言葉に、美しいプロダクトを世に送り出すデザイナーの秋元舞子さん 。「好奇心を大切にしたい」と話す彼女が、山を歩き、山の服を作る理由とは。

「だから、私は山へ行く」
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“好き”を信じる

幼いころから絵を描くことや服が好きだったという秋元舞子さんは、文化服装学院卒業後に、メンズブランド「N.HOOLYWOOD」のパタンナーとしてファッションの世界に足をふみ入れた。

「『N.HOOLYWOOD』は、古着やミリタリーウエアのパターンワークや縫製を解体して、再構築するブランド。理論的なものづくりが大好きでしたし、学ぶことも多く、やりがいのある仕事でした。いっぽうで、パタンナーはとても専門性の高い仕事。会社には優れた技術をもつ先輩がたくさんいて、『自分はそうなれるのかな……』と不安に思うこともありました」

一度、立ち止まってみよう。そう思った舞子さんは、5年勤めた会社を退職。そのときに「せっかくパターンも引けるし、自分が着たい服を作ってみよう」と考えたことが、次なる展開につながる。

「理論的な服作りもいいけれど、『すてき』や『かわいい』という直感を大事にする軽やかさも、レディースの魅力だと思うんです。自分の”好き”を信じる。そんな服作りをしてみたいと話すと、先輩や友だちたちがすごく応援してくれて、いろいろなことが動き始めました。いま振り返ると、そのころは大玉転がしの玉になったような感覚ですね。多くの方に支えられて、2011年に『PHEENY』が始まりました」

▲17.5マイクロンのメリノウールを使ったTシャツは、古着のようなムラ染めが特徴。デザイン性と山での機能性を両立する

山の文化と出合う

旅や海、古着など、自分の”好き”をものづくりに生かす舞子さん。彼女が山を歩くようになったのは、3年ほど前のことだ。

「きっかけのひとつが、ウルトラライトという概念を知ったことです。私はもともと旅が好きで、軽く快適に旅行するためのパッキングを考えることも大好き。そんな私にとって、『最小限の荷物で楽しく行こう』というULの哲学はすごくフィットしたし、人生を生きるうえで大切なことだとも感じました。もうひとつは、写真家の根本絵梨子さんの作品に出合ったこと。稜線に雪が積もった風景の写真を観て『山には、こんな景色があるの?』と驚きました」

最初に歩いたのは、大菩薩嶺。山上に出ると、目の前には稜線が続いていて、遠くには富士山も見えた。その日は風が強かったけれど、岩陰で風をやりすごしたり。初めてバーナーを使ったり……。そんな時間が「”山ごっこ”をしているみたい」で楽しかったそう。

山に魅了された舞子さんは、時間を見つけては山に通うようになる。1年目の山行で印象に残っているのが、北アルプスの燕岳だ。

「途中から荷物を友人に持ってもらうくらい大変だったけれど、つらい上りを終えてたどり着いた山頂からの景色があまりに美しくて、涙が溢れました。その日は燕山荘に泊まったのですが、夜の星や街の光がきれいで、山小屋で本を読んだりワインを飲んだりしている人の姿も印象的。山の上に別世界があるように思えて『なんでいままで知らなかったんだろう!』と感動したことを覚えています」

山の服を作る

山歩きを始めたころは、いわゆる「アウトドアウエア」を身に着けていた舞子さんだが、山との距離が近づくにつれ、「PHEENY」のウエアを試す機会が増えていった。

「既存のアウトドアウェアの機能性はもちろんすばらしいけれど、日常の服のなかにもウールやポリエステルを使ったものや、はっ水加工が施されたものはある。私が歩くような山なら、十分に対応できると思ったんです。実際に試してみると『いけるじゃん!』という面も、『もっと改良できそう』という点も見つかって、自分が作った服を山でテストをすることが、楽しくなりました。なにより、お気に入りの服で登っていると、ふとした瞬間に好きな柄や配色が目に飛び込んできて、写真を撮りたくなったりもする。山の上でも自分らしくいられることが、とてもうれしかったんです」

山を歩き、服を作る。そんな日々は、「Product Twelve」のデザイナーであり山仲間でもある川瀬正樹さんと立ち上げた新ブランド「P.P.C.E.」につながっていく。クールなTシャツに施された美しいムラ染めやフリースのゆったりとしたシルエットなど、「P.P.C.E.」のプロダクトは、これまで見たどのアウトドアウエアとも異なる空気感をまとっている。フリースの袖下にマチを入れることで可動域を広げたり、下着などに用いられるフラットシーマー製法を採用することで伸縮性を確保したり。細部には、山と服を愛するふたりの情熱が注ぎ込まれている。

▲フリースは、袖口のサイズや縫製を細かく調整することで、フィット感を高める。

「山を歩きながらいろいろなことを話す時間が大好きで、川瀬さんとは、ひたすら山と服の話をしています(笑)。自分たちにとって必要なものを作り、嘘偽りなく『これがいい』と思えるものを送り出していく。『P.P.C.E.』では、そんなものづくりを続けたいです」

山は自分の成長を実感できる場所

迷いなく、自然体で話す舞子さ ん。”好き”を信じて自身の道を歩む彼女にとって、山の魅力とは。

「成長を実感できること、だと思います。たとえば、最初に燕岳に登ったときは苦労したけれど、2回目は楽に登れたりもする。昨年行ったヨセミテでは、初めての海外トレッキングをひとりで乗り越えた達成感を味わえました。日々の生活で、これほどわかりやすく成長を感じることって少ないと思うんです。だから、山を歩いて成長することを楽しみたいし、新しい山や旅にチャレンジする好奇心も大切にしたい。そのすべてが、ものづくりにも人生にもいい影響を与えると思うから」

▲昨年はカリフォルニア州のヨセミテフォールズのトレイルにも挑戦。旅とセットで山を楽しむのが好きだという
▲初めて登った燕岳での感動が、山に魅了される大きなきっかけになった。「この夏は雲ノ平を歩いてみたい」と舞子さん
▲山だけでなく、海も大好きな舞子さん。自然のなかで得た経験や感動は、プロダクトのデザインにも生かされる

 

秋元舞子さん
1985年生まれ。文化服装学院技術専攻卒業。「N.HOOLYWOOD」のパタンナーとしてキャリアをスタートし、2011年に自身のブランド「PHEENY」を設立。2016年1月には「Product Twelve」デザイナーの川瀬正樹さんとともに「P.P.C.E.(PHEENY Product Twelve Contemporary Equipment)」を立ち上げる 。
https://producttwelve.shop/pages/ppce

 

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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