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富士山の地下にある洞窟に潜ってみた!—火山の記憶の上に育つ森のなかへ—

先日、富士山の裾野に広がる静かな森を、ガイドさんと一緒に観察しながら歩き、地下の洞窟に潜る機会をいただきました。独立峰として知られる美しい富士山の姿は、だれもが思い浮かべるもの。でも、その足元に広がる森のなかにも、「これも富士山の素の姿」と感じる光景が広がっています。

外から眺める富士山ではなく、裾野を歩き、洞窟に潜って見えてきた、もうひとつの富士山。その一面を、体験を通してお伝えします。

樹海で気づく火山の記憶

案内してくださったのは、写真家でもあり富士山の自然を伝えるガイドの渡邉守さん。訪れたのは、青木ヶ原樹海です。(※青木ヶ原樹海…富士箱根伊豆国立公園の一部、国の天然記念物にも指定)

この森の土台になっているのは、864年に起きた貞観大噴火で流れ出た溶岩。富士山の北西、長尾山付近で起きた側噴火により、溶岩は西湖・精進湖・本栖湖側へと広がっていきました。約1200年前の溶岩の上に育まれた若い森。それが青木ヶ原樹海です。

木漏れ日がきらきらと差し込む遊歩道を歩きながら説明を聞いていると、苔をまとった岩たちが、急に存在感を増して見えてきました。足もとには、ゴツゴツとしたものや、ヒダを打つように波打つ溶岩の痕跡。おなじ噴火で生まれたものでも、粘りけや流れる速さの違いで、こんなにも表情が変わるんですよと教えてもらいました。

ひとり頭の中で時間を巻き戻してみると、生い茂る森の樹木は消えてあたりを熱い溶岩が流れている富士山の裾野の姿が想像できたのもおもしろい経験でした。

「根がせりあがっているのは、なぜだと思う?」

渡邉さんの言葉に目を向けると、木の根が岩の上を這うように広がり、宙に浮くように伸びている姿があちらこちらにありました。これは「倒木更新」と呼ばれる現象のあとに見られるもの。木が倒れ、その上で新しい木が育ち、やがて下の木が朽ちると、支えを失った根が浮き上がって残るのだそうです。土の少ない溶岩の森では、こうして命が次の世代へとつながっていきます。

静かな森のなかで、目には見えない時間が、たしかに流れている。そんなことを教えてくれる光景でした。

ウワサの検証 — 樹海ではコンパスは本当に狂うのか?

樹海では、コンパスがぐるぐる回って利かないとウワサされることがあるけれど、実際にはそんなことはないそうです。少し安心しました(笑)。

「溶岩の中には磁気を帯びた石があり、コンパスを近づけると針が左右にふれて、正しい方向を向かないものもあるんですよ」と渡邉さん。上の写真で、左手のコンパスと右手のコンパスがまっすぐ平行になっていないのが、わかりますか?右手のコンパスは、この石の磁気に引かれて、針の向きが少し変わっているのです。

ウワサは少し大げさでした。でも、まったくの嘘ではなく……。自分の目で確かめていく時間は、どこか少しワクワクして、ミステリアスな怖さも、だんだんとおもしろさに変わっていきました。

まるで暗闇の中の氷の美術館!富士風穴の中へ

「富士風穴」は、一般公開されてない未整備の溶岩洞窟です。ヘルメットとヘッドランプをつけて、慎重にガイドの渡邉さんのあとから一歩一歩、中へ進みました。ゴツゴツとした岩やツルツルの氷に足がとられないように……。

ここでは、地面から延びる氷の柱「氷筍(ひょうじゅん)」を写真にきれいに撮ってみたいという目的も。「天然の冷蔵庫」のような洞窟に溜まった冷気の中、溶岩から染み出た水がポタッ、ポタッと一滴ずつ落ちては凍り、積み重なってできる氷筍。絶妙なバランスで育つ不思議な造形美を、見てみたい。奥へ進むにつれて、空気はどんどん冷たくなっていきました。

「ここで氷筍を撮りましょう」と、渡邉さん。暗く静かな世界にいくつもの氷筍が地面から生えるように立っています。光を丁寧に当てると、氷筍はまるでオブジェのように浮かび上がりました。溶岩がつくり出した暗闇の中で、天井からの雫によって育つ氷が、ひっそりと輝いている。とっても不思議な光景。その美しさを、アドバイスをもらいながら写真におさめることができました。

この写真は、そのときの氷筍の写真です。

富士風穴には、外から眺める富士山とはまったく違う、もうひとつの表情がありました。

地下では氷が育ち、地上では木々が世代をつないでいく……。富士山の裾野には、火山の記憶と森の循環、そして静かに続く時間の流れがあります。教わりながら歩くことで、見えてくる景色があり、体験をとおして知ることで、想像が少しずつ膨らんでいきます。そのようにすごす時間は、富士山の魅力やおもしろさを何重にも広げてくれて、やっぱり好きだなと感じました。

今度はどんな切り口で、富士山の姿に向き合おうかな。そんなことを考える時間も、また楽しみのひとつです。

※富士風穴:貴重な生態系を守るため、入洞には行政への届出やガイド同行などのルールがあります。

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Mt.ランドネメンバー

Mt.ランドネメンバー

山や自然をこよなく愛し、自分たちの“好き”を共有するコミュニティーサービスの一員。会員限定イベントなどを通じて、山や自然の新しい魅力を見つけたり、自分らしいアウトドアを楽しんでいる。

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