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“撮る”+“歩く”で広がる世界【前編】|TORUKUの背景にあるもの

ボディー、レンズともに軽量&コンパクトで、さらに防塵・防滴、耐低温のタフネス仕様という、アウトドア向きなカメラを手掛ける「OM SYSTEM」。

近年はアウトドアシーンそのものを盛り立てるさまざまな活動に取り組んでおり、2026年夏からは新たに、カメラを持って歩く楽しみを提唱するプロジェクト「TORUKU(トルク)」をスタート。

このTORUKUが生まれた背景について、プロジェクトの発起人のひとりであるOMデジタルソリューションズの菅野幸男さんにお話を伺った。

「アウトドアライフバリュー」を高める

「OM SYSTEM」と聞いてもピンとこない人もいるかもしれないが、「オリンパス」はなじみがあるはず。OM SYSTEMは2021年にオリンパスの映像事業を継承する形で生まれたブランドで、OMデジタルソリューションズという会社が母体となっている。

もともとオリンパス時代から防塵・防滴のミラーレス一眼カメラや、防水・防塵・耐衝撃などの機能を備えるコンパクトデジタルカメラのタフシリーズなど、メーカーとしてアウトドアと親和性の高い商品を開発してきた。そして、新ブランドにもそれはそのまま引き継がれている。

最近ではカメラの発売に留まらず、アウトドアメーカーとのコラボアイテムの開発や、ハイカーに向けたイベントなども開催。この背景について、OMデジタルソリューションズでマーケティング業務を担当する菅野幸男さんはこう語る。

菅野 会社としてカメラを売ることだけにとどまらず、自然のなかへ出かけ、心が動いた瞬間を残し、だれかと共有するところまで含め、豊かなアウトドア文化を育てていきたいと考えています。

▲OMデジタルソリューションズの菅野幸男さん。OM SYSTEMの日本国内マーケティング・アウトドア事業シニアエキスパートとして活躍。仙台出身でスキーには子どものころから親しんでおり、最近はテント泊など登山も楽しむ。

OM デジタルソリューションズの企業理念は「世界の人々の心豊かな生活の実現」です。OM SYSTEM では、映像体験を通じて、一人ひとりの「アウトドアライフバリュー」を高めていくことを目指しています。

OM SYSTEMのカメラは、小型軽量で、手ぶれ補正や防塵・防滴、耐低温といった特長があり、まさに外へ連れ出しやすい道具。OM SYSTEMの製品とアウトドアは、非常に相性がいいんですよね。

▲OM SYSTEMのOMシリーズは、いずれも防塵・防滴、耐低温性能を備えるタフネス仕様。写真はOMシリーズのなかでも、もっともコンパクト&軽量でフィールドに持ち出しやすい「OM-5 Mark Ⅱ」。
▲長年培ってきた光学技術が投入されている双眼鏡。軽さや防水性など、カメラと同様にアウトドアでの使い勝手も考えて作られている。

アウトドアシーンにコミットするための新しい取り組み

カメラの販売にとどまらず広くアウトドアシーンにコミットしていく、という信念が感じられたのが2024年夏の「OM SYSTEMカレー」の発売。ノベルティとして配るためのものではなく、OM SYSTEMの商品として作ったものだ。

菅野 細かな戦略というより、「アウトドアに力を入れるなら、なにか食べ物もあったほうが楽しいよね。アウトドアと言ったらカレーじゃない?」という、シンプルな考えから生まれた商品なんです。私も始めは冗談かなと思っていたんですよね(笑)。

▲発売中の「OM SYSTEM カレー」(左)と2026年夏から発売する新製品の「OM SYSTEM ラグー」(右)。どちらもレトルト。温めるだけで本格的な味を楽しむことができる。

でも、あれよあれよと売れ始めて、いまでは結構な人気商品になりました。もちろん売れてくれるのはうれしいんですが、コミュニケーションを始めるツールにもなってくれたのが、なによりありがたいです。

アウトドア業界の人とも、一般のアウトドア愛好者とも、カレーが会話のきっかけになり、そこから話が広がることも数多くありました。

アウトドアをより楽しく、快適にするためのギア作り

アウトドアメーカーとコラボし、さまざまなギア類の企画、販売もスタート。実用性を重視しつつも、「アウトドアの撮影をより楽しくする」というコンセプトを商品に込めている。

菅野 カメラや写真をアウトドアでより楽しく、快適に楽しんでもらいたいという想いで、アウトドアブランドを中心とした企業とのコラボし、商品を作っています。フォックスファイヤーさんとのトラッシュポーチ&サコッシュ、ミレーさんとのパルマランフォトショルダー、アウトドアモンスターとのボトルやTシャツなど、アイテムの種類も増えてきました。

フォックスファイヤーさんやミレーさんとの取り組みでは、既存商品をカメラユーザーの目線でカスタムしてもらったオリジナル商品や、カメラユーザーが快適に撮影できる商品をセレクトして販売しています。

▲シンプルなサコッシュのように見えるが、ゴミ入れとして企画された「OM SYSTEM × Foxfire オリジナルトラッシュポーチ&サコッシュ」。
▲カメラに加えて周辺機器も機能的に収納できる「OM SYSTEM × MILLET オリジナル パルマランフォトショルダー」。

アウトドアモンスターとの取り組みは、単なるグッズではなく、OM SYSTEMらしい“外へ出たくなる気持ち”をキャラクターで表現したものです。アウトドアモンスター自体が、アウトドアの魅力に引き込む不思議な存在として位置づけられており、OM SYSTEMとのコラボで誕生したキャラクター「KESHIKI-NOKOSHI(ケシキノコシ)」は、心に残る景色との出会いや、カメラで撮影したくなる衝動を象徴する存在として誕生しました。

▲アウトドアモンスターとのコラボで生まれた商品。描かれているキャラクター「KESHIKI-NOKOSHI」は首からカメラを下げ、指のフレーミングの中に景色が映し出されている。

ハイキング×カメラの楽しみを発信する「ハイカーズカメラ」

2024年春からは、さまざまなスタイルのハイカーとともにカメラを持って山を歩き、写真を撮る楽しさを発信するプロジェクト「ハイカーズカメラ」を開始。その輪は徐々に広がり続けている。

「HIKER’S CAMERA」WEBページ

菅野 「アウトドアライフバリューを高める」が企業ビジョンではあるんですが、アウトドアといっても幅が広いですよね。そこから絞っていこうと思ったとき、私たちのカメラが一番活きる場所、使っていただいている方が多いところ、と考えたときにやっぱり行き着いたのが山だったんです。

カメラとレンズを組み合わせたときの軽さ、防塵・防滴、手ぶれ補正も強いなどといった特性が最大限活かせるのは、やはり山歩きのシーンなんですよね。

山でカメラというと、どうしても、絶景をベストのタイミングで撮るとか、三脚を使って星を撮るとか、いわゆる「山岳写真」のイメージが強いですが、私たちが提唱したいのは、もっと気軽に、スナップのように写真を撮って楽しもう、ということなんです。

2026年3月には、初のリアルイベント「ハイカーズサミット」も開催しました。私たちのメッセージをダイレクトに届け、交流する機会をこれからも増やしていきたいと思っています。

新たな提唱としての「TORUKU」

2026年夏には、“撮る”と“歩く”を組み合わせることを提唱する新プロジェクト「TORUKU(トルク)」を始動。その背景にあるのは、ハイカーでなくとも、より気軽に撮ること、歩くことを楽しんでほしいという想いだ。

菅野 歩くと、景色との距離がどんどん変わります。それによって、鳥の声、道端の水たまりに映る風景、小さな雑草の形や色など、止まっていたら気が付かなかったことに目が留まる。歩くことで、目的地までの“途中”がどんどんおもしろくなるんです。

野鳥撮影でも、ただ待つだけではなく、鳥の声を感じながら歩き探す楽しさがあります。鉄道撮影でも、駅から駅まで歩くと、途中の街の表情や光の変化が見えてくる。TORUKUでは、「撮るために歩く」だけではなく、「歩くから撮りたくなる」という感覚を共有したいと思っています。

OM SYSTEMの中核技術は、「小型・軽量」「手ぶれ補正」「防塵・防滴、耐低温」。三脚を構えなくても、急な天候変化でも、歩きながら見つけた瞬間に手持ちで撮れる。しゃがんだり、見上げたり、少し横に回り込んだり、体を動かしながら撮れるのが楽しく、新しい発見につながるんです。それによってアウトドアライフバリューが高まり、心が豊かになることにもつながります。

▲菅野さん愛用のOM-3。つねに持ち歩き、普段の通勤路では「道端花壇」をテーマに花などを撮影している。

さらに、TORUKUプロジェクトでは「自然や地域への敬意」も大切にしていきたいと考えています。無理をしない、安全を優先する、ゴミを出さない、撮った場所や人への配慮を忘れない――。TORUKUは、歩くことを通じて人と自然、人と地域、人と人をつなぐプロジェクトでもあります。だからこそ、撮る楽しさと同じくらい、フィールドに対するリスペクトもいっしょに広げていきたいと思っています。

 


後編では、アウトドアスタイル・クリエイターであり、“撮る”と“歩く”を等しく楽しんでいる四角友里さんと菅野さんの対談を通じて、それぞれが考えるTORUKUの魅力について掘り下げていく。

<後編へ続く>

“撮る”+“歩く”で広がる世界【後編】|TORUKUを楽しむふたりの視点

“撮る”+“歩く”で広がる世界【後編】|TORUKUを楽しむふたりの視点

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