
スマチャリ&ハンドメイドのe旋風。ハンドメイドバイシクル展2026レポート
eBikeLife編集部
- 2026年02月11日
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「2026ハンドメイドバイシクル展」開催レポート。今年、いちばん目立っていたと感じたのは、ハンドメイドの電動化。ホンダの「スマチャリ(SmaChari)」搭載で、電動アシスト化された自転車が数々出展されていた。その他、今回のハンドメイド展の注目ポイントをレポート!
ハンドメイド自転車の次の風景は、電動化か!?
2026年1月23・24日、東京・科学技術館で開催された 2026ハンドメイドバイシクル展。
日本のフレームビルダー文化を象徴するこの展示会は、例年どおりクラシックからモダンまで幅広い自転車が並んだが、今年は明確な“変化の兆し”が。それは、ハンドメイド自転車が電動アシストという現代技術を受け入れ再定義されつつあるということだ。
とりわけ目を引いたのが、ホンダが開発した「スマチャリ」によって電動化されたハンドメイドバイクの存在であり、その多くがランドナーという伝統的なツーリングスタイルだったのが印象的だった。
電動化されても崩れない、ランドナーの美学

最初に目を奪われたのは、クラシックな佇まいをそのまま残した電動ランドナーだ。自転車工房ベルクレッタによる、電動ランドナー。eランドナーとしては、スマチャリ登場以前から独自で認証を得たドライブユニットを搭載したモデルを発売していたが、こちらはスマチャリを搭載して「ベル・プリモⅡ型」として新登場。ランドナーが本来持つ「旅のための合理性」と、電動アシストの思想が自然に重なり合っている。

電動化の流れを支えている スマチャリ。自転車に取り付ける電動アシストユニットと、それに連動するスマートフォンアプリによりさまざまな自転車を電動アシスト化・コネクテッド化できるサービスだ。フレームを電動専用に作り替えるのではなく、既存のハンドメイドフレームを活かしたままアシスト化できる点は、ビルダーにとってもユーザーにとっても大きい。昨年より、大手メーカーだけでなく、特約ショップでもスマチャリをインストールできるようになった。
フランス製ビンテージ自転車も電動化!

京都の老舗、サイクルグランボアによる、アレックス・サンジェ。サンジェは、フランスに今もある工房だが、この自転車はビンテージなパーツをあしらった古き良きクラシックなモデル。
細身のスチールフレームに、アルミフェンダー、フロントキャリアにバッグ、そこに電動アシスト用のユニットとバッテリーが違和感なく収まっている。電動化は、誰でも無理なく旅に出られる道具となるほか、年齢を重ねて無理ができなくなっても、まだまだ乗れる可能性が広がる。
長らく乗った愛車を電動とともに延命できるという点で、こういったカスタムは今後需要が増えるのではないだろうか。カスタム費用はケースバイケースだが、20万円を下回るくらいという。

スマチャリの改良点として、Qファクター(ペダル左右の間隔の広さ)が広すぎることがある。グラボアでは、TA社のシクロツーリストクランクを加工して装着。ストレート形状なクランクなので、Qファクターを3㎝ほど狭めることに成功。アウターチェーンリングとフロントメカは、ルックスを維持するためにダミーとして残してある。
ランドナー系のハンドメイド工房が多数

こちらも、伝統的なランドナースタイルのツーリング車を得意とする山音製輪所のMONSON。スマチャリが違和感なく収まっている。ランドナーは、もともと積載や長距離走行を前提とした設計を持つ。スマチャリが加わることで、条件にもよるが100㎞以上のアシストが可能となる。峠を含むロングツーリングでもラクラク走破できるだろう。

こちらは、ノンアシストタイプのツーリング車、大槻輪業社のmille deux cents。今作れるオーソドックスを極めたスポルティーフ。フレーム価格は、19万4040円~。日本には、こういった伝統的ツーリング車工房がいくつもあるのが特徴といえる。オーダーフレームだからスマチャリ導入を見越したフレーム相談をすれば、よりマッチした一台となる可能性は高い。
ミニベロも目立っていた!

ランドナーと並んで存在感を放っていたのがこちらはノンアシストだが、チタンフレームのミニベロだ。
会場では、例年最大規模の展示と人気を誇る、ケルビム(今野製作所)とエクイリブリウムサイクルワークスがチタン製の小径車を出展しており、どちらも高い完成度を見せていた。

チタンの軽さと、小径車の取り回しの良さ。小径車の設計については、こだわりがあるケルビムのジオメトリーで小径ならではの速さとメリットを追求。製作は、東京ほか中国・北京、上海などに販売ショップを多数展開するREとのコラボレーション。ヘッドまわりやエンド、シートステー集合部など3Dプリンターで作られている。フレーム販売価格は、37万円(税抜、カーボンフォーク、シートポスト付き)。

エクイリブリウムサイクルワークスとしては、初となるミニベロ。会場全体の印象としてグラベルバイクが少なくなってきたと感じたが、エクイリブリウムでもグラベルモデルの出展はなかった。

ボリュームと丸みを帯びたフォークがかわいい。フォークは3Dプリンターにより製作という。チタン×3Dプリンターが、世界的にハンドメイドフレーム製作を大きく変えている。

こちらは、絹自転車工房(シルクサイクルズ)のシルクテンション、小径ランドナータイプキャンピング車。ダウンチューブが紐構造で折りたたみが容易なシルクテンション。紐とキャリアの赤がマッチしているナイスなカラーセレクト。

こちらは折りたたみ小径車、ファイブリンクスにスマチャリをインストールしたモデル。既存の折りたたみモデルも電動化できる。新たな遊びの領域を広げる電動アシストユニット、ガジェット好きな小径ファンにも朗報だ。
競輪が育てた、日本のフレーム技術

強度、精度、美しさ。そのすべてが高い次元で成立しているこうした技術的背景には、日本独自のフレーム製作文化がある。それは競輪(KEIRIN)の存在だ。ハンドメイドバイシクル展を語るうえでも欠かせない。多くの競輪ビルダーは、競輪フレーム製作を通じて、厳格な精度管理と溶接技術を磨いてきた。

フレームを構成するパイプや部材が豊富に手に入るのも、競輪の需要があるからだ。このような日本ならではの需要に海外のパイプメーカーも注目しており、今回はイギリスの伝統あるパイプメーカーレイノルズが初出展したのも印象深かった。
伝統技術の継承と進化
ハンドメイドバイシクル展2026は、自転車フレーム文化の継承と進化が交差する場だった。
印象的だったのは、ランドナーを中心としたハンドメイド自転車の電動化という潮流、サイクルパーツの進化とクラシックなパーツとのマリアージュ、そしてチタン×3Dプリンターでの新技術も意欲的に取り込んでいく。
なにより、来場者の数も例年増えていると感じられ、この混み具合と熱気は閑散としていた10数年前には予想もしなかった光景だ。自転車好きは明らかに楽しみに来ている。
ハンドメイド自転車の次の風景。培われてきたフレームワークと美意識を土台に、電動化やデジタル技術を盛り込んでいく未来は、クルマより面白いかもと思った。
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