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サイクルトレインで行く春の桃源郷ライド。山梨「桃と桜のサイクリング2026」は“移動から楽しい”一日

クルマに積むでもなく、輪行袋に詰めるでもなく、“そのまま”電車に載せてイベントへ向かう——。サイクルトレインという選択が、ライドの楽しさを一段引き上げてくれる。今回参加したのは、4月12日に開催された春の山梨を代表する「桃と桜のサイクリング2026」。満開の花、ほどよいアップダウン、そしてエイドのご褒美。これはただのイベントじゃない、“春を走る旅”だった。

輪行不要という解放感。サイクルトレインが変える

今回の主役のひとつは、JR東海の快速「みのクル」。静岡〜甲斐上野を結ぶサイクルトレインだ。

自転車は分解不要。固定バンドで留めるだけ。このシンプルさが、とにかく快適。輪行に慣れている人ほど、このストレスフリーさに驚くはずだ。

しかも今回は車内イベント付き。エース栗原さんと浅利そのみさんのトークショーで、移動時間がそのまま“前夜祭”のような時間に変わる。

目的地に着く頃には、すでに気分はライドモード全開だ。富士宮駅を通過すると、眼下には富士宮の町と富士山を眺めることができる。さらに車内では普段できないつり革ストレッチなど、エース栗原さん指導のもと、エクササイズを楽しむことができた。

“0エイド”から始まる特別なスタート

ル・ヴァンのプレーンマフィン。ふんわりとした食感とほんのり優しい甘さが特徴で、ライド中でも重すぎず、ちょうどいいエネルギー補給になる。

サイクルトレイン利用者は甲斐上野駅からスタート。いわば特別ルートだ。「桃と桜のサイクリング」は本来、中央市役所スタートとなるが、このサイクルトレインを使ったルートは異なる。甲斐上野駅前に用意された“0エイド”から、本編に合流する流れだ。すでにイベントの熱気は十分で、列車で一緒だった参加者はスタートからご機嫌。浅利さんに見送られながらコースを進む。

今年はコースが大きく刷新された。中央市を起点に市川三郷町 → 富士川町 → 南アルプス市と、甲府盆地の西側を巡り、中央市へ戻るルートへ。約64km、獲得標高は約680mとアップダウンはそこまで多くはないが、走りやすい道を選んで構成されているため、やや複雑だが、丁寧な道案内看板とサポートライダーも多数伴走してくれるのでハードルはぐっと下がる。

桃と桜に包まれる“ご褒美コース”

このイベントの魅力の一つは、やはり景色だ。

甲府盆地に広がる桃の花と桜。視界いっぱいに広がるピンクと白のグラデーションは、写真では伝えきれないスケール感。本来の主役は桃と桜。しかし今年は開花が早く、ピークはやや過ぎたタイミングだった。

それでもコース上には八重桜やハナミズキが咲き、春の彩りは十分。むしろ、落ち着いて景色を楽しめるコンディションだったとも言える。来年は満開の桃の花を——そんな“次の楽しみ”が残るのも、このイベントの魅力かもしれない。

さらに南アルプスの稜線、八ヶ岳の存在感が加わる。視覚的な情報量が多く、つい脚を止めてしまう場面も多く、途中で記念撮影を楽しむ姿もちらほら見られた。

また、コースはフラット一辺倒ではなく、緩やかなアップダウンが続く“走って楽しい”設計。脚に刺激を入れつつ、景色も楽しめる絶妙なバランスだ。エース栗原さんは「ジェットコースター」と称していたが、登っては下るを繰り返しながら甲府盆地の縁を走り、道の駅「富士川」へと進んでいく。

富士川を渡ると、その先には道の駅「富士川」が待っている。待望のランチだ。

芝生の広場ではサイクリストたちが楽しく会話をしながらランチを満喫。ここでサイクルトレインチームの今中大介さん、エース栗原さんと、中央市からスタートしたゲストライダーの石垣美帆さんが合流。そしてトークで盛り上げる地元のいしいそうたろうさん、浅利そのみさんが揃った。

バイシクルクラブジャージで参加する橋本さんにお声がけしたところ、仲間の岡井さんと野田さんと記念撮影。野田さんの自転車は60年代のTOEIに80年代のCレコードをアッセンブルしたクラシックスタイル。桃と桜のサイクリングは、最新バイクでもクラシックバイクでも気軽に楽しめるのがいいところだ。

ランチ以外にも桃とブドウのジャムの試食ができるなど、ホスピタリティーは充実している。

午後は富士山をバックに春の風景を満喫

午後のライドは、道の駅「富士川」を過ぎたあたりから一気に景色の表情が変わる。

南アルプス市に入ると、沿道にはサクランボをはじめとした果樹園が広がり、どこかのどかな空気に包まれる。視線を上げると、山の影から富士山がゆっくりと姿を現しはじめ、思わずペダルを止めたくなるほどの存在感だ。春のやわらかな光の中、果樹と山岳風景が同時に楽しめるこの区間は、まさに山梨らしさを凝縮したハイライトと言えるだろう。

地元山梨、そして静岡からの参加者にとっては見慣れた富士山だが、やはり絵になる。

リニア中央新幹線を見ながらフィニッシュ地点、中央市役所を目指す

さらに進むと、視界に飛び込んでくるのが建設中のリニア中央新幹線。近未来的なスケールの大きさと、これまで走ってきた田園風景とのコントラストが印象的だ。その先に見えてくるのがゴール地点の中央市役所。長かったライドの終わりを感じつつも、最後まで景色に背中を押される、そんな締めくくりの区間だった。

フィニッシュでは中央市の望月智市長自らがお出迎え。
フィニッシュ地点ではゲストの高瀬真奈さん、いしいそうたろうさん、ゲストライダーの石垣美帆さん、今中大介さん、エース栗原さんらと記念撮影

 

JR東海も出展しており、リニアが浮き上がる原理を実験キットで体験できた

エイドは“補給”ではなく“楽しみ”

ヨダファームのフレッシュトマト。フィニッシュ地点では野菜やトマトサイダーも販売

このイベントのエイドは、単なる補給ポイントではない。むしろ“目的地”と言っていいレベル。

今回提供された主なラインナップはかなり豪華だ。

このイベントの魅力を語るうえで欠かせないのが、各エイドステーションで提供される“ご当地グルメ”の存在だ。単なる補給を超え、「食べるために走る」と言っても過言ではないほど、その内容は充実している。

まず印象的だったのが、ヨダファームのフレッシュトマト。シンプルにカットされたトマトは、ひと口かじると驚くほど瑞々しく、適度な甘みと酸味のバランスが絶妙。運動中の身体に染み渡るような感覚で、余計な加工がないからこそ素材の良さが際立つ一品だ。

山梨名物「ほうとう」を特別に「みの」の形状にしたのがこの「みみ」

そしてボリューム面で満足度が高いのが、道の駅富士川のエイド。

ここでは山梨の郷土料理「みみ」が振る舞われる。平たい麺状の生地を味噌仕立ての汁でいただく素朴な料理で、どこか懐かしさを感じる味わいだ。加えて弁当も用意されており、しっかりとした食事ができるのもこのイベントならではの魅力だろう。

続いて、スイーツ系で特に人気を集めていたのが、清月のイタリアンロール。山梨ではおなじみの名物で、しっとりとした生地と軽やかなクリームが特徴。疲れが出始めるタイミングでこの甘さに出会うと、思わず笑顔がこぼれる。エイドでこのクオリティが出てくるのは、さすが地元密着イベントといったところだ。

清月のイタリアンロールは普段、ハーフロールサイズでの販売となる。このカットされたサイズはイベント限定だ。元々和菓子の清月、桜餅も振る舞われた
ヒカレヤマナシのクラッシュゼリーも、ライド中にはうれしい存在。冷たくて口当たりがよく、喉をスムーズに通るため、疲労が溜まっているときでも食べやすい。フルーツの風味が感じられる爽やかな味わいで、リフレッシュ効果も高い。
フィニッシュでは、焼きそばが待っている

最後に印象に残ったのが、中央市名物のトマト焼きそば。トマトの酸味とソースのコクが絶妙に絡み合い、一般的な焼きそばとはひと味違う仕上がり。これは思い出になる。

こうして振り返ると、どのエイドも単なる“補給ポイント”ではなく、“地域の魅力を体験する場”として機能していたことがわかる。走りながらその土地の味を楽しむ——そんな贅沢な時間が、このイベントの満足度を大きく引き上げているのは間違いない。むしろ次のエイドを楽しみにペダルを回していた、という参加者も多かったはずだ。

補給というより、“食べ歩きライド”に近い満足感。

どのエイドも地元色が強く、「この地域を走っている意味」をしっかり感じさせてくれる。

フィニッシュ地点でもらえるお土産もボリューム満点

帰りはのんびりサイクルトレインで

走り終えて、中央市役所からのんびりと甲斐上野駅へ戻ると、サイクルトレイン利用者にはさらにお土産のプレゼント。コーヒーと「Annie Happy Pine」のパイナップルケーキが待っていた。

帰りの車内は、心地よい疲労感と余韻。バイクをそのまま載せているだけなので、撤収のストレスもない。「移動がラク=最後まで楽しい」を実感する瞬間だ。

今回感じたのは、サイクルトレインが単なる移動手段ではないということ。前後の時間も含めてイベントになる。つまり、“ライド体験を拡張するツール”だ。今回、「桃と桜のサイクリング」を通して、その価値を最大限に味わうことができた。

5月23日(土)にはJR東海、伊豆箱根鉄道、美しい伊豆創造センターの3者が連携し、静岡県の浜松エリアから伊豆半島のサイクリング拠点である中伊豆・修善寺へダイレクトにアクセスできる「HAMA-IZU サイクルトレイン」が、運行される。ぜひこの機会にサイクルトレインを利用してみよう。

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PROFILE

山口

Bicycle Club / 編集長

山口

バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。

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バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。

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