
YOMU|人と人との交流を編み出す書店で山の本探し_山梨県韮崎市

ランドネ 編集部
- 2025年09月28日
山梨県韮崎市。八ヶ岳や瑞牆山、鳳凰三山や昇仙峡など、山へのアクセスに適した町に、今春オープンした「YOMU」。山に行かない休日も、山に想いを馳せたい人へ、全国各地のおすすめの書店を紹介します。
本をとおして人と人との交流を編み出す書店
中央本線、韮崎駅前の商店街に位置し、元々は和菓子屋だった建物をリノベーションして作られた「YOMU」。店主は、山梨県内の人や暮らしを伝えるフリーマガジン『BEEK』の制作や、富士吉田市で開かれている「ハタオリマチフェスティバル」の企画・運営を行なってきた土屋誠さん。
「編集事務所としては大きすぎる物件だったので、あったらいいなと思っていた書店とギャラリーを併設することにしました」と話すが、土屋さんの本への愛情は深い。昔から雑誌や本が好きで、地元のタウン誌や東京の編集プロダクションなどに勤めていた経歴をもつ土屋さん。
「本で人生が変わったとよく聞くけれど、自分もそのひとり。本への恩返しもしたいんです」と温かな眼差しで語ってくれた。

並ぶ本は人文、文学、哲学、食、アートなど多岐にわたる。「本はコラボレーションがしやすく、人と人とをつなげる力があると思います」と企画も充実。読書会やお茶会を開催したり、アウトドアショップとシューズブランドのイベントも計画中だ。

山梨の魅力を編集し、伝え続けてきた土屋さんは、これから本をとおしてどのような交流を編み出すのか。移住者や新しいお店が増えているという韮崎。YOMUは街の交差点となるに違いない。
- 住所:山梨県韮崎市本町1-4-32
- 営業時間:13:00-18:00
- 定休日:日~水
- Instagram:@yomu_bookandtea
YOMUの店主、土屋さんが選ぶ 山好きさんへのおすすめ本
YOMUの中から、土屋さんがランドネ読者におすすめの6冊を選書し、コメントを寄せてくださいました。ぜひお店で手に取ってみては。
『子どもと一緒に覚えたい野鳥の名前』 山崎宏 監修/加古川利彦 絵 マイルスタッフ
バードコールから興味をもった鳥の世界
友人がバードコールを作っていて、山で鳴らしたら本当に鳥が呼応した。ああ、かわいいのに鳥のことをまったく知らない自分……。野鳥の声もQRから聞けて、鳥入門に最適。
『やがて満ちてくる光の』 梨木香歩 著 新潮文庫
目には見えない大切なことも言葉にして伝える
年代も収録も異なる著者の25年の軌跡をたどるエッセイ集。幅広い興味関心から自己と世界に向き合う姿勢に心打たれます。ひとりでどこか知らない土地へ旅したくなる一冊。
『山からの絵本』 辻まこと 著 ヤマケイ文庫
山を愛した男、辻まことワールド
山での生活を短い物語と絵で綴る画文集。辻さんの絵は肩の力が抜けつつ、自然の営みをありのまま描写しているので、本当に山が好きな人だったんだなと思います。
『わたしの美しい戦場』 寿木けい 著 新潮社
自然に寄り添い生きていく戦いの先にある美しさ
著者が2023年に築130年の古民家を購入し、〈遠矢山房〉と名づけそこでの冬から秋にかけての暮らしの12カ月。山梨の自然がこんなにも豊かだったのかと気づかされます。
『かけ湯くん』 松本英子 著 河出書房新社
とにもかくにも温泉へ
山帰りはもちろん、自分の住んでいるまちでも出先のまちでも(つまりいつでも)僕は温泉に入りたい。この本を読むと「温泉の国に生まれてよかった!」と本気で思えます。
『Water』 坂口恭平 著/帆刈一哉 写真/エリック・マーゴリス 翻訳 左右社
既視感ある風景に、なぜこんなに心揺さぶられるのか
著者のライフワークで描かれたパステル画。どこかで見たことある景色の絵に心惹きつけられ、ずっとページをめくってしまう。山も雲も水も空も暮らしもしっかり見つめたいな。
- BRAND :
- ランドネ
- CREDIT :
- Photo/T.Gomi 五味貴志 Text/Y.Ogaki 大垣柚月
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PROFILE

ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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