
登山道整備で目にした光景〜見えないけれど力強いつながり~

Mt.ランドネメンバー
- 2025年10月01日
「登山を楽しむこと」は、だれかのチカラや思いによって支えられている部分がとても多くあります。Mt.ランドネメンバーが登山を通して感じた、思いやつながりとは?
この夏、山のニュースで考えたこと
今年の夏は、山での遭難や悲しい事故の報道が例年にも増して多かったように思います。他人ごととは思えず、考えさせられることもありました。そんななか、自分でも意外なところに感情が動きました。報道を目にした知人たちが、口々に私のことを思い出したと言ってくれたこと。
それだけ危なっかしく見えていることにほかならず、喜べることではないのですが、思い出し、気にかけてもらえたことがありがたく、その会話で元気をもらいました。そして、人が人を想うだけで、力を与えられることがあるということに驚きました。
そんなふうに、直接的にも間接的にも支えられたり支えたりして、見えないつながりに助けられて自分は生きているのだと、改めて感じたのです。
土の下に広がる世界に見えた、ともに生きるということ
先日、所属する登山道整備団体で、2年前に設置した木のステップをはがして土中のようすを確認する機会がありました。
ステップの裏側にはびっしりと白い菌糸がつき、その下の土には付近の木から根がたくさん伸びてきていました。元気な菌糸があるところを目指して木の根が伸長し、菌糸が出す養分を使って太く力強い根になっていくのです。菌糸もまた、木の根から養分を得ています。
この根が育っていけば、土を捉えて崩れない登山道になっていきます。土の下で確かな命の循環が息づいていることに、感動を覚えました。菌糸と木の根の共生関係は、人と人、人と自然の関係にもつながる気がします。
見えなくても、存在に力を与えられる。想う気持ちが大きな力になって、人も自然に良い影響を与えることができる世界が、きっとあると思います。
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PROFILE

Mt.ランドネメンバー
山や自然をこよなく愛し、自分たちの“好き”を共有するコミュニティーサービスの一員。会員限定イベントなどを通じて、山や自然の新しい魅力を見つけたり、自分らしいアウトドアを楽しんでいる。
山や自然をこよなく愛し、自分たちの“好き”を共有するコミュニティーサービスの一員。会員限定イベントなどを通じて、山や自然の新しい魅力を見つけたり、自分らしいアウトドアを楽しんでいる。