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コロナ禍を経た… 山小屋のいま|愛される山小屋が守りたい、ゆとりと自然「北アルプス・燕山荘」

肩を寄せ合う寝室も食堂のにぎわいも山小屋の「らしさ」だった。けれどコロナ禍は、そのあたり前を大きくゆさぶった。現場のいまとは。山小屋のご主人に話を聞きました。

変わるものと変えないもの 山小屋のいまを考える

「早く終わらないかなとずっと考えていた」。燕山荘の赤沼健至さんは、未知のウイルスが流行り出したころの気持ちをふり返る。山小屋に携わる人々は、見えない相手にとまどい、手探りで対応した。

「三密を避けよう」という標語が日常になったいっぽうで、山小屋は本来、相部屋の雑魚寝や食堂での語らいなど「密」こそが醍醐味のひとつでもあった。流行病は大打撃。しかし赤沼さんは「定員を抑えた運営に慣れ、もうコロナ前には戻せない」とも語る。ゆとりが生まれ、静かな夜や登山者とスタッフとの会話が増えたのは、たしかな変化だ。

同時に、コロナ禍は山歩きや山小屋の在り方を問う契機になった。キャッシュレス化や換気機器の導入、寝室の仕切り、食事スペースの区分け。ふもとの宿に劣らない快適化が進んだ。ただ、目指すべきは「なんでもかんでも快適にスマートに」ではないだろう。双子池ヒュッテの米川佳子さんは、コロナ禍を経て登山アプリやAIの利用が急増した印象を語り、危機感も抱く。GPSの線を信じすぎて登山道を外れる、AIがすすめた難路へ向かおうとする。そんな事例もあるのだとか。テクノロジーの進化は悪いことではないが、100%役に立つとは限らない。

山小屋本来の素朴さと進化、登山者が携えるテクノロジー。そのあいだにある「ちょうどよさ」を、私たちもいっしょに考えたい。

愛される山小屋が守りたい、ゆとりと自然 北アルプス・燕山荘

▲2010年ごろから混雑緩和のため予約人数を減らしてきたが、コロナ禍ではその流れをさらに強め、「1畳にひとり」以上のゆとりある空間を確保。現在も定員をコロナ前の46%に抑えて登山者を迎えている。

2020年、燕山荘は定員を従来の32%に。
「お客さまには初めて登山の自粛をお願いし、営業開始を遅らせ、部屋にロールカーテン、食堂に衝立と、各所に感染予防対策を施し、完全予約制で営業を始めました」と赤沼さん。

今後もゆとりは維持したいが、定員抑制は売上減に直結する。「値上げは必要だが、荷揚げや食材高騰分をどこまでお客さまに負担いただくか悩む。山歩きは親子三代で楽しめ、記憶に深く残るもの。金銭的負担が大きすぎては本末転倒」と、ゆとりと持続性の両立を探っている。

燕山荘グループ 代表
赤沼健至さん

燕山荘
電話:090-1420-0008(受付時間~20:30)
料金:1泊2日(2食付き)15,000円~
営業期間:2025年4月19日~11月23日宿泊まで
(年末年始営業は2025年12月24日~2026年1月4日までの予定)

 

 

▲北アルプスのなかでもいち早くWeb予約を始めていた燕山荘。コロナ禍でテント場も予約必須に。

▲2020年は営業開始を4月から7月に延期。食堂では黙食を呼びかけ、赤沼さんの映像を交えた山の話を実施。予約縮小で夕食の回転数が減り、静かな夜の時間が増えた。消灯も21時から20時半に変更。

▲「自然のすばらしさを伝えるのが自分の役割」と赤沼さん。山小屋経営の傍ら、周辺は国内有数のコマクサの群生地を守るため、長年ロープや木杭を設置してきた。その成果でコマクサは増え、ライチョウも頻繁に姿を見せるように。

 

ランドネ最新号では、八ヶ岳・双子池ヒュッテ、富士山・太子舘のご主人にもお話を伺っています。ぜひチェックしてください。

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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