山の安全と自然を守るために。マイナンバーカードを活用した新しい登山スタイル

SNSなどを利用して、気軽に登山情報が入手できるようになった昨今。登山者は増えていくいっぽう、自然環境の劣化や登山道の荒廃、遭難事故の増加が深刻化しています。また、維持・管理を担う山小屋では人手不足や物価高騰に直面。さらには、登山届の提出方法が統一されておらず、遭難時に登山者の情報や位置を迅速に把握できないという問題も。こうした課題に対して、持続可能な仕組みづくりが急務となっています。

そんななか、マイナンバーカードの利活用シーン拡大を推進するデジタル庁が、登山をもっと安全に、もっと快適にするための新たな取り組みをスタートさせます。

事前準備から行動記録までスマートに完結

今回行なわれるは、マイナンバーカードとデジタル資格証明という技術を活用し、登山前の事前準備から山での行動まで、スマートに管理できる仕組みの実証実験です。具体的には、本人確認や安全マナーの事前学習、誓約書提出、そして募金まで、すべてをオンラインで完結。将来的には「入山許可証」への発展も想定。さらに、非対面で募金を受け付けることで、新しい財源確保のモデルを探り、山の維持管理に還元していくことの基盤となります。

2025年10月～2026年2月にかけて、この実験が行なわれるは、北アルプスと八ヶ岳の山域。登山前に特設サイトで行なうマナー確認、誓約書提出、任意での募金参加などの記録は、デジタル資格証明としてスマートフォン上に発行され、これを山小屋で提示すると立ち寄り履歴が記録されます。万が一の遭難時には、初動対応がスピーディになり、安全性が高まるメリットも想定されます。

参加の流れはとても簡単で、まず実証実験専用サイトにアクセスし、マイナンバーカードやパスポート番号でID登録。その後、山行の基本情報を入力し、安全登山のためのマナーチェックや誓約書提出を済ませれば、入山準備完了証がスマホに発行されます。募金に参加する場合は、サイト上で直接決済またはふるさと納税を利用でき、完了後には募金証明も発行される仕組みです。登山当日は山小屋でデジタル資格証明を提示し、ノベルティを受け取れば参加完了。期間中は何度でも参加することができます。

登山をより安全・安心に楽しめるだけではなく、山岳地域にとって、持続可能な観光の仕組みを模索する第一歩となります。山や自然を愛するひとりの登山者として、新しい登山スタイルを体験してみてはいかがでしょうか。

【やまのあかしプロジェクト】
期間：2025年10月6日〜2026年2月（予定）
対象エリア：北アルプス、八ヶ岳の一部のエリア
（詳細はHPにて）
https://yamanoakashi2025.com/

参加方法
1．実証実験専用サイトにアクセス
マイナンバーカードやパスポート番号でID登録を行なう。

2．山行の基本情報を入力
安全登山のためのマナーチェックや誓約書提出後、入山準備完了証がスマホに発行される。

3．任意で募金に参加
サイト上で直接決済、またはふるさと納税を利用でき、完了後に募金証明書も発行される。

4．証明書の提示
登山当日、山小屋で証明書を提示するとノベルティが受け取れる。

※別途、「登山計画書」の提出が必要となります。入山前に必ず提出してください。
（オンラインでの提出先）
ながの電子申請サービス
コンパス（日本山岳ガイド協会）
YAMAP
※登山保険への加入や位置情報・地図サービスの利用もご検討ください。（例：ココヘリ・ヤマレコ）

協力山小屋一覧

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