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尾瀬のふもと檜枝岐の歴史ある宿”かぎや旅館”をご紹介します!|まだ知らない尾瀬ストーリー#15

“尾瀬”と聞くと思い描く景色はどんなものでしょうか?

「湿原と山と木道」という景色を思い浮かべる方が多いかもしれません。尾瀬はその景色があまりにも有名で、その成り立ちや歴史、その周辺地域のこと、そこに関わる人々のことはほとんど知られていません。じつは尾瀬には感動的なストーリーがいくつもあるのです。

尾瀬をこよなく愛するOze Nature Interpreterの私が、尾瀬のさまざまなストーリーをお届けします!

創業133年、こだわりの山人料理と体のとろける温泉を楽しめる「かぎや旅館」

「よかったら夕飯と温泉をどうですか?」と連絡をくださったのは、かぎや旅館6代目主人の星茂俊(ほししげとし)さん。遠慮のない性格の私は「うれしいです!ぜひ伺わせてください!」とふたつ返事ですぐに決定。

このお話をいただいてから、宿に伺うのがとても楽しみになりました。というのも、檜枝岐村に暮らすまで檜枝岐村の宿に泊まるのが最高の楽しみだった私は、移住をきっかけに檜枝岐村の宿を楽しむ、という機会を失ってしまったから……笑。檜枝岐村に住んでいるけど、村内の宿に泊まらせていただこうかな、という謎の計画をしようとしていたところだったので、本当にうれしいご連絡でした。

▲檜枝岐村の夜に映える“日本秘湯を守る会”の提灯。

ついに宿にお邪魔したのは11月29日。すっかり日の暮れる時間が早くなった檜枝岐村で、かぎや旅館の“日本秘湯を守る会”の提灯が、まるで宿の歴史を物語るように明かりを灯していました。雪囲いとして冬のあいだだけつけられた引き戸を開け、さらに玄関の格子状のガラスの引き戸を開けると、ぱあっと明るく輝く木の床が!

▲電気の明かりが映り込むぴかぴかの床。

この長く続くぴかぴかに磨かれた床は、ご主人も“昔ながらの雰囲気がありますよね”と口にするほど雰囲気があります。玄関に近い床と奥の床では造られた年が違う、ということでしたが、味わいのあるこの床は思わず写真に残したくなるほどすばらしいものでした。

さて、次に目に入ったのは“選べる浴衣&帯”のコーナー。

▲今回宿には泊まらないので着用しませんでしたが、いつか着たい!

さまざまなカラーとデザインがあり、どれも魅力的!その向かい側にはお土産コーナーもあるので、ついついここで足を止めてしまいます。

茂俊さんと少しお話をしたあと、ついにお宿自慢のお風呂へ!宿には檜風呂と石風呂の2種類があり、時間によって男女を入れ替えているそう。私が伺った時間はちょうど檜風呂が女性入浴の時間でした。

▲宿に泊まったら、ふたつのお風呂を両方楽しめるなんて幸せです。

今回特別に檜風呂と石風呂の両方を見せていただきましたが、どちらも本当にすばらしい雰囲気で、思わず長風呂をしてしまいそう……。私が入浴させていただいたのは檜風呂でしたが、温泉がとろとろでそのまま体がとろっととろけてしまいそうでした。

▲泉質はアルカリ性単純温泉。

そうそう、檜枝岐村は昭和47年に温泉が湧出し、昭和50年から村内の宿と各家庭に温泉が引かれるようになった全国的に見てもとても珍しい村なのですが、みなさんご存知でしたでしょうか?

さぁ、すばらしすぎるお風呂から上がったら、お待ちかねの山人料理(やもうどりょうり)です。山人料理は檜枝岐村の宿で出されている、地元の山菜やキノコ、そばなどを使った体に優しいお料理のこと。お食事会場に用意された、テーブルと椅子の席に並べられたお料理に胸が高鳴ります。さらに椅子には小物を入れることのできる手作りの巾着のようなものがついていて、この小さな心遣いが私の心をくすぐりました。

▲こういうさまざまなお宿の心遣いに心がくすぐられる。

畳には“尾瀬”の文字とミズバショウのイラスト!私の記事を読んでくださっている方々は、きっと山が好き!尾瀬が好き!という方が多いと思うので、これも心をくすぐる要素のひとつになるのではないでしょうか?

▲さまざまな宿で何回も見ているはずなのに、この畳縁を見ると写真を撮りたくなる。

この畳縁(たたみべり)のあるお宿は檜枝岐村のお宿限定だそう。檜枝岐村の山小屋さんの畳縁にも使われていたりするので、檜枝岐村の宿や山小屋に泊まるときにはぜひ注目してみてください!

さてさて、肝心のお夕食ですが、ここでは紹介しきれないくらい品数がとても多く、そして私の語彙力では表現することができないほど本当においしかった!

▲お料理はご主人とおかみさんが少しずつ運んできてくれる。
▲ワラビやニンジン、大根が入った“山菜の酢の物”。
▲檜枝岐村で生産されているキクラゲの“きのこの油炒め”。
▲自家栽培の大根を使っ“ふろ吹き大根”。
▲檜枝岐村の岩魚を使った塩焼き。
▲新鮮だからこそ提供できる“岩魚のお刺身”。

宿で出されている食材は、お宿の畑で採れた無農薬の野菜や檜枝岐村でご主人が採った山菜やキノコ、手作り味噌を使っているとのこと。ご主人は“地のもの”を使うことにとくにこだわっているそうです。目で見ているだけでも、その一つひとつのお料理がとてもていねいに作られていることが伝わってきて、どれも食べてしまうのがもったいないくらいでした。

まずは目で楽しみ、舌でじっくり味わう。時間をかけて、こういう味わい方をしたくなるほどのすばらしいお料理の数々。

▲檜枝岐村の郷土料理の“裁ちそば” 。この季節は新蕎麦を食べることができます。
▲こちらはなんと、そば湯で作る“そばゼリー”。 初めて食べましたがこれがまたおいしかった!

お料理を楽しんでいると、なにやら気になるサイドメニューもありました。その中で今回いただいたのが、“晩酌飲み比べセット”。南会津のお酒を少しずつ楽しむことができます。

▲“南会津の地酒”と書かれた台にも心がくすぐられます。

そのときどきでセットの内容は変わるようですが、“燧ヶ岳”というお酒もあるので、尾瀬好き、百名山好きにはぜひとも試していただきたいお酒です。

さぁ、今回は檜枝岐村の歴史あるお宿「かぎや旅館」を紹介させていただきました。“冬は閉ざされた場所”と思われがちな檜枝岐村。夏のシーズンが過ぎてしまうと一気に静かになります。しかし、こうして趣向を凝らして訪れる人々をおもてなししようと、冬のあいだも営業されているお宿があります。

これから雪深くなる檜枝岐村で、とろとろの温泉で体をほぐし、ていねいに作られた山人料理をゆっくりと味わう。来年の尾瀬シーズンに思いを馳せつつ、“ただそれだけを味わうぜいたくな時間”をすごすため、尾瀬のふもと檜枝岐村を訪れてみてはいかがでしょうか。

▲尾瀬のガイドもされていたご主人と、毎日温泉に入っているからかお肌がつるつるのおかみさん、そして5代目であるご両親の4人でお宿をやられているそう。ご主人は尾瀬のことにも答えてくれますよ!

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PROFILE

HagiwaraMai

ランドネ / Oze Nature Interpreter

HagiwaraMai

尾瀬高校自然環境科の卒業生であり、尾瀬のビジターセンターや山小屋、ガイド団体で働いた経歴をもつ。現在は、尾瀬をこよなく愛するOze Nature Interpreterとして尾瀬とその周辺地域の知られざるストーリーを伝える活動をしている。

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尾瀬高校自然環境科の卒業生であり、尾瀬のビジターセンターや山小屋、ガイド団体で働いた経歴をもつ。現在は、尾瀬をこよなく愛するOze Nature Interpreterとして尾瀬とその周辺地域の知られざるストーリーを伝える活動をしている。

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