
会いに行けないアイドル!? 山の“忍者”たち|植物ライター・成清 陽のヤマノハナ手帖 #52
成清 陽
- 2026年01月10日
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登山&撮影をライフワークとする花ライターがお送りする、高山植物の偏愛記。静かに、しかしアツ~く、お花をご紹介します!
冬至を迎えたこの頃、読者の皆さんは忘年会に忙しい年末ではないでしょうか。なんだか華々しくて、いいじゃないですか、都会スタイル。こちら田舎はといいますと、ゆず風呂に門松準備、白菜のてっぺんをひもで巻いて……とまあ、完全おじいちゃんスタイルです(笑)。さて、そんな年末にお送りするのが、恒例の番外編。かくし芸ばりに山で姿をくらます隠密…そう、野鳥たちを、ご紹介しちゃいます!
自己主張、強め??
今まさに雪に覆われているであろう、八ヶ岳。初夏の頃に訪れると、樹林帯で何やら鳴き声が……。「ピピ、ピピピピピ」。うん?なんだか、妙に日本語っぽい…もう一度。「ボク、ピピピピピ」。えっ?「ボク、ルリビタキ」。んなふうに聞こえるワケねぇ~!と思うでしょ?ところが、一回でもこう聞こえてしまったら、二度と「ピピピ」に聞こえない。美しい外見ながら、なかなかオモシロイ野鳥がルリビタキです。ちなみに、トップ画は成熟したオス、こちらは若いオス。若い男子よ、がんばってメスをゲットするのじゃ!

Data
- ルリビタキ(ヒタキ科)
- 属性:渡り鳥(夏鳥)
- 良く出会う場所:亜高山帯の樹林帯など
- 撮影月/撮影地:6月、八ヶ岳(美濃戸口)
現在、電波の届かないところにおられます
さて、お次は雪解けの時期に小屋周辺で入り乱れる、あの野鳥。平地にいるツバメと比べて短い燕尾服を着た、イワツバメさんです。じつはこのお方、私が山で出会った、初めての野鳥。尾瀬沼ビジターセンターに集合住宅を築き上げ、ヒナたちが大合唱!この光景は、忘れられませんね~。なお、彼らの生息域は「ユーラシア大陸」と広っ!!そして雪山にはいないため、今は、海外出張中でしょう。どうりで電話がつながらないわけだ(笑)。

Data
- イワツバメ(ツバメ科)
- 属性:渡り鳥(夏鳥)
- 良く出会う場所:亜高山帯の山小屋周辺など
- 撮影月/撮影地:8月、尾瀬
ワタシを知らないとは言わせない!
「突然ですがクイズです。さて私は、なんという名前でしょうか。知らない?んなわけねぇだろ!」。とご本人がブチ切れるくらい有名な…カッコウです!! 姿を見るのがやや難しいですが、鳴いているときに丹念に木のてっぺんを見ていると、きっと…ビミョーな動きをする鳥がいるはず。写真のとおり、ヘンな姿勢にならないと、鳴けないそうです。ところでカッコウの仲間はこれまたヘンな声を出す仲間が多く、「トウキョウトッキョキョカキョク」と鳴くホトトスギのほか、「ジュウーイチ、ジュウーイチ」と鳴くジュウイチもいますよ。こちらも見てみたい!

Data
- カッコウ(カッコウ科)
- 属性:渡り鳥(夏鳥)
- 良く出会う場所:亜高山帯の樹林帯など
- 撮影月/撮影地:6月、尾瀬
なかなかレアなお尋ね者
さて、そろそろ地味ラインをご紹介。こちらホシガラスは、とにかくハイマツやオオシラビソの松ぼっくりが大好き!なので、必然的に高山帯の岩場で出会えるはず。ところが、いかんせん地味(二度目)。鳴き声も目立たず外見はモノトーン、警戒心もやや強めとあって、シャッターチャンスは少なめ。世を忍ぶその生き様は、「お尋ね者」みたいだけど…。アルプス以外にも多く生息するので、その姿だけでなく、バラバラにされた松ぼっくりの食痕を、探してみて!

Data
- ホシガラス(カラス科)
- 属性:渡り鳥(夏鳥)
- 良く出会う場所:高山帯の岩場など
- 撮影月/撮影地:7月、白山
シメはやっぱりこの方でしょう
山のトリを紹介するなら、この人は外せないでしょう。ラストバッター、ライチョウさんです!!まあ、この方は、警戒心の薄さ、夏毛&冬毛のコントラスト、チングルマの種を食べる…などなど、皆さんも知っていることが盛りだくさん。語るまでもないのですが、あえてマニアとして追記するなら、周囲を警戒しているときに、目の上の赤い「眉毛」が、ググっと盛り上がる特徴が。さらに、ふくよかな体型のとおり美味しいため、海外ではジビエ扱いだそうです(特別天然記念物だから、日本はダメ!)。

Data
- ライチョウ(キジ科)
- 属性:留鳥
- 良く出会う場所:高山帯の岩場など
- 撮影月/撮影地:7月、御嶽山
さてさて、今回ご紹介してきた、野鳥の皆さん。いかがでしたでしょうか?彼らは基本的に、人前に堂々と姿をさらしてくれません(ライチョウ除く)。そのため、写真にとるのもなかなか難しいところ。でも、一度出会うと本当にうれしい、それも野鳥を愛すべきポイントだと思います。
さて、そしてこちらも恒例、年末のご挨拶を…。本年もご愛読いただきありがとうございました。来年もまた、独自路線突っ走りまくりの記事を、楽しく書かせていただきます。またぜひ、読んでやってくださいね!
それでは、また。
皆様のココロに、来年も素敵な花が咲き誇りますように。
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