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10歳年上の“少年”は MCT&PCTのスルーハイカー!|低山トラベラー、偏愛ハイカーに会いに行く #14

山の愛し方は人それぞれ、とはいうけれど。十人十色の偏愛ワールドを覗いてみれば、これからの山の愛し方とその先の未来が見えてくる、かもね。

今回の偏愛さん

板谷 学さん

名取トレイルセンターのセンター長。米国PCTを歩いた経験をもつロングトレイルハイカー。現在は東北を中心に、みちのく潮風トレイルなど各地の道を自分の足でたどり、歩くことで見えてくる自然の表情や土地の息づかいを発信している。

Instagram:@manabu_61

10歳年上の“少年”はMCT&PCTのスルーハイカー!

年に一度、東北の山を縦走する恒例企画を仲間内でやっている。東北には標高2000mに満たない山が多いものの、広大で奥深い山岳ばかりだから、けっこう〝歩かされる〞のが特徴だ。少しでも長く山ですごしたい身としては、少なくとも2~3日かけて山域を抜けるプランが好み。したがって、東北の山はむしろちょうどよくて、都合がいい。今年の秋も岩手県の焼石岳から夏油温泉へと歩いた。気心の知れたいつものメンバーで、最高に楽しい山旅だった。

その仲間うちの最年長が、今回の偏愛ハイカーこと板谷学さん(以降、マナブさん)だ。日本を代表するロングトレイル「みちのく潮風トレイル(Michinoku Coastal Trail)を管理運営するNPO法人みちのくトレイルクラブの事務局に勤務しながら、自然のなかをより長く歩くことを実践し、ロングトレイルの魅力を伝えている。すばらしい仕事だと思う。

▲年季の入ったバックパック!これぞロングディスタンス・ハイカー

▲毎年いっしょに歩く東北の深部。2024年は八幡平から裏岩手縦走路を経て岩手山へ

僕より10歳上だから「おじさん」には違いないのだけれど、その実めちゃめちゃ〝少年〞でもある。トレードマークは半ズボンとキャップ。山では、気がつけばポテトチップスを袋ごと抱えて食べているか、コーラを飲んでいる。ロングトレイルを題材にしたアニメがあるならば、きっとこういうキャラクターの登場人物がいるに違いない。

▲2018年春、初めてのロングトレイル、高島トレイルにて。ウルトラライトハイキングを本格的に意識し始めたころ

登山者ではなく「ハイカー」という意識で ハイキング本来の楽しみ方を探究中

マナブさんは、登山者というより「ハイカー」というほうがしっくりくると自身を評す。東北のみちのく潮風トレイル(MCT)と米国のパシフィック・クレスト・トレイル(PCT)をスルーハイクした実力者でもある。そう聞くと、どんだけ屈強でクセの強い人なのかと構えてしまうかもしれない。しかし実際に会って話すと、笑みは柔和で物腰はニュートラル。話し方がおだやかで、話題はウィットに富んでいる。

いつだったか「ハイキングって、軽い山歩きのことなの?違うよね?」という話で意気投合したことがあった。

本来のハイキングとは、自分の足で歩きながら自然に親しみ、文化を訪ねて見聞を広げる、健康的で日常的な冒険行為を意味する。そのフィールドはとても広く、高い山でも低い山でも舞台となり得るし、古道や街道、町中の路地や海岸線歩きも含む。ときに山頂をふむことがあれば、谷に下りることだってある。つまり、登山に限定したことではなく、高さや難易度のことでもない。考え方や行動のしかた、さらには思想とも言えることなのだ。

▲2020年秋、PCTワシントン州ゴール直前。体重は10kg減
▲“ハイカー・トラッシュ”と呼ばれたら一人前。汚いほどかっこいい

たとえば、弁当やおやつを持参して自然に入るのは「ピクニック」である。これとハイキングがごっちゃになっている人は、一定数いることだろう。

そのハイキングがなぜ「軽い山歩き」という意味合いで日本人に定着したのか。マナブさんによれば、その理由はサザエさんにあるというのだ。もちろん世代にもよる。

多くの人が通ってきたであろう超人気アニメのなかで、一家揃って外出用の装いで自然公園のようなところに「ピクニック」に出かけている内容があった。さらには、毎回のエンディングで「今日は楽しい〜ハイキング〜♪」と描かれていることも影響がありそうだ。

原作者にその意図はなかったとは思うけれど、あれを見て磯野家のピクニックをハイキングと混同してしまった人が続出したのではないか、というのが板谷学説。とてもおもしろい考察だから、僕もこれをいろんなところで話している。もちろん板谷学説の支持者として。

▲前職名古屋支店“山部”で表銀座から槍ヶ岳へ
▲PCTを歩いた仲間と再会。変わらず笑い合えるのがうれしい
▲みちのくトレイルクラブ主催のテント泊ハイキング
▲今秋、九州・関西の仲間と「行橋別府100キロウォーク」に参加
▲2017年夏、“山部”メンバーで北岳への山行。年に一回は夏山遠征していた

ハイキングとは人生そのもの 人生の先輩の現在地と未来

アウトドア一家で育ったマナブさんは、幼少期から山を知り、東京ですごした青春期には地元奥多摩の山々をよく歩いた。大学時代は体育会ヨット部で、サーフカルチャーに傾倒して湘南暮らしをした時代もあったそうだ。しばらく山から遠ざかっていた期間があったものの、人生を見つめ直すなかでふたたび山に、もっといえば「道」に戻ってくることになる。

僕がマナブさんと出会ったのは、そんなタイミングのこと。折しも、アウトドアをテーマとした働き方の講座で、僕は講師、マナブさんは受講生という立ち位置だった。以来ずっと仲よくしてもらい、冒頭のとおりいまや東北の山々を歩く仲だ。ご縁が続くというのは、とてもうれしいことである。

以前、PEAKSでおなじみの高橋庄太郎さんとハイカーズデポの土屋智哉さんとともに、僕も登壇したイベントがあった。庄太郎さんと土屋さんを神と崇めるマナブさんの表情たるや、芸能人と遭遇したときのいちファンの顔。記念撮影ではダブルピースまで決めていた。なんというか、ヒゲを生やした少年のようである(いい意味です)。

見ているこちらのほうが、そんなマナブさんのファンになってしまう。年齢を重ねてなおキュートなおじさん、まじリスペクト。そんなマナブさんに会ってみたいという読者のみなさんは、みちのく潮風トレイル名取トレイルセンターへ、ぜひ!

▲“山部”夏山遠征で木曽駒ヶ岳へ。中央アルプスは名古屋からアクセスが良く、身近な存在
▲みちのく潮風トレイルルートにもなっている金華山。山頂付近の景色は最高
▲雪山は楽しかったけどその後はあまり続かなかった

 

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PROFILE

大内征

ランドネ / 低山トラベラー、山旅文筆家

大内征

歴史や文化をたどって日本各地の低山を歩き、ローカルハイクの魅力を探究。NHKラジオ深夜便、LuckyFM茨城放送に出演中。著書に『低山トラベル』など。ライフワークは熊野古道。

大内征の記事一覧

歴史や文化をたどって日本各地の低山を歩き、ローカルハイクの魅力を探究。NHKラジオ深夜便、LuckyFM茨城放送に出演中。著書に『低山トラベル』など。ライフワークは熊野古道。

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