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登山ガイド・野村良太さん「登山は2泊からが魅力。山で朝を迎え、夜をすごしたい」|山のガイド名鑑 File.7

ガイドの世界で活躍する人々にフォーカスする連載。第7回は登山ガイドの野村良太さんをインタビュー。

「積雪期単独北海道分水嶺縦断」を遂げ、植村直己冒険賞などを受賞。「登山家」と呼ばれるようになった野村良太さんが考える、北海道の山、登山ガイドという仕事を語ってもらった。

できるだけ長い時間を山ですごしてほしい

ーー北海道の山に育てられましたね。

野村さん:北海道大学ワンダーフォーゲル部(W V部)で、山に出会いました。僕は水産学部で、3年生になると函館キャンパスになります。部室は札幌ですし、函館は山が遠いです。もっと山に登りたいと思ったので、2年間休学し、札幌に残り部活をやり遂げました。

そのあとは函館に移り、部は卒業して山登りを続けます。北海道大学WV部には、風や視界について独自の基準があるんです。風は「感じる」から始まり、「バランスを崩さない」もあります。強風でよろめき歩くのが困難なほど。けれど、「おれはまだバランスを崩していない」と言って、どんどん基準が上がっていくんです(笑)。

おなじように視界に関する基準もあります。前進が困難になると、尺取虫のように進みます。
ひとりが目標を定めて進み、うしろからコンパスでチェック。「もう少し右」とか修正を加えます。互いが見えなくなる寸前で先頭が止まり、残りのメンバーが追いつきます。このくり返し。

北海道は気候が厳しいので、この程度であれば登ります。登攀技術よりも先に、自分がいる場所を見失わない、なにがあっても下山するということばかり考えていました。冬は何時間も林道をラッセルし、そのあともラッセルが続き森林限界に出ます。他人のトレースはほとんどなく、静かです。そういう環境だったからこそ、ここまで山にのめり込んで、登山を続けているのかもしれません。

部室には膨大な山行記録がファイリングされています。若手OBの厳しく長い単独縦走の記録を読んでは憧れていました。けれど、現役部員は単独行が禁止なんです。だから4年間を終えてからいっそう登り、単独行でも行くようになりました。

▲分水嶺縦走56日目。残照の神威岳(右)とソエマツ岳。強風をしのぐため雪面を掘ってテント設営

ーーやがて、「登山家」と呼ばれるようになります。

野村さん:2022年の冬に北海道最北端の宗谷岬から襟裳岬までの分水嶺を、63日間かけて単独で歩きました。これがメディアに取り上げられ、植村直己冒険賞を受賞したころから登山家と呼ばれるようになりました。けれど僕は、人に知られる前に仲間や知り合いが「よくやったね」とほめてくれたことを大切に思っています。それはだれかの評価に基づいたものではなく、本当に僕のことを思ってくれたと感じるのです。

僕は山に登ることで生計を立てているのではなく、登山ガイドが生業です。またガイド登山だけでなく、自分の登山も大切にしたいと思っています。北海道分水嶺を歩いたのは、自分の気持ちに忠実なものであり、その純粋さは、これからも大切にしたいです。

ーー登山ガイドという仕事を思い描いた始まりは?

野村さん:大学2年生の夏に大雪山で、「北大生でしょ。ガイドの手伝いをしてくれる?」と声をかけてくれたのが、札幌在住の登山ガイドの阿部夕香さんでした。お客さまといっしょにテントでごはんを食べお酒を飲み、楽しそうでした。その後、夕香さんの長いテント泊縦走のガイドで、歩荷をします。登山には厳しい場面や、緊張を強いられるときもあります。けれど夕香さんはそれを押しつけるのではなく、彼女の明るい性格が伸び伸びとした雰囲気を作っています。

締めるときは締める。お客さまたちも厳しい場面があっても、全体を通じて、朗らかに山を楽しんでいるんですよね。夕香さんは僕のお手本です。

▲夏の大雪山系の縦走をガイドする。写真は白雲岳。山のなかですごす時間が長いほど、魅力があると思っている。参加者のバックパックも大きいが、野村さんのバックパックはいっそう大きい

ーー野村さんのガイディングは?

野村さん:北海道の山は切り立った稜線がないぶん、遠くまで見渡せ、広大です。ぜひ山で2泊以上してもらいたい。1泊では入下山で終わってしまうけれど、2泊すれば中日は、山一色になる。山で朝を迎え、夜をすごすことがすばらしいと思うのです。ぜひそれを味わってもらいたいです。

ガイドを始めた初期に、夕香さんに、「お客さまの要望も大切だけれど、自分自身を見失わないように」と言われました。僕自身が好きな山を続け、経験を積んでいくなかで、そんな僕と「いっしょに登りたい」と言ってもらえ、山の魅力をわかち合えたらうれしいですね。

野村良太さん

1994年大阪府生まれ。北海道大学ワンダーフォーゲル部出身。2022年に積雪期単独北海道分水嶺縦断、日本山岳・スポーツクライミング協会山岳奨励賞、第27回植村直己冒険賞受賞。著書に『「幸せ」を背負って 積雪期単独北海道分水嶺縦断記』。朝日新聞に「山あり谷あり、大志あり」連載。妻、娘と札幌市郊外に住む。

  • 資格:日本山岳ガイド協会公認登山ガイドⅡ、スキーガイドⅠ
  • 得意分野:漠然とした不安やひとりが寂しいというのはなく、ひとりで長く山のなかに居続けられる
  • 好きな山域:日高山脈、知床半島の山々。冬はとくに好き。人がいないから
  • 好きなアクティビティ:山のなかで宿泊して、山に登ること
  • アウトドア以外の趣味:野球(最近プレイはしないけれど、観ることも好き)

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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