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この世の果てを歩く~ニュージーランド・トンガリロ・アルパイン・クロッシング~

今から約10年前、湊かなえ著『山女日記』を読んで「トンガリロ」という名を知りました。本に登場するほかの山は登ったことがあるのに、ここだけはまだ行ったことがない。遠い異国の山。いつかきっと歩いてみたい――。

そう思い続けてきた夢が、ついに叶うときが来ました。

憧れの名「トンガリロ」との出会い

ニュージーランド北島の中央に位置するトンガリロ国立公園。現在も活動を続ける火山帯を歩くダイナミックなトレッキングルートをご紹介します。

聖なる山へ、一歩ふみ出す

▲神様の像。

旅の始まりは、マンガテポポ登山口。ここにはマオリの神様が祀られており、現地ガイドのキャティーが祈りの言葉を唱えてくれました。帽子を取り、頭を垂れて耳を澄ます私。言葉の響きは鈴の音のように美しく、これから神聖な地へ足をふみ入れるのだと、身が引き締まる思いがしました。

20km・9時間。火山帯を歩く一日

歩行距離は約20km、累積標高差は1,000m近く。日帰りで9時間歩く、なかなかハードなコースです。それでも、朝の光に照らされた山々は輝き、可憐な花が咲き、透明なせせらぎが流れる。否が応でも気分は高まります。低木の生える平原を、川沿いに歩いて行きました。

▲アルパイン・デイジー。
▲最初は平原を歩きます。

▲マンガテポポ・ストリームという小川。

サウス・クレーター、静かな異世界

ソーダ・スプリングスから火口の縁を登り、峠を越えると、広大なサウス・クレーターに出ます。粘土質で平らな火口底は、少し滑りやすいのが難点。「この粘土で『トンガリロ焼き』ができないかな」などと妄想しつつ、歩みを進めました。

レッド・クレーターへ、標高1,868mの稜線

サウス・クレーターの突き当りの崖を登り、稜線をたどると、東側斜面に真っ赤な口を開けたレッド・クレーターが現れます。ここが本コースの最高地点、標高1,868mです。

滅びの山、ナウルホエをふり返る

ふり返ると、ナウルホエ山は富士山のような美しい円錐形。赤く染まった部分は鉄分によるものです。『ロード・オブ・ザ・リング』では、「滅びの山」として描かれました。

この世の果てのような風景に立つ

▲エメラルド・レイクス。
▲セントラル・クレーター。
▲ブルー・レイク。

進行方向に目を向けると、セントラル・クレーターの奥にブルー・レイク、右手にはエメラルド・レイクス。草木一本生えない荒涼とした景色は、まるでこの世の果てのよう。長年憧れてきた光景と、ついに対面することができました。

絶景とともに、記念撮影タイム

ここは絶好のフォトスポット。同行の方々にも「カメラをやる人」と認識していただき、しばし「スマホ押し人」として記念撮影のお手伝い。趣味がだれかの役に立つのは、うれしいものですね。

火口湖のほとりでランチ休憩

▲水に触ってはいけません。
▲カモメが山にいます。

火山帯特有のザラザラした急斜面を下り、エメラルド・レイクスの畔でランチ休憩。宿が用意してくれたサンドイッチを頬張ります。賢いカモメがハイカーの昼食を狙っており、ポシェットを取られる場面も目撃。幸いすぐに放してくれましたが、油断禁物です。

食後はすぐに次のセントラル・クレーターへ。一日の行程が長いため、一か所でゆっくりしている時間はありません。

マオリの聖地、ブルー・レイクへ

▲セントラル・クレーター。

再びクレーターの底を歩き、縁を登るとブルー・レイクに到着。ここもマオリの聖地です。さざ波の立つ大きな火口湖は、静謐そのもの。

地球の鼓動を感じる下山路

▲ロトアイラ湖を見ながら下山。
▲2012年の噴気孔。

そこからノース・クレーター東側斜面をトラバースし、下山路へと進みます。途中、2012年に噴火した噴気孔の近くを通過しました。当時の溶岩流で森がなぎ倒され、いまだ植物が復活していない場所もあるそうです。別の斜面からも白い噴煙が立ち上がり、大地の鼓動を感じます。地球が生きていることを肌で実感する山でした。

▲あちこちから噴煙が上がる。
▲荒々しい景色の中に可憐な花。

1,000mを一気に下る、最後の試練

さて、ここからが最後のひと仕事。下山地点ケテタヒの標高は755m。1,000m近くを一気に下るため、ヒザに、つま先に、じわじわと疲労が溜まります。次第にみな無口になり、行軍のようにひたすら歩き続けました。

シダの森を抜けて、ゴールヘ

やがてシダの生い茂る森の中へ。「ゴールはまだか~、泣く子はいねが~」となまはげのような心の叫びとともに、ようやく出口に到着。こうして20kmにおよぶ縦走を終えたのでした。

▲ケテタヒにも神様の像がありました。
▲ここがゴール。

火山がつくる風景に、心を奪われて

火山が生み出す壮大な景色に出会う旅。長年の夢が叶い、心から「歩いて良かった」と思える一日でした。

▲下山後のスイーツが沁みました。

【旅の情報】
・日本発のトレッキングツアーに参加し、添乗員及び現地ガイド同行で歩きました。
・個人旅行の場合、登山口と下山口が異なるため、事前にシャトルバスの予約が必要です。

 

写真&テキスト◎Yukari Teragaki(宇宙HIKE)
https://www.instagram.com/yukari.tera17?igsh=Z3lncHl3bzBqZ2xs&utm_source=qr

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PROFILE

宇宙HIKE

宇宙HIKE

Photographer 松本茜主催、山と写真のコミュニティー。 宇宙を旅するように山へ登り、旅や写真を使って「自分」にフォーカスする。 ユーモア溢れるメンバーが集まり、日々楽しみながらいろんなフィールドで活動を続けている。

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