
昨年のツアー・オブ・ジャパン覇者カルボーニ、ドーピング違反の疑いで暫定資格停止処分

Bicycle Club編集部
- 2025年09月13日
国際自転車競技連合(UCI)は2025年9月11日、イタリア人ロードレース選手のジョヴァンニ・カルボーニに対し、ドーピング違反の疑いで暫定的な資格停止処分を科したことを発表した。理由は、2024年シーズンにおける同選手のアスリート・バイオロジカル・パスポート(ABP)に「説明のつかない異常」が検出されたため。カルボーニは2024年、日本のJCLチームUKYOに所属し、国内最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」で総合優勝を飾っており、日本のロードレース界に大きな衝撃が走っている。
UCIが発表、2024年のABPに異常
UCIの発表によると、今回の処分は、一定期間にわたる選手の血液や尿のデータを記録・分析する「アスリート・バイオロジカル・パスポート」のプログラムに基づくもの。カルボーニの2024年のデータに異常値が見つかり、独立した専門家パネルの意見に基づき、暫定的な資格停止処分が下された。UCIは「調査が進行中である間、これ以上のコメントは行わない」としている。
異常が検出された2024年、カルボーニは日本のUCIコンチネンタルチームであるJCLチームUKYOに所属。5月のツアー・オブ・ジャパンでステージ2勝を挙げて個人総合優勝を飾ったほか、ツアー・オブ・ブルガリアでもステージ1勝と総合2位に入るなど、キャリア最高のシーズンを送っていた。その活躍が認められ、今シーズンはフランスのUCIプロチーム「ユニベット・ティテマ・ロケッツ」へ移籍していた。
現所属・前所属チームともに「ショック」、即時活動停止へ
この発表を受け、カルボーニが現在所属するユニベット・ティテマ・ロケッツは、「UCIから、我々のチームに加入する前の期間に、カルボーニが反ドーピング規則違反を犯した可能性があるとの通知を受けた。我々は彼を即時活動停止とすることを決定した」との声明を発表。「このニュースにショックを受けている。我々の価値観や原則に反するものだ」と述べ、クリーンなスポーツへの取り組みを強調し、当局の調査に全面的に協力する姿勢を示した。
また、昨年所属していたチームUKYOも声明を発表。「2024年末でチームを離れたジョヴァンニ・カルボーニが、ドーピング違反の可能性でUCIから資格停止処分を受けたことを知り、ショックを受けている」とコメント。「チームUKYOは常にクリーンなスポーツを支持してきた。透明性と誠実さはプロジェクトを代表する価値観だ」とし、UCIの調査に協力することを表明。さらに、「もし選手が有罪と判断された場合、チームUKYOは適切な場でそのイメージを保護する」と、毅然とした態度を示した。
日本のレースシーンを席巻したプロ選手のドーピング違反疑惑は、国内外のロードレースファンに大きな衝撃を与えている。現時点ではあくまで「暫定的な」資格停止処分であり、今後の調査の進展が注目される。
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 写真:三井至
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