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ヴィンゲゴーが総合優勝するも、ブエルタ•ア•エスパーニャ最終ステージが中止

3週間にわたりスペインで開催されていたブエルタ・ア・エスパーニャは、9月14日に最終第21ステージを迎えた。ジョナス・ヴィンゲゴーの総合優勝で幕を閉じるはずだった今年のブエルタだが、パレスチナ支持派の抗議行動によりコースが破壊され、レースは途中で中断。そのまま選手たちは今年のブエルタを終えることになった。最後までパレスチナ支持派の抗議行動に揺れた今年のブエルタの様子を、スペイン在住の對馬由佳理がレポートする。

最終ステージが中止に。表彰式もなし

最終ステージはアラルパルドからスタートした。赤いリーダージャージはジョナス・ヴィンゲゴーア(ヴィスマ・リース・ア・バイク)ジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ-XRG)が山岳賞を獲得、水玉模様のジャージを2年連続で獲得した © Unipublic / Cxcling Creative Agency

第21ステージは例年通り、マドリードのグランビアやパセオ・デ・プラドを周回するコースとなる予定だった。ステージ序盤は穏やかに進んでいたが、マドリード市内に入り周回コースに差しかかろうとしたところで、プロトンが走行を中止した。

その頃、周回コースにはパレスチナ支持派がバリケードを破って侵入。同時多発的に発生したため、大量の警察官が投入される事態となった。コース上には数千人規模のパレスチナ支持派が集結し道路を封鎖。警察は催涙弾やゴム弾を使用して事態の収拾を図った。

抗議行動で倒されたバリケード

こうした状況を受け、オーガナイザーはレース中止を決断。優勝者はジョナス・ヴィンゲゴーとなり、総合タイムは第20ステージまでの合計が正式記録とされた。

なお、レースを中止に追い込んだパレスチナ支持派は「正義の勝利」と自画自賛し、その後も6時間ほど道路を封鎖したまま勝利を祝っていた。

ヴィンゲゴーが総合優勝、UAEエミレーツは7勝

2025年のブエルタを総合優勝したヴィンゲゴー。写真は第19ステージのもの。

今年のブエルタは予想通り、ジョナス・ヴィンゲゴー(ビズマ・バイクリース)が総合優勝を果たした。リーダージャージを着用しなかったのはわずか6ステージのみで、圧倒的に安定した勝利であった。登坂主体の今年のコースに、彼とチーム全体がうまく対応した結果だった。

最大のライバルと見られていたジョアン・アルメイダ(UAEエミレーツ)は総合2位。しかし、彼のチームは7ステージで区間優勝し、チーム力の高さを示したものの、総合優勝には届かなかった。

度重なる抗議行動と選手への被害

ビルバオでのステージ終了後に、警察官と話すイスラエル•プレミエテックの選手たち。この時点ですでに同チームの選手たちは、ペットボトルなどをデモ隊から投げつけられるなどの被害を受けていた

イスラエル・プレミエテックの選手は、ビルバオでのステージ終了後に警察と話し合う姿が目撃された。この時点ですでに、デモ隊からペットボトルを投げつけられるなどの被害を受けていた。
2025年のブエルタは、中東情勢を背景としたパレスチナ支持派の妨害行為が多発し、多くの人々の記憶に残る大会となってしまった。

選手たちがスペインに入国した8月27日、フィゲラスでのチームタイムトライアルはデモにより一時中断。その後、ピレネー山麓からバスク地方に入ると抗議参加者が急増し、第11ステージのビルバオではコース侵入が発生。結果として距離短縮を余儀なくされた。

抗議者の主張は「イスラエルを攻撃している企業がスポンサーであるイスラエル・プレミエテックを除外せよ」というもので、除外されないならブエルタ自体を中止せよ、というものだった。オーガナイザーはレース継続を明言したが、以降は妨害が激化。道路封鎖、物の投げつけ、選手への接触などが頻発した。

抗議活動の影響で落車し、ブエルタを途中棄権したロモ選手(写真中央)とアウラール選手(写真右)。なお、写真左のパブロ•カストリーリョ選手も、落車でブエルタを途中で止めることに。
抗議活動の影響で落車し、ブエルタを途中棄権したロモ(写真中央)とアウラール(写真右)。なお、写真左のパブロ•カストリーリョも、落車でブエルタを途中で止めることに。

第15ステージでは、デモ参加者が接触した影響でモビスターのハビ・ロモが落車し、怪我で棄権。イスラエル・プレミエテックの監督オスカル・ゲレーロ氏も、第17ステージを最後に家族の安全を理由に離脱した。彼の自宅が落書き被害を受け、本人も脅迫を受けていたためだ。

警察投入は増強されたが、複数のステージでコース変更を余儀なくされ、マドリードまで続行された。一方で、第18ステージのバリャドリードでは、観客が「スポーツに政治を持ち込むな」と抗議者に反対し、イスラエル・プレミエテックの選手に拍手を送る場面も見られた。

2026年のブエルタはモナコから

前代未聞の結末を迎えた2025年のブエルタだが、2026年大会はモナコからスタートすることが発表されている。初日はF1モナコGPのコースを利用した個人タイムトライアルとなる予定だ。また、最終週はカナリア諸島での開催が有力視されており、第18・19ステージはテネリフェ島、第20・21ステージはグランカナリア島で行われる見込みである。何よりも来年は、妨害なく安全に開催されることが最も望まれている。

リザルト

 個人総合成績(トップ10)

  • 1位 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム・ヴィスマ=リースアバイク/デンマーク) 74時間20分28秒
  • 2位 ジョアン・アルメイダ(UAEチーム・エミレーツ/ポルトガル) +1分16秒
  • 3位 トーマス・ピドコック(Q36.5 プロサイクリングチーム/イギリス) +3分11秒
  • 4位 ジャイ・ヒンドレー(レッドブル=ボーラ・ハンスグローエ/オーストラリア) +3分41秒
  • 5位 マシュー・リッチテッロ(イスラエル・プレミエテック/アメリカ) +5分55秒
  • 6位 ジュリオ・ペリッツァーリ(レッドブル=ボーラ・ハンスグローエ/イタリア) +7分23秒
  • 7位 セップ・クス(チーム・ヴィスマ=リースアバイク/アメリカ) +7分45秒
  • 8位 フェリックス・ガル(デカトロンAG2Rラモンディアル/オーストリア) +7分50秒
  • 9位 トルステイン・トレーエン(バーレーン・ヴィクトリアス/ノルウェー) +9分48秒
  • 10位 マッテオ・ヨルゲンソン(チーム・ヴィスマ=リースアバイク/アメリカ) +12分16秒

 各賞受賞者

  • スプリント賞(ポイント賞): マッズ・ペデルセン(リドル=トレック/デンマーク)
  • 山岳賞: ジェイ・ヴァイン(UAEチーム・エミレーツ/オーストラリア)
  • 新人賞: マシュー・リッチテッロ(イスラエル・プレミエテック/アメリカ)
  • チーム優勝: UAEチーム・エミレーツ

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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