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フェスの本質は、“集客”ではなく“関係づくり”|アウトドアタウンときがわで里山遊び#32

「アウトドアといえば、ときがわを思い浮かべるような”アウトドアタウン”にしたい!」。そんな思いを抱き、地元の人を巻き込みながら日々さまざまな活動を行なう、野あそび夫婦のアオさんこと青木達也さんが、ときがわの自然の楽しみ方や、そこで暮らす魅力的な人たちなどを紹介します。

フェスの本質は、“集客”ではなく“関係づくり”

今年で3回目となる「ときがわOutdoor Fes」は、想像以上の盛り上がりだった。2日間で約3,000人。昨年のほぼ倍の来場者が、ときがわ町の小さな広場に集まった。もちろん数字の伸びは嬉しい。けれどそれ以上に印象に残ったのは、「人と人との関係の深まり」だった。

今年のフェスは、準備の段階からすでに“始まっていた”。出店者さんたちは会場の草刈りや装飾のフラッグづくりを手伝ってくれて、当日はボランティアスタッフが受付や誘導に奔走までしてくれた。それぞれが「お客さん」ではなく「このフェスの一員」として動いていた。

だれかの指示ではなく、みんなの意思で会場ができていく。この空気こそが、フェスを支える本当の力なのかもしれない。

▲受付を手伝ってくれている武蔵越生高校のアウトドア部の部員やボランティアの方々。

イベントのテーマは「ときがわとつながる」。それは主催者のメッセージというより、出店者と来場者、両方の思いで形づくられる関係性だ。アンケートでは、会場全体に流れる和やかな雰囲気を褒めてもらうことが多い。

商品を売る人と、買う人。体験を提供する人と、楽しむ人。それぞれの立場を超えて、「この町の時間を共有している」感覚がきっとそんな感想につながるのだろう。

アウトドアというと、特別な趣味の世界に感じる人もいるかもしれない。でもこのフェスに来れば、もっと身近なものとして感じられるはずだ。木陰でコーヒーを飲む、川辺でハンモックに揺られる。そんな何気ない時間のなかに、自然とのつながりを見つけられる。

アウトドアは“だれかごと”ではなく、“自分ごと”なんだと気づく瞬間がある。

今年は林業や環境をテーマにしたトークセッションも行われた。ときがわ町のように自然が残る場所だからこそ、環境の変化をダイレクトに感じることがある。

自然を守ることも、人の営みも、どちらもこの町の日常の延長にある。その両方をつなぐのが、アウトドアというフィールドなのだと思う。もちろん、悔しいこともある。理解されないこと、うまく伝わらないこともある。それでも少しずつ、この町には“自分ごと”として関わってくれる人が増えている。

人口1万人の小さな町。減少傾向にある一方で、移住や関係人口は確実に増えている。その背景にあるのは、こうした“関係づくり”の積み重ねだと思う。

フェスを開く目的は、人を集めることではない。人と人、町と町、心と自然――それらをつなぐ“きっかけ”をつくること。それこそが、このフェスの本質であり、地域を灯し続ける原動力になっていく。

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PROFILE

青木達也(アオ)

ランドネ / NONIWA

青木達也(アオ)

レンタル・レクチャー付きでキャンプ体験ができる施設「キャンプ民泊NONIWA」と、暮らしとアウトドアをテーマにしたお店「GRID」を埼玉県ときがわ町で運営。「野あそび夫婦」という夫婦ユニットでキャンプインストラクターとしても活動。監修「ソロキャンプ大事典」。 https://noniwa.jp/

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