
レストモッド「DE ROSA デ・ローザ」で走った南房総「FERRO Mari e Monti 2025」
ニシヤマ
- 2025年11月15日
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11月1・2日、千葉・南房総の海と山を舞台にした、自転車と文化のフェスティバル「FERRO Mari e Monti」が開催された。3年ぶりに開催されたイベントを、編集部ニシヤマが、機材ドーピングしたネオレトロイタリアンロードで走った!
鉄・海・山のライドイベント

FERRO Mari e Monti(フェッロ・マリ・エ・モンティ)。Mariはイタリア語で海、Montiは山。FERROは、鉄だ。つまりスチール自転車で、南房総の美しい海岸線や山間の道を駆け抜けるサイクリングイベント。
首都圏から近い千葉でやるエロイカ的なヴィンテージバイクイベントで、朗らかなコースと雰囲気でけっこう人気がある。主宰の自転車ライド大好きイタリア人マルコ・ファヴァロさんが、本家エロイカ・ジャパンなどでいろいろ忙しかったこともあり2022年に開催されて以来、しばらくお休みだったフェッロ。

今回は、満を持しての3年ぶりの開催。これは行くしかない!と楽しみにしていたイベントだ。ひさしぶりのマルコさんのイベントだから、イタリアンロードで走りたいと自転車部屋から引っ張り出してきたのが「デ・ローザ」。私が持っている唯一のイタ車だ。
89年デ・ローザをレストモッド仕様に

「レストモッド」とは、「レストア」(修復)と「モディファイ」(改造)を組み合わせた造語で、旧車を修理し、現代の技術で性能や快適性を向上させるカスタマイズ手法。ホコリをかぶっていたデ・ローザは、チューブラタイヤも死んでいた。そこで、リムブレーキ時代のアルミ最高峰ホイール、カンパニョーロ・シャマルウルトラを履かせた爆速仕様に改造。

80年代後半モデルのコンポーネントは、カンパニョーロ・Cレコードだ。スゴイのは、Cレコ時代の「初代コーラス」リアメカ。最大ローギヤ32Tを余裕でシフトできる。つまりフロントインナー39Tでも爆ラクで坂道を上れるってこと。上りが苦手だったマリオ・チッポリーニも使っていたとか。
ちなみに、カンパニョーロ純正の32Tギヤは、2016年のポテンツァでようやく登場したもの。11速11-32Tの11、12Tを取って13-32Tの9速で運用している。

以前「横尾双輪館に西山(Nishiyama)刻印のCレコードクランクがある!」とカンパニョーロコレクターの知人から連絡があり買ってきてもらったクランクを装着。Cレコードクランクは、7㎜アーレンキ―で着脱できる。

でもよく見ると「Nishiyama」ではなく「N.Ishiyama」だった。。石山さん仕様に

これをコマンドシフターの現代版ともいえる、ダイアコンペのウィングシフターで操作する。手元シフターでチェンジもスムーズ。乗り手に合わせたラクラク仕様にカスタマイズでき、かつヴィンテージのカッコよさも追及できるレストモッド。フェッロを走る人などにおススメしたい!
マルコ&フェッロが戻ってきた富津市金谷

ここのところ週末になると暗雲が立ちこめ雨がちの秋だったが、この日は1週間前の予報にはあった雨雲を見事吹き飛ばしての好天開催! そして、楽しみにしていたライダーたちもフェッロの会場、鋸山美術館に戻ってきた。その数150人ほど。


素敵なスチール&ヴィンテージロードがたくさん。自分の自転車が最高!と思って会場に来るんだけど、愛情込めて仕上られたマシンたちを目にして、いつも急にマイバイクがかすむんだよね。

こういう素敵にファンシーな戦前スタイルの人が多いのもフェッロならでは。同調してくれるパートナーも必要なので、なかなかこれはマネできない! うらやましい。

80年代後半のデ・ローザといえば、サモンタナチームカラー。日本が豊かだったバブル時代だったので多く国内に入って来たのだと思う。会場では3台揃った! ちなみにサモンタナは、今もあるイタリアのアイスクリームメーカーだ。


Cレコード時代のカンパニョーロ、シマノに押されて苦しい時代で、謎メカがいくつか誕生している。初代コーラスと不人気兄弟のクローチェダウネ(長男)を会場で発見。憧れのマイナーメカ、動いているのを見たのは初めてかも。うらやましい。
フェッロライドスタート!

早朝から会場にいるものの、機材ウォッチングしているうちにあっという間に時間は過ぎ、9時30分。参加するミドルコース65㎞のスタートだ。千葉県南房総ライドを楽しむぞ!

5㎞ほど走って朝食。今回初めてエイドに加わった「道の駅 保田小学校」。小学校跡地で食べる学校給食エイドグルメ。きなこパンとフルヤ牛乳。ミルメークは、私が小学校の時には、まだなかったけどね。きなこパンってこんなにボリューミーだったっけ?


パターソンの絵のようでもある、小川や棚田のある田園風景を走る。千葉でもちょっと内陸に入るとこんな感じ。日本の原風景は意外と首都圏から近くでも味わえる。

ランチは、千葉県産新米のおにぎりに、地元スーパーで有名なソーセージ。きなこパンから20㎞くらいなので、おにぎり2つは食べられないという人も。ミドルエイジのおススメ補給法としては、きなこパン半分はエイドでもらえるビニール袋に入れて、バックポケットに入れておく。そして後半の補給で食べる。
もみじロードを抜けて、ライド後半

まだちょっと早かったけれど、色づく県道182号通称「もみじロード」は、県内屈指の紅葉の名所。下り基調で、シャマルウルトラホイールはよく回って快調。お昼から次のエイドまでが遠いので、道路沿いにいくつかある休憩エリアで、補給&休息を取るのもいいかもしれない。

ちょうどその頃、100㎞のロングコースのグループは、房総半島を縦断して鴨川の海岸へ。よりMari(海)を体感したいなら、ロングコースがいいかも。来年はこっちに参加しよう。

富津市亀田にある癒しの森のカフェ「Cafe GROVE」が最後のエイドステーション。マテバシイの木々に囲まれた隠れ家のような、オシャレで居心地のいい空間。激ウマのマフィンと好みのドリンクで長居してしまう。でももうゴールまで10㎞もないので大丈夫。

カフェのすぐ裏の海岸が絶景ポイント。フェッロのポスターや告知動画などもここで撮影されている。
夕日が美しいゴール!

この日夕方は風が強くなってきて、最後は向かい風に苦しんだが、皆無事にゴール。美しい夕日が出迎えてくれた。金谷は、美しい夕日のスポットでもある。

マルコさんにゴールのスタンプを押してもらって完走。完走証を港のお魚市場「ザ・フィッシュ」に持っていくと、地産素材の見波亭バームクーヘンがもらえるプレゼント付き! ついでに好物のサンマ丸干しをお土産にゲット。
今年は、バイシクルクラブのイベント「フィールアース」でもトークにライドにお世話になったマルコさんのイベントに参加できてよかった!
このエリアは、温暖なので冬でも比較的快適に走れる。これからの季節も、ゆったりもしくはたっぷり走りたいサイクリストにおススメだ。近いのに遠くに来たと感じられ、かつちょっと遠い記憶も思い起こされる金谷。ヴィンテージ自転車でまた来よう。
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