BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo
  • タビノリ

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

織田聖が独走で4連覇達成 女子エリートは石田唯が初タイトルを獲得|全日本シクロクロス Day2

大阪府貝塚市の二色浜公園で開催された第31回全日本シクロクロス選手権。12月14日のDay2は、男女エリート、U23、ジュニア、U17/15カテゴリーの決戦が行われた。朝まで残っていた雨は上がったものの、海から吹き付ける最大8mの強風と、乾いて重さを増した深い砂が選手たちを苦しめるタフコンディションの中、織田聖が男子エリート4連覇を達成。女子エリートでは石田唯が念願の初優勝を果たし、ロード・MTBに続くタイトルを獲得した。

強風と白砂の二色浜決戦

大会2日目を迎えた二色浜は、冷たい強風が吹き荒れる一日となった。気温は最高で12度前後ながら体感温度は低く、時折突風が砂煙を巻き上げる。松林のテクニカルセクションと、踏みごたえのある深い砂浜区間。パワーとバイクコントロール、そして風を味方につける戦術眼が問われる舞台が整った。

男子エリート:織田聖が他を寄せ付けない独走劇

午後2時20分、67名の男子エリート選手がスタートを切った。8周回で争われるレースは、スタート直後に沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン)、横山航太(ペダル)、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、松本一成(W.V.OTA)、副島達海(TRK Works)、加藤健悟(臼杵レーシング)らが6名の先頭パックを形成する混戦模様で幕を開けた。

レースが動いたのは2周目。もっとも過酷な砂浜区間で、織田が鋭いアタックを仕掛けた。「風が強く、砂区間でミスをすると一気に差を詰められてしまうコース。できるだけ先頭で走りたかった」という織田が、その言葉通りに集団を一気に突き放しにかかる。
これに反応できた選手はいなかった。副島が単独で2番手に上がり、その後ろに沢田、横山、松本らが続く展開となるが、織田の背中は遠ざかる一方だった。

中盤以降、織田はミスなくラップを重ね、独走態勢を盤石なものにする。焦点は副島と沢田による2位争いに絞られた。序盤から2番手を守り続けていた副島だったが、6周目に沢田が追いつき、ベテランと若手によるマッチレースへ突入する。

最終周回、織田は観客の声援にガッツポーズで応えながらフィニッシュラインを通過。自身4度目となるエリートでの全日本タイトルを獲得した。

「スタートで出遅れてスロースタートにはなったが、2周目に先頭に出てからは自分のペースで走れた。全日本は特殊なレースだが、どんな展開になっても勝てるように準備していた」と王者の貫禄を見せた織田。「今年はここから近いロードレースで所属するマトリックスパワータグの本拠地から安原監督も応援に来てくださった。渡辺航先生、佐藤GM、そしてファンの応援のおかげで今年もジャージを獲ることができた」と感謝を述べた。織田は今後、ベルギーへ渡りワールドカップを転戦する予定だ。

最後までもつれた2位争いは、ゴールスプリントで副島が沢田を下して先着した。副島は「本気で勝つと思って走ったし全力は出し切れた。それでも1位の壁は厚い。今日は立てないぐらい悔しい」と涙をのんだ。

3位に入った沢田は、「2周目から織田選手に離されてしまい、力の差を感じたレースだった。織田選手はアタックというより、自分のペースで走っているだけで離れていった。シクロクロスでのパワーのかけ方が自分はまだ足りない」と完敗を認めた。それでも、「このタイトルを狙うなら、来年はやり方を変えなければならない。1年かけてしっかり考え、また挑戦したい。冬もしっかりシクロクロスを走ります」と、雪辱を誓った。

女子エリート:石田唯がロード・MTBに続きシクロクロスも制覇

女子エリート(6周回)は、1周目から渡部春雅(Olanda Base/Watersley)、石田唯(TRKWorks)、小林あか里(Liv Racing Japan)、石川七海(八千代松陰高等学校)、日吉彩華(Asia Union TCS Racing Team)らが先頭グループを形成するハイペースな展開となった。

中盤、日吉のペースアップにより石川が脱落し、先頭は4名に。ここで動いたのが石田だった。「風が強いのでできるだけ早く一人で抜け出したかった」と、得意の砂区間でアタック。一気に独走態勢に入り、追走グループは小林と渡部の2名となった。

5周目に入ると渡部が遅れ、単独2番手に小林、3番手に渡部という順列が確定。石田は最後まで力強いペダリングを崩さず、そのままフィニッシュ。ロードレースの個人タイムトライアル、MTB XCO U23の全日本タイトル経験を持つ石田が、ついにシクロクロスのタイトルも手中に収めた。

石田は「やっと表彰台の真ん中に立てた。一番の目標は3種目すべてで全日本タイトルを獲ることだったので達成できて嬉しい。来年はMTBのアジア選手権が(所属する豊田合成の地元である)愛知であるので、そこでも活躍したい」と喜びを語った。
2位には直前の肺炎による入院から復帰したばかりの小林が、3位には今シーズンか海外遠征も行った渡部が入った。

男子U23:野嵜然新が砂区間で勝負あり、4年ぶりの戴冠

28名が出走した男子U23は、スタート直後から野嵜然新(drawer THE RACING/桐光学園高等学校)とディフェンディングチャンピオンの柚木伸元(日本大学)の2名が飛び出す展開となった。「細かいプランは立てず、最初からガンガン攻めていこうと思っていた」という野嵜に対し、9月に手術を受け復帰からわずか2週間の柚木。

勝負の分かれ目は早々に訪れた。1周目の砂浜区間で、野嵜が圧倒的なパワーを見せて柚木を引き離す。野嵜はそのまま独走態勢に入り、2周目以降もその差を広げていった。
一方、2番手となった柚木の後方では、永野昇海(イナーメ信濃山形)、大室佑(中央大学)、田島綾人(W.V.OTA)、佐々木啄人(W.V.OTA)らが3位パックを形成して追走。

中盤、佐々木がペースを上げて柚木を捉え、一時2番手に浮上する場面も見られたが、柚木も粘る。5周目には3番手争いが再び4名のパック(永野、佐々木、大室、田島)に戻る混戦となったが、そこから大室が抜け出し、単独3位を確保した。

トップを行く野嵜は最後まで力強い走りを維持。「東洋フレームさんの地元大阪での開催ですごく気合が入っていた」という野嵜が、2021年のU17以来4年ぶりとなる全日本タイトルを獲得した。2位には「負けは負けで悔しい」と語りながらも底力を見せた柚木が、3位には大室が入った。

男子ジュニア:三上将醐と松村拓弥のマッチレース

男子ジュニアは、昨年のU17王者・三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19)と松村拓弥(群馬工業高等専門学校)の一騎打ちとなった。
1周目は蜂須賀巧真(BUCYO COFFEE/Urban Deer Cycling Team)を加えた3名が先頭パックを形成したが、2周目には三上と松村の2名に絞られる。

互いに譲らない展開が続いたが、3周目の砂浜区間で「自分は砂が得意。そこで仕掛けることを考えていた」という三上がアタック。松村とのタイム差を一気に広げ、独走態勢を築いた。
三上はそのままリードを守り切り優勝。U17に続きジュニアでも全日本タイトルを獲得し、カテゴリーを跨いでの連覇を果たした。2位には松村、3位には蜂須賀をパスして順位を上げた山田駿太郎(弱虫ペダルサイクリングチーム)が入った。

女子ジュニア:小林碧が圧巻の独走勝利

女子ジュニアは、1周目から綱嶋凛々音(京都府立北桑田高等学校)と小林碧(AX cyclocross team)が抜け出したが、砂浜区間で小林が加速。そのまま独走態勢に入った。
「砂が得意なので最初から攻めて、最後まで走り切ろうと心がけていた」という小林は、後続との差を大きく広げてフィニッシュ。全日本初優勝を飾った。2位には綱嶋、3位には塩貝穂佳(京都府立北桑田高等学校)が入った。

男子U17:伊藤隆聖がパワーで砂を制圧

男子U17は、伊藤隆聖(Sonic-Racing)がスタートから積極的な走りを見せた。「直線のパワーで押し切る作戦だった」という伊藤は、1周目から先頭に立つと、砂浜区間もパワーで踏み切る走りでライバルを圧倒。
「今年は絶対にジャージを獲る意識でやってきた」という伊藤が、2位の郷津輝(Dream Seeker Jr. Racing Team)に36秒差をつけて快勝した。伊藤は来年から高校生となり、ロードレースやトラック競技に注力する予定だという。

男子U15:大石理人が驚異の追い上げ

男子U15では優勝候補の一角、大石理人(LOKO RACING)がスタートで失敗し、最後尾付近まで順位を落としてしまう。「正直かなり焦った」という大石だが、得意とする砂浜区間で前走者を次々とパス。
1周目のうちに先頭まで挽回すると、そのまま逃げ切り優勝を果たした。「次はスタートから先頭に立てるようなレースをしたい」と、反省と共に喜びを語った。

女子U17・U15:数元陽華が総合トップタイム

女子U17とU15は同時出走で行われた。女子U17は、昨年悔しい思いをしたという野口依央が「関西での大会で一番高いところに立ちたい」という思いを胸に優勝。
そして全体のトップでゴールラインを割ったのは、女子U15カテゴリーの数元陽華だった。「女子のアンダーカテゴリーの中で一番速くゴールするという目標を立てていた」という数元は、上級生であるU17の選手たちをも上回るスピードを見せ、見事な総合トップフィニッシュでU15タイトルを獲得した。

会場を盛り上げた豪華ゲスト:SKE48荒野姫楓さんと渡辺航先生が登場

この日の二色浜にはレース以外にも華やかなトピックがあった。昼の試走時間にはスペシャルゲストによるトークショーが開催され、『弱虫ペダル』原作者の渡辺航先生と、「ひめたん」の愛称で親しまれるSKE48 Team KIIの荒野姫楓さんがステージに登場した。

渡辺先生は恒例のお馴染みサイン会を行い、多くのファンが長蛇の列を作ったほか、荒野さんと共に表彰式のプレゼンターとしても登壇し、入賞選手たちを祝福した。さらに荒野さんはDJがらぱ氏とともにレースの実況にも挑戦。アイドルとしての発信力を活かした実況で、強風の吹き荒れる会場をさらに盛り上げた。

リザルト

男子エリート

1位 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) 59分46秒
2位 副島 達海(TRK Works) +1分9秒
3位 沢田 時(Astemo宇都宮ブリッツェン) +1分10秒
4位 加藤 健悟(臼杵レーシング) +2分59秒
5位 横山 航太(ペダル) +3分26秒
6位 小坂 光(Utsunomiya Lux) +3分37秒
7位 松本 一成(W.V.OTA) +3分58秒
8位 堀川 滉太(NEBcycling) +4分19秒
9位 竹之内 悠(/slash – PINARELLO) +4分37秒
10位 丸山 厚(BOMA/ROND CX TEAM) +5分19秒

女子エリート

1位 石田 唯(TRKWorks) 52分38秒
2位 小林 あか里(Liv Racing Japan) +37秒
3位 渡部 春雅(Olanda Base/Watersley) +51秒
4位 日吉 彩華(Asia Union TCS Racing Team) +1分15秒
5位 石川 七海(八千代松陰高等学校) +1分58秒
6位 山下 歩希(弱虫ペダルサイクリングチーム) +3分56秒
7位 鵜飼 知春(and more) +4分45秒
8位 安藤 沙弥(SHIDO-WORKS) +5分15秒
9位 阿部 花梨(変態志駆路倶楽部) +5分28秒
10位 網野 聡美(ウィンディー筑波シクロクロスチーム) +5分46秒

男子U23

1位 野嵜 然新(drawer THE RACING/桐光学園高等学校) 48分34秒
2位 柚木 伸元(日本大学) +1分6秒
3位 大室 佑(中央大学) +2分30秒
4位 田島 綾人(W.V.OTA) +2分51秒
5位 佐々木 啄人(W.V.OTA) +2分58秒
6位 永野 昇海(イナーメ信濃山形) +3分27秒
7位 綾野 尋(cycleclub3UP.) +4分3秒
8位 新藤 想真(W.V.OTA) +4分4秒
9位 平山 雷斗(日本大学) +4分14秒
10位 竹田 天飛(弱虫ペダルサイクリングチーム) +4分25秒

男子ジュニア

1位 三上 将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19) 39分54秒
2位 松村 拓弥(群馬工業高等専門学校) +1分41秒
3位 山田 駿太郎(弱虫ペダルサイクリングチーム) +2分32秒
4位 蜂須賀 巧真(BUCYO COFFEE/Urban Deer Cycling Team) +2分53秒
5位 松山 海司(神戸市立工業高等専門学校) *+3分29秒
6位 伊与久 真澄(チームボンシャンス) +5分17秒
7位 内田 灯矢(午後4時座銀の人達) +6分8秒
8位 田中 遼介(Sonic-Racing) +7分10秒
9位 福井 慎(滋賀県立瀬田工業高等学校) +7分38秒
10位 矢野 柊(八ヶ岳CYCLING CLUB) +7分42秒

女子ジュニア

1位 小林 碧(AX cyclocross team) 39分55秒
2位 綱嶋 凛々音(京都府立北桑田高等学校) +3分5秒
3位 塩貝 穂佳(京都府立北桑田高等学校) +9分41秒

男子U17

1位 伊藤 隆聖(Sonic-Racing) 26分5秒
2位 郷津 輝(Dream Seeker Jr. Racing Team) +36秒
3位 横田 壮一郎(Fine Nova LAB) +1分6秒

女子U17

1位 野口 依央 34分50秒
2位 皆木 海音(AVENTURA CYCLING) +1分17秒
3位 綱嶋 勇音(ボンシャンス) +1分47秒

男子U15

1位 大石 理人(LOKO RACING) 28分28秒
2位 奥谷 将全(AXIS) +49秒
3位 村上 鳳冴(村上兄弟) +1分19秒

女子U15

1位 数元 陽華 34分38秒
2位 奧山 真彩(横浜本牧レーシング) +2分10秒
3位 今泉 日葵(Q-SHU UNION) +3分23秒

SHARE

PROFILE

せいちゃん

せいちゃん

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

せいちゃんの記事一覧

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

せいちゃんの記事一覧

No more pages to load