ゴルフ旅を変えるEVミニバン ID Buzzを選ぶ理由｜BEST GOLF CARS & GOLF SUVS

EVEN 編集部

2025年12月30日

BEST GOLF CARS & GOLF SUVS

今乗るべきクルマをEVEN編集部とゴルフ大好きモータージャーナリストの塩見智氏が考える連載企画。ついに日本上陸を果たした“ワーゲンバス”EVミニバンの『ID.Buzz』をゴルファー目線でチェック。

塩見智
車雑誌「NAVI」編集長を担当後、フリーのモータージャーナリストに。YouTube「自動車Ch.ソルトンTV」にて新車インプレッションを中心に自動車情報を発信中。ゴルフ大好き日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ドライバーはもう5、6年同じPXGを使用中。

Volkswagen ID. Buzz Pro Long Wheelbase

SPECIFICATIONS

Volkswagen ID. Buzz Pro Long Wheelbase
全長×全幅×全高：4,965×1,985×1,925mm
車両重量：2,720kg
最高出力：210kW（286PS）
最大トルク：560N・m（57.1kgm）
一充電走行距離（WLTC）：554km
トランスミッション：AT（一段固定式）
駆動方式：後輪駆動
乗車定員：7名
車両本体価格（税込）：9,979,000円〜

この連載で紹介するクルマとしては、過去最大級のモデルですが、旅行を兼ねたリゾートゴルフなど、仲間と乗り合わせて出かける場面を想像すると、この『ID.Buzz』の真価が伝わるはずです。4名乗車でも人数分のキャディバッグと着替えをゆったり積み込める余裕。そして、ゴルフ場への往復が〝イベント〞になるような、そんな遊び心とエンターテインメント性を併せ持っているから。

メカニズムの細部を語るよりも、最大の特徴はこのデザインでしょう。『ID.Buzz』は、フォルクスワーゲンの伝説的な〝タイプ2〞をモチーフとした、いわばリバイバル版。サイズも性能もまったく異なりますが、見た瞬間に誰もを笑顔にさせる愛らしい造形と、ツートーンを基調としたボディカラーが放つ温かみは前作譲りであり、随所に散りばめられたオマージュも、ワーゲンバス好きにはたまりません。

機能面では、いわゆるフルサイズのミニバンに分類され、そしてもちろん、エンジンを搭載しない純電気自動車（BEV）。標準ボディの『Pro』は84kWh、ロングホイールベースの『Pro Long Wheelbase』では91kWhという、EVとして最大級のバッテリー容量を誇ります。1充電あたりの走行距離（WLTC）は520kmを超え、一泊二日のゴルフ旅程度なら充電を気にせずこなします。さらに、充電速度を示す出力値は現行EVの中でもトップクラスの最大150kW。急速充電30分でしっかり回復できるのも頼もしい。

走りに関して言えば、車重は2.5トンを超えるヘビー級。それでも静かでスムーズな加速、そして路面をしなやかに捉える剛性感の高さが印象的で、ステアリングを握った瞬間、フォルクスワーゲンらしい〝安心感〞があります。高速道路ではACCとレーンキープを統合した運転支援機能「Travel Assist」が、ドライバーの負担を軽減しながら長距離移動をサポートし、ストレスのないドライブが、コースへの往復を快適な時間へと変えてくれるでしょう。

また、停車中に長時間エアコンを使用しても、大容量バッテリーゆえに電力消費を気にする必要が無く、排出ガスもないため、早朝のゴルフやサーフィン、アウトドアでの車中泊にも理想的。3列目シートを取り外し、フラットにアレンジすれば、大人3人が横になって過ごせるほどの空間も生み出せる。移動のためのツールではなく、人生を豊かにしてくれる巨大なおもちゃを手にしたような高揚感をゴルファーにもたらす存在だと思います。