
日本初の本格グラベルレースクラシックやくらいは沢田時が勝利

Bicycle Club編集部
- 2025年08月30日
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2025年8月30日~31日の2日間、宮城県加美町を舞台に開催される注目のグラベルイベント「グラベルクラシックやくらい」が「GRAVEL CLASSIC YAKURAI 2025 supported by Panaracer」として開催。その初日となる8月30日には2026年にはUCIグラベルワールドシリーズの前哨戦となる日本初の本格グラベルレースとして開催され、男子エリートクラスでは、宇都宮ブリッツェン所属の沢田時がグラベル初参戦ながら圧倒的な力を見せつけ、堂々の優勝を果たした。
白熱のエリートレースは沢田時が初出場で圧巻の優勝!

レースはパレード走行で穏やかにスタート。アクチュアルスタートが切られると同時にレースが動き、沢田は織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、阿部嵩之(ヴェロリアン松山)とともに先頭集団を形成。この3名が主導権を握り、序盤からハイペースの展開を繰り広げた。

勝負所となったのは2周目、後半70km地点の登りグラベル区間。沢田がここで鋭いアタックを仕掛けると、織田と阿部を振り切り、独走態勢を確立。残り40kmからは完全な一人旅となり、断続的に降り始めた激しい雨の中でも力強く踏み続けた。結果的に2位の織田に7分差をつける圧倒的な勝利でフィニッシュラインを通過。初出場にして他を寄せつけない走りでタイトルを掴んだ。

2位争いは織田と阿部によるスプリント勝負となり、僅差で織田が前に出て2位を獲得。阿部は3位となった。
当日はスタート時こそ晴天に恵まれたが、レース中盤以降は雨脚が強まった。気温低下によって暑さによる消耗は抑えられた一方、路面変化が選手を苦しめる展開となった。


男子エリートで優勝した沢田時のコメント
初めてのグラベルレースで優勝することができ、とても嬉しく思います。コースは砂利の登りが多く厳しいものでしたが、2周目の第2セクター、残り40kmから独走となり、雨が降り出す中で後方との差が分からないので最後まで全力で踏み続ける厳しい展開でした。グラベルはコースによって走り方が変わりますが、今回のやくらいのコースはマウンテンバイカー向きだったのではないかと思いました。来年はUCIの公式戦になるので、ぜひ出場したいと思っています。また11月のタイでUCIのグラベルシリーズがあり、これにも出場予定です。25%以内に入れば来年の世界選手権(オーストラリア)の出場権を得られるので、そこを目標に走りたいと思っています。
男子エリートで2位織田聖のコメント
「2周目に入ってからは、第2セクターで沢田選手がアタックし、誰も反応できず、そのまま独走を許す展開になりました。自分も一度足がつってしまい、自転車を降りて休んだ間に阿部選手が少し先行しました。その後、第3セクターで追いつき、阿部選手と2人のパックで走り続けました。最後はスプリント勝負になり、何度かアタックを試みましたが、阿部選手がしっかりついてきて強さを感じました。コースの特性上、集団になりにくく、アップダウンが多く平坦がないため、ロードレースの登りが厳しいコースに近いと感じました。ただ、下りは荒れていて難しく、常にマウンテンバイクのようにバイクを押さえ込む必要を感じましたね。自分の中ではロードとマウンテンの中間のような競技だという印象です。来年のUCI公式戦にも、出場できる機会があればぜひ挑戦したいと思っています」
女子エリートで優勝した渡部春雅コメント

「初めてのグラベルレースだったので、どう走ろうかと考えていました。昨日アドバイスをいただいて、とにかく誰かについていこう、なるべく集団で走ろうと思って臨みました。1周目はエイジクラスの選手もいてうまく走れたのですが、2周目は自分ひとりになってしまったので、ペースを落とさないように意識しました。雨が降って大変でしたが、2周目は多くのライダーが走ったことで砂利が掃かれて、むしろ1周目よりも走りやすく感じました。それにしてもキツかったです」
大会アンバサダー別府史之氏のコメント

2024年にオーストラリアで開催されたUCIグラベルシリーズを走った経験を持つ別府史之さん。大会アンバサダーとしてコースの設定などUCIとの架け橋として関わった。
「日本ではじめての本格的なグラベルレース開催なので、その準備にあたりグラベルレースのルールの整備などやらないといけないことがいろいろありました。今回の実際のレースをみて、今後もっとレベルの高い大会になっていくのではないか思いました。グラベルは世界でも人気のイベントなので、日本でももっと広まっていくポテンシャルを持っていると思います。明日グループライドも含めて、サイクリング楽しんでいただければと思います。」
2日目はグループライドEXPLORE GROUP RIDE YAKURAIが開催
大会2日目には「EXPLORE GROUP RIDE YAKURAI」が行われる予定だ。世界農業遺産に認定されたエリアを走る特別な体験ができる。
リザルト
エリート男子
1位 沢田 時(宇都宮ブリッツェン) 3:29:42
2位 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) +06:57
3位 阿部 嵩之(ヴェロリアン松山) 3+06:59
4位 鈴木 来人 +15:00
5位 吉岡 拓哉(イナーメ信濃山形) +15:00
6位 高岡 亮寛(Roppongi Express) +21:18
エリート女子
1位 渡部 春雅 4:28:28
2位 森廣 真奈 +30:35
問:ハヤサカサイクル https://hayasaka.co.jp/
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- CREDIT :
- 編集:バイシクルクラブ 写真と文:宇都宮ブリッツェン、長島純郎
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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