
UCIグランフォンドプレ大会「ツール・ド・ふくしま」 グランフォンド140は石井雄悟が独走V

せいちゃん
- 2025年09月11日
2025年9月6日と7日の2日間、福島県楢葉町の天神岬スポーツ公園を拠点に「ツール・ド・ふくしま」が開催された。7日にはメインイベントとなる市民レース3種目が行われ、県内外から集まった多くのサイクリストが浜通りの復興の道を駆け抜けた。
来年2026年にUCI(国際自転車競技連合)グランフォンドワールドシリーズの一戦として開催されることが決定しており、今年はプレ大会としてUCI規則に則って運営された。来年の本戦を見据え、昨年を上回る選手たちが参加し、国内トップクラスのホビーレーサーによるハイレベルなレースが展開された。
石井雄悟が圧巻の独走劇 グランフォンドふくしま140

大会のメインレース「グランフォンドふくしま140」は、午前6時にスタート。2026年大会のUCIグランフォンド対象種目となる予定のこのレースは、距離137km、総獲得標高1800mの中級山岳コースだ。



序盤からアタックが繰り返されるも決定的な逃げは決まらず、集団は一つのままハイスピードで進行。25km地点の東日本大震災・原子力災害伝承館前に設けられた最初のスプリントポイント「伝承館スプリント」は、福島県塙町にゆかりのある下島将輝(MAS X SAURUS)が獲得した。







57km地点の南相馬市馬事公苑前での「馬事公苑スプリント」は、スプリント力に定評のある武井裕(TRYCLE.ing)が制した。レース中盤の山岳区間に入ると、84.2km地点の「葛尾KOM」を橋本晴哉(TRYCLE.ing)が、99.5km地点の「都路スプリント」を小林亮(soleil de lest)が、107km地点の「田村大隈KOM」を雑賀大輔(湾岸サイクリング・ユナイテッド)がそれぞれ獲得した。


集団のまま終盤戦に突入し、ゴールスプリントかと思われた残り4km、石井雄悟(MAS X SAURUS)がアタック。この鋭い動きに唯一反応した大森慶太(BREZZA-KAMIHAGI)を振り切り独走に持ち込むと、そのまま後続を寄せ付けずフィニッシュラインを駆け抜けた。今季、Mt.富士ヒルクライムやニセコクラシックを制した26歳の若き実力者が、その強さを見せつけた。

グランフォンドふくしま140 総合リザルト
1位 石井雄悟(MAS X SAURUS) 3時間15分28秒
2位 木村裕己(Roppongi Express) +1秒
3位 中司大輔(堀場製作所自転車倶楽部)
各中間賞
伝承館スプリント賞:下島将輝(MAS X SAURUS)
馬事公苑スプリント賞:武井裕(TRYCLE.ing)
都路スプリント賞:小林亮(soleil de lest)
葛尾KOM:橋本晴哉(TRYCLE.ing)
田村大隈KOM:雑賀大輔(湾岸サイクリング・ユナイテッド)
各賞に輝いた選手たち
大会では各カテゴリの優勝者に加え、特別な功績を称える各賞が贈られた。
経済産業大臣賞(グランフォンドでの敢闘賞)
登り区間で積極的に集団を牽引した加藤大貴(COW GUMMA)が受賞した。
復興大臣賞(メディオフォンド80女子総合1位)
石井嘉子(Team HoneyB BikeBaju)が輝いた。
福島県知事賞(ロードレース50総合1位)
小林瑞宝(日本大学工学部自転車部)が獲得した。
福島の美しい自然と復興の歩みを体感するコースで繰り広げられた熱戦は、来年のUCIグランフォンドワールドシリーズ本戦への期待を大いに高めるものとなった。
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 編集:バイシクルクラブ編集部 文:相原晴一朗 写真:ツール・ド・ふくしま2025 / ハシケン
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PROFILE

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている