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茨城県最高峰「八溝山」へ。奥久慈エリア随一の 九十九折りを駆け上がれ|IBARAKI YAMIZOSAN Hill Climb

茨城県、福島県、栃木県の県境にそびえる八溝山は、標高1,022mを誇る茨城県の最高峰だ。
ヒルクライマーたちの間では、山頂へと続く険しい道のり、特に「九十九(つづら)折り」と呼ばれる激しいヘアピンカーブが続く区間で知られている。
緑豊かな奥久慈の自然を全身で感じながら、走りごたえのある本格的なヒルクライムに挑戦しよう。

八溝山、東と西 どちらからチャレンジする !?

▲八溝山の麓、大子町の豊かな自然の中に佇む八溝山遥拝所の鳥居。ここから八溝山を見れば、これから始まる挑戦への期待感が高まっていく。上りのスタートはもう少し先だが、まずは道中の安全を祈願し、ヒルクライムへ向けてその気持ちを引き締めていこう。

八溝山ヒルクライムの魅力は、表情の異なる2つのルートを選べることにある。今回のモデル仲谷あいさんが「これぞ飴と鞭!って感じの勾配の変化で、しんどいのが続くわけではないのでノリと勢いで登れる!」と語るように、どちらも挑戦しがいのある本格的なコースだ。自分の脚質やその日の気分で、どちらから頂上を目指すか考えるのも、この山を訪れる楽しみの一つと言えるだろう。

まず西ルートは、八溝嶺神社の鳥居を過ぎてから本格化する八溝林道が舞台だ。距離は約6.9㎞と比較的短いが、平均勾配は8.5%と手強い。データ以上に挑戦者を苦しめるのが、仲谷さんの言う「飴と鞭」のレイアウトだ。序盤こそゆるやかだが、中盤からは10%を超える勾配が断続的に現れ、油断していると一気に脚を削られる。特に終盤にかけては13%に達する激坂もあり、まさに「鞭」がサイクリストを打ちのめしにかかる。路面は一部舗装が荒れている箇所や、日陰には苔が生えている場所もあるため、パンクやスリップには注意が必要だ。ルートの大部分は木々に覆われた薄暗い林道で、まるで冒険をしているかのような雰囲気を味わえる。視界が開ける場所は少ないが、静かな森の中で己と向き合い、黙々とペダルを漕ぐストイックな走りを好むクライマーにオススメだ。

▲八溝山への案内標識と西ルートスタートの目印となる八溝嶺神社の鳥居。ここをくぐれば本格的なヒルクライムが始まる。安全を祈願して山頂アタックへ。
▲西ルートは深い緑の森の中を貫く道をひたすら上る。木漏れ日が美しい静寂のヒルクライムが続くが、中盤では視界が開け、絶景が顔を出すポイントもある。

一方、東ルートは県道248号八溝山公園線を上る。距離は西ルートより長い8.1㎞で、平均勾配は7.4%。こちらは全線が綺麗に舗装されており、路面状態は非常に良好だ。平均勾配の数値上は西ルートよりゆるやかに見えるが、決して楽なコースではない。このルートのハイライトは、中盤の連続した九十九折りだ。ドローンからの空撮写真で見られるような、幾重にも折り重なる九十九折りの道を、一つ、また一つと着実にクリアしていく達成感は格別だ。

西ルートに比べて視界が開ける区間が多く、時折現れる絶景ポイントでは眼下に広がる奥久慈の山々の景色を楽しみながら上ることができるのも大きな魅力だ。走りやすさと景観を重視するなら、東ルートを選ぶのが良いだろう。

▲緑のトンネルの中、心地よい木漏れ日を浴びながらペダルを漕ぐ仲谷さん。自然との一体感もこのコースの醍醐味だ。静寂の中で聞こえるのは、自分の呼吸とチェーンの音だけ。

どちらのルートも山中に自販機や商店は一切ないため、スタート前の水分や補給食の準備は必須となる。また、山頂付近は天候が急変することもあるので、ウインドブレーカーなどの防寒着も準備しておきたい。「最初は『山頂まで〇㎞』という看板を見たくないと思いましたが、後半になると逆に元気が出ました!」という仲谷さん。最後まで諦めずに茨城県最高峰のゴールを目指してほしい。

▲長く苦しかった坂道も、ついにここで終わり。自分との戦いに打ち勝ち、ペダルを止めた瞬間にこみ上げる喜びは格別だ。自然とガッツポーズと笑みがこぼれる。激坂を制し、ついに茨城最高峰、標高1022mの頂へ。この山頂標識は登り切った者だけが見られる栄光の証。まずは達成感と共に記念の一枚を残そう。お城のような展望台に上れば、そこには360度の大パノラマが広がる。眼下に連なる奥久慈の山々を望む絶景は、これまでの疲れが吹き飛ぶ最高のご褒美だ。

東と西2つのルートの比較

データはあくまで目安。西ルートは短いが勾配が変化に富み、東ルートは距離が長いが道幅も比較的広く舗装も綺麗で走りやすい。自分の脚質に合わせて挑戦ルートを決めよう。
(ルートの数値はRide with GPS調べ)

西ROUTE 東ROUTE
距離(km) 6.9 8.1
スタート地点標高(m) 409 347
ゴール地点標高(m) 1016 1016
平均勾配(%) 8.5 7.4

※配信先によって、ルート情報の表が表示されない場合があります。その場合は、BiCYCLE CLUBサイトをご覧ください。

大子町から八溝山へのアプローチ

八溝山ヒルクライムの挑戦は、大子町の中心部からスタートする。ぜひ走ってほしい推奨ルートは、穏やかな浅川の清流に沿って北上する県道160号梨野沢大子線。交通量が少なく、どこか懐かしい日本の原風景を感じさせる美しい里山の景色が広がる。道中にはコンビニなど補給ができる場所はないため、スタート前に町中で準備を万全に整えておくことが完走の鍵だ。これから始まる激坂を前に、比較的平坦な道で脚を慣らすウォーミングアップに最適だ。美しい景色を楽しみながら、期待に胸を膨らませ決戦の舞台へ向かおう。

▲奥久慈里山ヒルクライムルートの案内看板が設置されており、初めて訪れるサイクリストにも親切だ。これなら安心してヒルクライムに挑戦できる。

大子町で立ち寄りたい! グルメスポット

旧小学校を改装した「大子おやき学校」の名物

「特産のりんごを使ったおやきは、果肉感が残るジャムが口いっぱいに広がって幸せ!」と仲谷さんも絶賛。定番のあずきも外せない美味しさだ。

▲サイクルラックもあって歓迎ムードが嬉しい!

ミチルベーカリーの「シナモンロール」

可愛らしい洋風の建物が目印のミチルベーカリー。「シナモンロールは、しっとりサクサクの食感が楽しくてペロリと食べちゃいました」と仲谷さん。

ダイゴカフェ

登録有形文化財にも登録されている築100年以上の古民家を改装したダイゴカフェ。歴史を感じる空間で、こだわりのコーヒーと手作りスイーツを味わいながら、ライドの疲れを癒やす贅沢な時間を過ごせる。

ライドを終えた後は、癒やしの宿へ。サイクリストにやさしい宿でいばらきを楽しもう!

茨城には県が公式に認めたサイクリストにやさしい宿があり、安全な自転車保管場所や洗濯施設の提供、手荷物の預り、自転車の宅配、工具類の貸出しなど、サイクリストにうれしいサービスが充実している。

STAY-1:水戸駅前にある便利な拠点「ホテル テラス ザ ガーデン水戸」

JR水戸駅南口直結という最高のロケーションを誇る「ホテル テラス ザ ガーデン水戸」は、輪行で茨城を訪れるサイクリストにとってこの上ない拠点となる。ペデストリアンデッキを渡ればすぐにチェックインが可能だ。

最も嬉しいのは、自転車の館内持ち込みに対応していること。仲谷さんも「スタッフさんがとても親切で丁寧。自転車を持ち込めるだけでなく、専用スタンドとカバーまで貸してくれるサービスに感動しました」と語る。大切な愛車を客室で保管できる安心感は大きい。また、クロークでの保管も可能だ。

ライドの疲れは、深夜1時まで利用可能な人工温泉でじっくり癒やせる。「移動の疲れ、ライドの疲れをとることができていい」と仲谷さんも太鼓判を押す。客室はモダンで落ち着いた雰囲気。全室にシモンズ社製のベッドが導入されており、疲れた身体を優しく包み込み、上質な眠りへと誘ってくれるだろう。

翌日の活力となる朝食は、地元の食材をふんだんに使った和洋ビュッフェ。「どれも美味しくて2周したいほど!」と仲谷さんが絶賛するほどのクオリティで、翌日のライドへのエネルギーをしっかりチャージできる。水戸を拠点に、県内各地へ足を延ばすサイクリング旅のハブとして、ぜひ活用したいホテルだ。

▲輪行サイクリストにとってストレスフリーな滞在と出発を約束してくれる。
▲JR水戸駅南口から直結なのでアクセス抜群。駅を出てすぐチェックインできるのが嬉しい。
▲自転車はそのまま客室へ持ち込めるほか、部屋のスペースを広く使いたいならクロークで預かってもらうことも可能。
▲全室に導入されたシモンズ社製ベッドが、ライドで疲れた身体を優しく包み込み、極上の眠りを提供してくれる。
▲愛車を客室に持ち込むサイクリストのために、専用のスタンドと客室を汚さないためのカバーを無料で貸し出してくれる。

詳細はこちら

STAY-2:那珂川沿いにあるお蕎麦が楽しめる「御前山ビレッジ」

那珂川の清流沿いに位置する「御前山ビレッジ」。ここは宿泊だけでなく、食事やアクティビティも楽しめる複合施設だ。宿泊施設「まちの宿」は全3室で、1棟貸し切りも可能。広々とした空間は、友人や家族とのグループライドの拠点にぴったりだ。キッチンも完備されており、地元の食材を買い込んでみんなでワイワイ自炊を楽しむこともできる。

仲谷さんは「部屋ごとに専用の洗濯機も用意され、合宿するにもよさそうです」と設備の充実に触れる。サイクリストにとっては、自転車をフロントでそのまま預かってもらえるので、セキュリティ面も安心だ。

この施設の大きな魅力の一つが、敷地内にある蕎麦店「まち庵」。地元の常陸秋そばを使用した手打ちそばは絶品で、「美味しそうな蕎麦のメニューに惹かれました」と仲谷さんが言うように、ライドで消費したエネルギーを美味しく補給できる。そしてもう一つの注目すべき点が、本格的な薪焚きのサウナだ。「可愛いおしゃれな木造のサウナハウスが2軒たっていて、水風呂も珍しいタイプ」と仲谷さんが語るように、日本でも珍しいエストニア製のイグルーサウナが設置されている。ライドでかいた汗をサウナで流し、心身ともにリフレッシュするという、最高の体験ができる。

「夜のサウナで涼む時は満天の星空でとっても素敵なんだろうと思いました」と仲谷さん。自然豊かな環境のなかで、美味しい食事とサウナ、そして快適な宿泊が一度に楽しめる、仲間との思い出作りに最適な宿と言えるだろう。

▲ライドの後は、本場エストニア製の本格薪サウナで汗を流し、立ったまま入れるお風呂に入り、外気浴で最高の「ととのう」体験を。
▲大切な自転車はフロントで安全に預かってもらえるので安心。
▲施設内の蕎麦店「まち庵」では自社で栽培し、施設内で製粉した絶品の打ちたて常陸秋そばが味わえ、ライドの疲れを癒してくれる。
▲宿泊施設「まちの宿」は全3室。貸し切れば最大13名まで宿泊が可能で、仲間とのサイクリング旅行の拠点にぴったりだ。
▲キッチンも完備されている。地元の新鮮な食材を買い込んで、みんなで料理の腕をふるうのも、また旅の楽しみの一つになるだろう。

詳細はこちら

STAY-3:”美人の湯”と称される、渓流温泉で脚休め「袋田温泉 思い出浪漫館」

大子町で宿を探すなら、日本三名瀑の一つ「袋田の滝」にほど近い「袋田温泉 思い出浪漫館」が、最高の選択肢の一つとなるだろう。館内に一歩足を踏み入れると、仲谷さんが「その名のとおり、ノスタルジックな雰囲気でとってもロマンチック!」と評するように、大正ロマンの風情が漂う、非日常的で落ち着いた空間が広がる。

この宿一番の自慢は、何と言っても源泉かけ流しの温泉だ。特に、宿の裏を流れる久慈川の支流である滝川に面した渓流露天風呂は格別。川のせせらぎをBGMに、四季折々の自然を間近に感じながら湯に浸かれば、ヒルクライムで酷使した筋肉がゆっくりと芯からほぐれていくのを感じるだろう。泉質はアルカリ性単純温泉で、疲労回復はもちろん、肌をすべすべにしてくれる効果も期待できる。

ライド後の空腹を満たす食事は、奥久慈しゃもをはじめ、鮎の塩焼き、新鮮な山の幸など、地元の旬の食材をふんだんに使用した会席料理。一品一品丁寧に作られた料理の数々が、旅の夜を豊かに彩ってくれる。

そして、サイクリストへの配慮もこの宿の大きな魅力だ。「しかも自転車持ち込みできる!」と仲谷さんが感動したように、大切な愛車を客室へ持ち込めるので、安心して夜を過ごせる。その際は、床が汚れないようにレジャーシートなどを持参すると、よりスムーズに利用できるだろう。雄大な自然の中で極上の温泉と美食を楽しみ、愛車と共に心安らぐひとときを過ごせるこの温泉旅館は、サイクリストにとって忘れられない思い出を約束してくれるはずだ。

▲サイクリストにとって何より嬉しいのが、愛車を客室に持ち込めること。大切な自転車と共に安心して一夜を過ごせるのは大きな魅力だ。床を保護するための敷物などの準備をお忘れなく。
▲大正ロマンの風情が漂う館内は、非日常の時間を演出してくれる。
▲クロークで自転車の預かりが可能で、自走で行っても安心して滞在できるのが嬉しい。
▲川のせせらぎを聞きながら浸かる源泉かけ流しの渓流露天風呂は、まさに至福のひととき。訪れるたびに異なる表情を見せる四季の移ろいを肌で感じながら、ライドの疲れを癒せる。
▲客室の窓からは、雄大な奥久慈の山並みが広がり、心からリラックスできる贅沢な時間を過ごすことができる。温泉と絶景が、心と身体を芯から解放してくれる、至福の時間がここにはある。

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※この記事はBiCYCLE CLUB[2025年11月号 No.463]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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