
ロヴァール新型軽量ホイール&コックピット発表 究極の軽さ“頂点を目指す”|SPECIALIZED

Bicycle Club編集部
- 2025年10月01日
スペシャライズド傘下のハイパフォーマンス・コンポーネントブランド「Roval(ロヴァール)」が、クライミングコンポーネントの新たなベンチマークを打ち立てた。「True To Your Ride(あなたの走りに応える)」という信念のもと、ヒルクライムでの圧倒的なアドバンテージを追求する「Alpinist(アルピニスト)」シリーズの最新世代、新型ホイール「Alpinist CLX III」と、ステム一体型ハンドル「Alpinist Cockpit II」を発表した。単なる軽量化にとどまらず、剛性、快適性、そしてエアロダイナミクスに至るまで、あらゆる要素を再検証し、1gでも軽く、1秒でも速く頂上を目指すライダーのための、究極のクライミングシステムがここに誕生した。
1,131gの衝撃、ツールマレーを5秒短縮する「Alpinist CLX III」
新型「Roval Alpinist CLX III」がもたらした衝撃は、まずその重量にある。前後セットでわずか1,131g(バルブ、テープ込)。これは前作から134gもの大幅な軽量化であり、クラス最軽量の座を確固たるものにする数値だ。
しかし、スペシャライズドが追求したのは、単なる静止重量の軽さではない。この軽量化が実際の走行においてどのようなアドバンテージを生むのか。同社の研究開発エンジニア、マーセル・カイザー氏は、ツール・ド・フランス屈指の難関であるツールマレー峠を、デミ・フォレリング(FDJ・スエズ、オランダ)が上るという状況を想定した高度な動的シミュレーションを実行。その結果、Alpinist CLX IIIは、前作と比較して5秒ものタイム短縮が可能であるという結論を導き出した。これは、コンマ1秒を争うトップレベルのレースにおいて、決定的な差となりうる数値だ。
この革新的な軽量化の核心をなすのが、カリフォルニア州バークレーを拠点とする先進複合材料企業ARRIS社と共同開発した「Rovalエアロコンポジットスポーク」だ。カーボン繊維複合素材とチタン製ヘッドで構成されるこの特殊なスポークは、従来の高品質なスチール製スポークと比較して、1本あたり1.9g以上軽く、ホイール全体で103.5gもの重量を削減。特に回転質量の削減に大きく貢献し、爆発的な加速性能を実現する。
さらに、このコンポジットスポークは、引っ張り強度がスチール比で約20%優れている。これにより、より高いテンションでホイールを組み上げることが可能となり、スプリント時のパワー伝達ロスを最小限に抑えるだけでなく、ハンドリングの応答性を高め、テクニカルな下りでの安定性にも寄与する。加えて、複合素材の特性である優れた振動吸収性が、Alpinistシリーズで定評のある「路面に吸い付くような」滑らかな走行感を、あらゆる速度域で実現している。
リムは、ライダーの好みやコンディションに応じて高い空気圧(最大110psi)も使用可能なフックドリムを採用しつつ、業界基準値の2倍の衝撃試験をクリアする高い耐久性も確保。ハブには、信頼性の高いDT Swiss 180 EXPインターナルとSincセラミックベアリングを搭載し、回転性能にも一切の妥協はない。
Roval Alpinist CLX III
価格:フロント 180,400円 / リア 270,600円(前後セット 451,000円、全て税込)


- カラー:グロスカーボン/グロスホワイト, サテンカーボン/グロスブラック
- 用途:ロードレース、ヒルクライム
- リム:Alpinist CLX III カーボンクリンチャー (フックドリム)
- ハイト:33mm / 内幅: 21mm
- ハブ:Roval Low Flange Hub (DT Swiss 180 EXPインターナル, 36T, DT Sincセラミックベアリング)
- スポーク:ARRIS社製 Rovalエアロコンポジットスポーク
- 本数:フロント 21本 / リア 24本
- 対応タイヤ:700x24mm~38mm (28mm幅で最適化)
- 重量:1,131g (前後セット、バルブ・テープ込)
- 重量制限:125kg
エルゴノミクスと快適性を極めた270gの超軽量コックピット「Alpinist Cockpit II」
新型ホイールと同時に発表された「Alpinist Cockpit II」もまた、究極の軽量性と、それを超える快適性を体現している。ステムとハンドルバーを一体化させたこのコックピットは、わずか270g(400x100mmサイズ)という驚異的な軽さを誇り、従来のAlpinistバーとステムの組み合わせより10g、エアロモデルのRapide Cockpitより40gも軽量化されている。
しかし、このコックピットの真価は、単なる軽さにはない。10万件以上のRetülとBody Geometryのフィットデータを基に開発された、人間工学的なD型のトップ形状こそが、その核心だ。従来の丸みを帯びた形状と比較して、ハンドル上部での接触面積を12%拡大。これにより、手にかかる圧力を効果的に分散し、長時間の登りやロングライドでの手の疲労やしびれを大幅に軽減する。
さらに、カーボンレイアップと製造工法を最適化することで、卓越した振動吸収性能も実現。エアロモデルの「Rapide Cockpit」と比較して、振動吸収性は28.3%も向上しており、荒れた路面でも滑るように進む、極上のライドクオリティを提供する。それでいて、スプリントなどの高負荷時にはしっかりとパワーを受け止める剛性も確保されており、理想的な剛性と快適性のバランスを実現している。
Roval Alpinist Cockpit II
価格:85,800円(税込)

- カラー:サテンカーボン/グロスブラック
- 用途:軽量性を重視するロードライド
- 重量:270g (400x100mmサイズ)
- エルゴノミクス:Retülフィットデータに基づくD型トップ形状
- 仕様:フレア角4度, 内部ケーブルルーティング対応
- サイズ展開:380mm幅(ステム長80-110mm), 400mm幅(90-130mm), 420mm幅(90-120mm)の計12サイズ
デミ・フォレリングが「登りが強みの私の頼れる相棒」と評するAlpinistシリーズ。その最新世代は、もはや単なる「軽いコンポーネント」という枠を超え、科学的なデータとプロの知見に基づき、快適性とパフォーマンスを究極のレベルで融合させた「クライミング・システム」へと昇華した。厳しい山岳に挑む全てのサイクリストにとって、これ以上ない強力な武器となるだろう。
問:スペシャライズド・ジャパン https://www.specialized.com/jp/ja
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