
脱スニーカー! SPDシューズの選び方|SHIMANO

Bicycle Club編集部
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スニーカーのままでもサイクリングは楽しめる――とはいえ、一歩進んだ快適さを求めるならSPD(エスピーディ)シューズを導入しよう。ここでは「SPDシューズってどんな風にいいの?」という方のために、スニーカーとはひと味違う専用品ならではの機能と、使い方に合わせたおすすめのシューズを紹介しよう。
INDEX
スニーカーより走りやすく、疲れない
SPDシューズの大きな特徴はペダルを踏む力をペダルにロスなく伝えられること。スニーカーを履いているときによくある「長く乗ると足が疲れる」「ペダルが滑って怖い」という悩みを解消してくれる。シューズのつくりは堅牢で、底面のビンディング機構が足を最適な位置に固定するのでライドも快適だ。さらに、自転車から降りたときの歩きやすさも兼ね備えている。街乗りや通勤・通学、ロングライドやレースなど幅広いシチュエーションで役立つアイテムだ。


SPDシューズの特徴は?
SPDシューズとはどういうものか? その特徴を見ていこう。なお、SPDとは「Shimano Pedaling Dynamics」の略で、1990年に日本の自転車部品メーカーの「シマノ」が開発した規格で、始めはMTB(マウンテンバイク)のレース用の機材として使われ、その利便性の高さからスポーツサイクリングのペダリングシステムのスタンダードとして世界に広まっている。
シューズ形状はローカットが主流
足首が覆われていないローカットのスニーカーに近いタイプが多い。ペダリング時に足の上げ下げがしやすいように重量は軽く、シューズとクランク(ペダルとチェーンリングをつなぐ棒状のパーツ)の干渉を防ぐためにスタイリングは細みだ。なかには、寒冷地向けに防寒を意識したハイカットモデルや、暑い日のサイクリング用にサンダル型のタイプも少しある。


調整はベルクロ式とダイヤル式
フィット感を調整するクロージャーシステムは、ベルクロのストラップを引っ張って調整するタイプと、ダイヤルを回してワイヤーを調整するタイプの2つが主流。また、両方を組み合わせたベルクロ+ダイヤル式のモデルもある。歴史を振り返ると最も古いのはベルクロ式で、その後にラチェット式のバックルタイプが生まれたものの、近年の機材の進化によってダイヤル式に取って代わられている。
ベルクロ式……ストラップの数は1~3本程度。ベリッと剥がすだけで素早く脱ぎ履きができる。構造がシンプルでエントリーモデルに多く採用されている。
ダイヤル式……ホールド力の高いものが多くパワーロスが少ない。ミリ単位の細かな微調整ができる。乗車中も片手で操作しやすい。

使い勝手がよく丈夫
ペダリング時に脚を上下動させる力を絶えず受けているSPDシューズは、踏む力を効率よくペダルに伝えるのはもちろん、引き足の際も力が脱げない設計が必要。そのためアッパー(足の甲を覆う部分)はしなやかでいて伸びが少ない素材が使われている。過酷な使用に耐える丈夫なつくりをしているので、一足手に入れると長く使える。加えて、自転車は長い時間乗り続けることが多いので、汗のムレを抑える通気性も考慮されている。


写真手前はシマノSH-XC102、奥左からSH-XC302、SH-XC703
ペダルにしっかりと力が伝わる
ペダルを踏む力を効率よく伝えるために、ミッドソール(靴底の中の一部)が硬めに設計されている。ペダルを踏んだ時にカチッとした感触があり、しっかりと力が伝わっているがわかる。ゴム製ソールのスニーカーにはない独特の感覚だ。ミッドソールの硬さは、モデルの使用用途やグレードによって異なっていて、一般的にプロが使うレース仕様の上位モデルになるにつれて硬くなっていく。

インソールも自転車向けに専用設計
インソール(中敷き)も自転車に適したものが使われている。ミッドソールと同じく使用用途やグレードによって形状は少しずつ異なっていて、土踏まずのアーチを支える形状や、かかとを保持するカップの形状が、ペダルを踏むときの足のブレを抑えてくれる。加えて、歩きやすさも考慮してバランスよく設計されている。

シューズとペダルをつなぐビンディング機構
SPDシューズの最も大きな特徴がこちら。ミッドソールにクリートと呼ばれる金具を取り付けるネジ穴が開いていて、ここにクリートを装着することでシューズとペダルが固定される。クリートの取り付け部はアウトソール(靴の底面)に囲まれていて、地面に足をつけてもクリートは当たらないようになっている。


SPDシューズのおすすめ3モデル
SPDの生みの親、シマノではSPDシューズを数多くラインアップしている。そのなかでも最新のモデルが2025年7月にリリースされた、SH-XC102、SH-XC302、SH-XC703の3機種。品番の「XC」とはMTB競技のクロスカントリー(XC)を表すものの、実のところオンオフ問わずに万能で使いやすい。最初のSPDシューズとしておすすめだ。
レース志向・上級者も満足の高機能シューズ/SH-XC703

フラッグシップモデルであるSH-XC903譲りの性能を持つハイパフォーマンスモデル。軽量かつ高剛性のカーボンファイバーソールを採用し、力のロスを許さないペダリングフィールを実現。BOAダイヤル×2個によるミリ単位のフィット調整が可能で、激しい動きにも足をしっかりホールドしてくれる。MTBはもちろん、シクロクロスのレースや長距離を速く走りたい人に最適で、本格派のサイクリスト向けの最強機材の一つといえる。



SH-XC703
価格:36,300円(税込)
カラー:シルバー、ブラック
サイズ:ワイド38.0~48.0(1サイズ刻み)
国内ではワイドサイズのみ展開
ソール剛性:9
平均重量:322g(サイズ43)
使い勝手のいいミッドレンジモデル/SH-XC302

街乗りから週末のスポーツライド、100kmを超えるようなロングライドなど幅広いシーンで使いやすい。BOAダイヤルとワイヤーの取り回しの工夫によって、足とシューズの一体感が高く、大きな力がかかっても十分なホールド力がある。ソール剛性は5と硬すぎず柔らかすぎないつくり。これからレースを始める人にも向いている。

SH-XC302
価格:19,800円(税込)
カラー:アイスグレー、ブラック
サイズ:スタンダード36.0~48.0(1サイズ刻み)
各サイズには足幅の広いワイドサイズもあり
ソール剛性:5
平均重量:308g(サイズ43)
お手頃価格のエントリーモデル/SH-XC102

SPDシューズの世界の扉を開けてくれるエントリーモデル。初めての人でも「怖くない」「便利」と感じる最初の一足で、長く履いていても疲れにくい柔らかめのソール剛性に、着脱もベルクロストラップを採用。手頃な価格もうれしい。

SH-XC102
価格:14,300円(税込)
カラー:ブラック
サイズ:スタンダード38.0~48.0(1サイズ刻み)
ソール剛性:5
平均重量:313g(サイズ43)
ペダルも専用品を用意しよう
SPDシューズを使うにはSPDに対応したSPDペダルが必要になる。街乗りや通勤・通学、マイペースで楽しむロングライドなど、いわゆる一般的な用途であればどれを選んでも大丈夫だ。一方、オフロードレースやオンロードレース、強度の高いハイペースなロングライド、山岳ライドなども視野に入れている人は、そのジャンルに合わせた機能性の高い製品をセレクトしたい。ここでは形状別に代表的な4モデルを紹介しよう。

XC用ながらオールマイティに使いやすい/PD-M520

泥詰まりに強いデザインで、ペダル両面のビンディング機構により素早いキャッチが可能。もともとXCを前提に開発されたものの、コンパクトで軽量なことからロードバイクやクロスバイクに使う人も多く、ロングセラーを続けている。
ロード仕様の軽量タイプ/PD-ES600

ペダル片面にビンディング機構をそなえたロード向けの軽量ペダル。スリムなデザインでいて、SPDシューズのパワーを効率よく伝達する踏み面の幅が広い形状をもつ。日常使いはもちろんのこと、「スポーティに走りたい」「ロングライドにチャレンジしたい」人により向いている。
はめやすく、外しやすい入門モデル/PD-ED500

初めてSPDを使う人におすすめの入門モデル。ペダルのキャッチとリリースを軽い力で簡単にできるライトアクション仕様で、信号待ちやストップ&ゴーの多い街中でも扱いやすい。通勤・通学など日常のライドにSPDを気軽に取り入れられる。
SPDシューズ&スニーカー両用タイプ/PD-EH500

片面はライトアクション仕様、もう片面はスニーカーで使えるフラット面をもった万能モデル。週末のサイクリングはSPDシューズ、普段はスニーカーという使い分けが可能で、フラット面には滑り止めのピンが配置され安定したグリップを確保する。日常とアクティブを両立したい人にぴったりの一品。

SPDシューズで新しいサイクリング体験を
シューズとペダルをしっかり固定するSPDは、サイクリングをより自由で快適なものにしてくれる存在だ。ペダリングが滑らかになり、景色を楽しむ余裕が生まれ、走ることそのものを楽しい時間に変えてくれる。スニーカーで乗るときとは違った新しい世界が待っている。
【初心者のためのQ&A】SPD導入前の素朴な疑問にお答え!
SPDシューズやペダルについて理解が進んできたところで、「そういえば、これってどうなの?」と素朴な疑問が湧く方も多いはず。サイズ選びのコツや防寒対策などいくつかまとめてみたので参考にどうぞ。
SPDシューズって履き心地を試せますか?
シマノのSPDシューズは全国各地の自転車プロショップで取り扱っています。ウエブサイトに取扱店の一覧があって、「サイクリングシューズ」と入れると店舗の検索ができます。
シマノブランド全国取扱い店舗一覧
近くにお店がなくネット通販で買いたいけれどサイズ選びが不安です…
シマノ公式サイクリングオンラインストアでは「フィッティングプログラムで返品無料」を行っています。シューズを同時に2~3点ご注文されたお客さまは、ご注文のうち1点以上の購入で2点まで返送料が無料となります。ご活用ください。
【公式ストア限定】フィッティングプログラム – シマノ《公式》サイクリングオンラインストア
雨の日や寒い日の対策は?
足元の防風&防寒用にシューズカバーと呼ばれるアイテムが販売されています。シューズの上にかぶせて着用します。足全体を覆うタイプが主流ですが、つま先だけのタイプもあります。


どんなソックスが向いていますか?
汗をかいても蒸れにくい速乾性の高いもの、防臭効果のあるものがおすすめです。生地は薄手のタイプが多く足裏の感覚がわかりやすいメリットがあります。

ビンディングが付けにくいor外しにくい……
着脱に不安を感じる方は、試しにペダルがクリートを固定する力が最も弱い「最弱」にしてみてください。少ない力でキャッチとリリースができるようになり、立ちゴケなどのトラブル回避につながります。

スニーカー風のSPDシューズはありますか?
SH-EX300というモデルがあります。一般的な靴ひものスニーカーのデザインを採り入れながら実はビンディング機構が付いています。


SPD-SLとの違いは?
SPD-SLはロードレース用に生まれた規格で、ペダリング効率をより高めるためにクリートが大きく、ペダルの踏み面も広くなっています。ロードレースでは歩くことはないので歩行性は重視されていません。


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- CREDIT :
- TEXT:タナカ ダン PHOTO:小野口 健太
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