BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo
  • タビノリ

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

ミランが圧巻スプリントで制す! リドル・トレックが完全支配しクリテリウム6連覇の偉業達成

アジア最高峰のロードレースの祭典、「SUBARU LAYBACK presents 2025宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース」は10月18日、宇都宮市大通り周回コース(1周2.25km)を舞台に「2025宇都宮ジャパンカップクリテリウム」が開催された。今年のツール・ド・フランスのポイント賞(マイヨ・ヴェール)獲得者、ジョナサン・ミラン(リドル・トレック、イタリア)が前評判通りの圧倒的なスプリント力を見せつけ、チームに大会通算8勝目、そして6連覇という前人未到の偉業をもたらした。レースの平均速度は50.7km/hに達し、歴代最速記録を大幅に更新するハイスピードバトルとなった。

序盤から波状攻撃、ミランの逃げに集団が即座に反応

曇り空の下、パレードランを経て、15時40分にレースがスタート。沿道を埋め尽くした54,000人の大観衆が見守る中、レースは開始直後からハイスピードな展開となった。

スタート直後、スイスチャンピオンジャージを着るマウロ・シュミット(チーム・ジェイコ・アルウラー)がアタックを仕掛け、最初から展開が激化。すぐにクリスツ・ネイランズ(イスラエル・プレミアテック、ラトビア)が単独で飛び出し、Jクリテリウムツアーチャンピオンの孫崎大樹(ヴィクトワール広島)や寺田吉騎(バーレーン・ヴィクトリアス)らが合流するも、メイン集団がすぐに吸収する。

最も緊張が走ったのは3周目。ライリー・シーアン(イスラエル・プレミアテック、アメリカ)やレニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)、シモーネ・グアルディ(アンテルマルシェ・ワンティ、イタリア)らが集団から抜け出し、4周目にはなんとミランを含む6名の追走がこれに合流し、先頭は10名規模に膨れ上がった。4周目のスプリント賞はシーアンが獲得したが、ミランの逃げはメイン集団が決して許すはずもなく、5周目には吸収。レース序盤の3分の1が終わっても、決定的な逃げは決まらない、緊張感あふれる展開が続いた。

リドル・トレックが最終盤を完全支配

絶対的なスプリンターを持たないイスラエル・プレミアテックは、ネイランズやモーリッツ・クレッチー(ドイツ)らが積極的にアタックを仕掛けるも、リドル・トレックがこれを徹底的にチェックし、吸収を繰り返す。8周目のスプリント賞は集団から飛び出したシーアンが再び獲得。そのシーアンを10周目にルイ・バレ(アンテルマルシェ・ワンティ、フランス)らが追い抜き、先頭に立つ動きも発生するが、これもリドル・トレックのコントロールによって吸収された。

12周目のスプリント賞は集団での争いとなり、フィリッポ・リドルフォ(チームノボノルディスク、イタリア)がスプリントを制し獲得。彼は「チームメイトのコペツキーとスプリントをする計画だったが、なんとか最後に少し抜け出すことができた」と喜びを語り、そのジャージを日本の観客に見せることができたことを嬉しく思うとコメントした。

レースは終盤へ。13周目、フェリックス・エンゲルハート(チームジェイコ・アルウラー、ドイツ)がアタックするが、これを捕まえた後、リドル・トレックは最終勝負に向け隊列を組み始める。新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)も残り2周を切ったところでアタックを試みたが、リドル・トレックの統制は崩れず、この動きも封じ込められた。

ミラン、異次元の加速でねじ伏せる

ラストラップ、早駆けを試みたクレッチーが最終コーナーを先頭で立ち上がった後、マティアス・ヴァチェク(チェコ)がミランを完璧な位置で発射する。

ミランは他を横に並ばせることすら許さない圧倒的なスプリント力でフィニッシュラインを独走で駆け抜け、チームに大会6連覇、通算8勝目をもたらした。

2位にはミカ・ヘミング(チューダー・プロサイクリングチーム、ドイツ)、3位にはフラット・ファンミヘレン(バーレーン・ヴィクトリアス、ベルギー)が入った。

日本人最高位は、地元の期待を背負った岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン)の7位。岡はレース後、「ずっと速いため余裕を持って走れず、最後はやはり力負けしてしまった。(過去3位に入ったこともあり)今年も表彰台を狙っていたが、まだまだ力の差があったと感じた。明日へ向けていい刺激になった」と、悔しさを滲ませながらも、明日の本戦への意気込みを語った。

ミラン:「完璧なチームワーク」と「最高の観客」

優勝したミランは、喜びを爆発させた。「短いレースでしたが、本当に激しかったです。僕たちは本当に良いチームワークを発揮しました。完璧だったと言えるでしょう。この素晴らしい観客の皆さんと共にここで勝てたことも、本当に嬉しいです」とコメント。

ヘミングは「ジョナタン・ミランに次ぐ2位ですから、間違いなく満足」と結果を受け入れた。3位のファンミヘレンは「今日の集団全体のレベルの高さには本当に驚いた。レース全体を通して限界だった」と語り、ミランの勝利の裏にあったハイレベルな戦いを強調した。

新城は、「今年もたくさんの方が、あの沿道に応援に駆けつけてくれて、嬉しかった」と感謝を述べつつ、「序盤が速すぎて、ちょっと今日は大人しく半分しとこうかなと思って、後ろで足を溜めていた」と明かし、最後のアタックについては「勢い足りなかったですね」と振り返った。しかし、「明日は今日よりは明日が本番なので、数多くの選手を前に送り込むのが目的」と、翌日のロードレースでのチームの役割に集中する姿勢を見せた。

翌19日には、宇都宮市森林公園周回を舞台に144.2kmの「2025宇都宮ジャパンカップロードレース」が開催される。ロードレースでの真の王座をかけた戦いに、期待が高まる。

リザルト

1位 ジョナタン・ミラン(リドル・トレック、イタリア) 39分58秒
2位 ミカ・ヘミング(チューダー・プロサイクリングチーム、ドイツ)
3位 フラット・ファンミヘレン(バーレーン・ヴィクトリアス、ベルギー)
4位 サイモン・クラーク(イスラエル・プレミアテック、オーストラリア)
5位 ルーカ・ファンボーヴェン(アンテルマルシェ・ワンティ、ベルギー)
6位 フィト・ブラーツ(アンテルマルシェ・ワンティ、ベルギー)
7位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン)
8位 ニコラス・ゴイコヴィッチ(ポギチーム・グスト・リュブリャナ、クロアチア)
9位 コルビー・シモンズ(EFエデュケーション・イージーポスト、アメリカ)
10位 マティアシュ・コペツキー(チームノボノルディスク、チェコ)

中間スプリント賞

4周目:ライリー・シーアン(イスラエル・プレミアテック、アメリカ)
8周目:ライリー・シーアン(イスラエル・プレミアテック、アメリカ)
12周目:フィリッポ・リドルフォ(チームノボノルディスク、イタリア)

SHARE

PROFILE

せいちゃん

せいちゃん

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

せいちゃんの記事一覧

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

せいちゃんの記事一覧

No more pages to load