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レニー・マルティネスが独走勝利! 宇都宮ジャパンカップ史上初のフランス人覇者に輝く

アジア最高峰のワンデーレース「SUBARU LAYBACK presents 2025宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース」は10月19日、宇都宮市森林公園周回コースで決戦の日を迎えた。終盤の古賀志林道で激しいアタック合戦が繰り広げられた末、最終周回で独走に持ち込んだ22歳のレニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)が劇的な勝利。ジャパンカップの歴史で初となるフランス人チャンピオンの座に就いた。2位にもアレックス・ボーダン(EFエデュケーション・イージーポスト、フランス)が入り、トップ10に5人のフランス人選手が名を連ねるなど、フレンチライダーの強さが際立つ一日となった。

序盤からワールドチームが主導権 5名の逃げが形成

プロトンのみんなに送り出される今シーズンで引退のダヴィデ・バルダッチーニ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ、イタリア)
現役ラストレースとなるソリューションテックのダヴィデ・バルダッチーニとクリスティアン・ズバラーリ(ともにイタリア)

曇り空の宇都宮市森林公園。10.3kmの周回コースを14周する144.2kmのレースは、スタート直後からワールドチームの選手たちが積極的に動き、ハイペースな展開で幕を開けた。

今シーズンで引退するシマノレーシングの入部正太朗と冨尾大地を先頭にスタート

1周目、早くもゲオルグ・シュタインハウザー(EFエデュケーション・イージーポスト、ドイツ)、ライナー・ケップリンガー(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストリア)、ジェイミー・ミーハン(コフィディス、アイルランド)、ファビアン・ワイス(チューダープロサイクリングチーム、スイス)、そして前日のクリテリウム覇者ジョナサン・ミラン(リドル・トレック、イタリア)という強力な5名の逃げが形成される。

序盤に形成された7名の逃げ

しかし、スプリンターであるミランはローテーションに加わらず、集団もこれを警戒。2周目にはシモーネ・ラッカーニ(TEAM UKYO、イタリア)が追走を開始し、3周目の古賀志林道で先頭に合流。平均年齢24歳という若い7名の逃げ集団が形成された。アンテルマルシェ・ワンティがコントロールするメイン集団とのタイム差は、1分強で推移する。

メイン集団はアンテルマルシェ・ワンティがコントロール
留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)も集団内で走る

中盤、集団が分裂 レースは新たな局面へ

集団が迫りペースを上げるフェリックス・エンゲルハート(チームジェイコ・アルウラー、ドイツ)

レースが中盤に差し掛かった4周目、メイン集団が古賀志林道でペースアップ。タイム差は一気に縮まり、田野町交差点では先頭と29名の精鋭集団との差はわずか23秒に。この精鋭集団に残った日本人選手は、橋川丈(愛三工業レーシングチーム)のみとなった。橋川は「最初の1、2、3周がすごいキツいっていうのは分かってたので、もうそこは前々と走って粘っていった。3周目の登りで一気にペースが上がったが、自信を持って張り付いていって、正直まだ余裕があった」と、序盤の厳しい展開を振り返る。

登りで苦しむスプリンターのジョナタン・ミラン(リドル・トレック、イタリア)
集団のペースを上げるクリスツ・ニーランズ(イスラエル・プレミアテック、ラトビア)

 

5周目の古賀志林道、ついにスプリンターのミランが先頭集団から脱落。入れ替わるように、追走からパウ・マルティ(イスラエル・プレミアテック、スペイン)とヨン・イサギレ(コフィディス、フランス)が合流し、先頭は8名に。しかし、逃げからミランがドロップしたことによりリドル・トレックが牽引するメイン集団がこれを許さず、アップダウン区間で吸収。レースは振り出しに戻り、先頭は約36名の大きな集団となった。

6周目の山岳賞を獲得したニコロ・ガリッボ(TEAM UKYO、イタリア)

ファンボーヴェンの大逃げ、そして終盤のアタック合戦へ

単独で飛び出したルーカ・ファンボーヴェン(アンテルマルシェ・ワンティ、ベルギー)

レースが落ち着いた7周目、平坦区間でツール・ド・九州でもいい走りを見せていたルーカ・ファンボーヴェン(アンテルマルシェ・ワンティ、ベルギー)が単独アタック。メイン集団が容認する中、その差はぐんぐんと広がり、8周目には最大で約2分にまで達した。

一時逃げを容認した集団
単独で逃げ続けるルーカ・ファンボーヴェン(アンテルマルシェ・ワンティ、ベルギー)
集団をリドル・トレックがコントロール
集団への復帰を試みる橋川丈(愛三工業レーシングチーム)ら4名

しかし、9周目、EFエデュケーション・イージーポストとイスラエル・プレミアテックがメイン集団のコントロールを開始すると、タイム差は再び縮小。粘りを見せたファンボーヴェンも、10周目の平坦区間でついに吸収され、勝負は残り4周、19名の先頭集団に絞られた。

最終周回、マルティネスが古賀志で決めた!

静寂が続いた11周目を経て、レースが再び動いたのは12周目の古賀志林道。レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)が強烈なアタックを見せ、集団は7名にまで絞られる。

レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)のアタックにより先頭は4名に
追走集団を引っ張るマイケル・マシューズ(チームジェイコアルウラー、オーストラリア)

勝負の13周目、マルティネスが再びペースアップすると、先頭はマルティネスアレックス・ボーダン(EFエデュケーション・イージーポスト、フランス)、アレッサンドロ・ファンチェル(TEAM UKYO、イタリア)、イサギレの4名に。

独走で優勝したレニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)

そして運命の最終周回。マルティネスは最後の古賀志林道で、登りはじめからこの日一番の強烈なアタックを敢行。ライバルたちを突き放し、独走態勢を築いた。追いかけるボーダンとイサギレも及ばず、マルティネスは勝利を確信しながらフィニッシュラインへ。若きフランス人クライマーが、ジャパンカップの栄冠を手にした。

日本人最上位は18位集団でのスプリントに参加した留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)の22位

2位争いは、ボーダンがイサギレをスプリントで下し先着。4位にはマティス・ロンデル(チューダープロサイクリングチーム、フランス)、そしてツアー・オブ・ジャパン覇者のファンチェルが5位に入り、国内チーム最上位となった。日本人最上位は、6分59秒遅れの集団でゴールした留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)の22位だった。

サラブレッドの血統、22歳の新星が宇都宮で輝く

優勝したレニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)とチームメイト

ジャパンカップ史上初のフランス人覇者となったレニー・マルティネスは、カンヌ出身の22歳。その血筋は、まさにロードレース界のサラブレッドだ。祖父は1978年のツール・ド・フランスで山岳賞を獲得したマリアーノ・マルティネス。父はシドニー五輪と2000年世界選手権のMTBクロスカントリーを制した伝説のライダー、ミゲル・マルティネス。叔父のヤニック・マルティネスもプロとして活躍した、まさに自転車一家に生まれた。

2022年にグルパマ・FDJの育成チームでプロデビューすると瞬く間に頭角を現し、翌年にはトップチームへ昇格。そして2025年、バーレーン・ヴィクトリアスへ移籍し、その才能を完全に開花させた。このジャパンカップでの勝利は、今シーズン4勝目、プロ通算10勝目となる記念すべきものとなった。

選手コメント

優勝 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)

「気分は良いです。チームが良い仕事をしてくれましたし、最後の上りで僕が仕事をしました。脚の調子も良かったので、レースは予定通りに進みました。スプリントでのゴールは避けたかったんです。集団でゴールするよりも一人でゴールする方が簡単ですからね。今日は最初にアタックするのが良い作戦でした。勝つためには、メンタルと脚の両方が必要です。そして、少しの運も」

2位 アレックス・ボーダン(EFエデュケーション・イージーポスト、フランス)

「(2位という結果に)とても満足しています。今日は僕より強い選手に負けました。なので、かなり満足しています。初めてここ日本に来て、レースを本当に楽しみましたし、その周りの全て、運営も、この国に滞在することも、本当に楽しかったです」

3位 ヨン・イサギレ(コフィディス、スペイン)

「(3位という結果に)満足しています。シーズンを表彰台で終えるというのは、いつだって良いことです。結局のところ、レニー(・マルティネス)が一番強いことを証明しましたし、最後の上りで彼についていくことはできませんでした。でも、ボーダンも私もお互いにうまく連携し、表彰台の座を争うことにしました」

アジア最優秀選手賞・日本人最上位22位 留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)

「去年同様にやっぱり外国から本当に強い選手がたくさん来ていて、激しい展開が進んでいました。はい、ちょっと僕は太刀打ちできない状況だったので、まだまだパワーアップする余地があるなと感じました。登りでたくさん名前聞こえてきて、本当に元気が出ました。また来年も応援よろしくお願いします」

橋川丈(愛三工業レーシングチーム)

「勝ち逃げに繋がる逃げに反応して、やっぱり自分的にはそこが力不足で、トップのワールドツアーには張り付けなくて。そこで1回オールアウトして終わってしまった。でも、彼らと一緒に走って、ただ集団に残っているだけではなく、自分でこう逃げに反応して、張り付くっていうのが今日の目標だったので、そこができたっていうのはよかった。ファンの皆さんから、(前のメイン集団に残った)日本人唯一だったので、本当にみんなから名前を呼んでくれて。本当に鳥肌が立って、自分もワクワクして、どんどんどんどん前々で行こうっていう気持ちだったので、そういうところも本当に、すごい力になりました」

2025宇都宮ジャパンカップロードレース リザルト

1位 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス) 3時間30分00秒
2位 アレックス・ボーダン(EFエデュケーション・イージーポスト、フランス) +32秒
3位 ヨン・イサギレ(コフィディス、スペイン)
4位 マティス・ロンデル(チューダープロサイクリングチーム、フランス) +40秒
5位 アレッサンドロ・ファンチェル(TEAM UKYO、イタリア)
6位 ライリー・シーアン(イスラエル・プレミアテック、アメリカ) +49秒
7位 マイケル・マシューズ(チームジェイコ・アルウラー、オーストラリア) +1分46秒
8位 サム・メゾノブ(コフィディス、フランス) +1分49秒
9位 ジュリアン・ベルナール(リドル・トレック、フランス) +2分39秒
10位 パウ・マルティ(イスラエル・プレミアテック、スペイン) +2分47秒

山岳賞

3周目:ゲオルグ・シュタインハウザー(EFエデュケーション・イージーポスト、ドイツ)
6周目:ニコロ・ガリッボ(TEAM UKYO、イタリア)
9周目:ルーカ・ファンボーヴェン(アンテルマルシェ・ワンティ、ベルギー)
12周目:レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)

アジア最優秀選手賞

留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)

U23最優秀選手賞

レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)

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せいちゃん

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稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

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