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岡篤志が最終戦スプリントを制す 金子宗平が3位でJプロツアー年間総合2連覇を達成

JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)が主催する国内最高峰シリーズ、Jプロツアーの2025年シーズン最終戦「JBCF群馬CSCロードレース10月大会 Day1」が10月25日、群馬サイクルスポーツセンターで開催された。冷たい雨が降りしきる過酷なコンディションの中、150kmの長丁場を戦い抜き、最後は3名に絞られたゴールスプリントを岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン)が制し、シーズン最終戦で劇的な勝利。そして、3位に入った金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が、プロリーダージャージを守りきり、見事2年連続となるJプロツアー年間総合チャンピオンの栄冠を手にした。

冷雨の群馬CSC、序盤からハイペースなアタック合戦

朝から降り続く弱い雨と、気温10℃という厳しいコンディションの中、2025年シーズンの最終決戦は幕を開けた。6kmのサーキットを25周する150kmの長丁場は、スタート直後からアタック合戦が勃発。1周8分台という、このコンディションでは異例とも言えるハイペースで周回が進んでいく。

年間個人総合優勝のかかる金子と、逆転を狙う岡。二人の動向に注目が集まる中、7周目にレースが動く。孫崎大樹(ヴィクトワール広島)武山晃輔フォン・チュンカイ(Astemo宇都宮ブリッツェン)、馬場慶三郎(弱虫ペダルサイクリングチーム)、小出樹(イナーメ信濃山形)、菅原聡と山里一心(アヴニールサイクリング山梨)という7名の強力な逃げ集団が形成された。宇都宮ブリッツェンが2名を送り込む有利な展開だ。

プロリーダージャージを着る金子は、「ブリッツェンが2人乗っているので、もうステージを勝つ作戦に切り替えてくれるだろう。このまま逃げ切ってくれないかな」という思いで、集団内で岡を徹底的にマークする“消極的プラン”に切り替えたという。

後続のメイン集団はチームサイクラーズ・SNELとレバンテフジ静岡がコントロールし、1分前後のタイム差を維持。レースは膠着状態のまま、後半戦へと突入した。

寺田吉騎の追走、そしてダイボールの独走劇

レースが再び大きく動いたのは、残り10周を切ったところ。メイン集団から、オープン参加の寺田吉騎(バーレーン・ヴィクトリアスデベロップメントチーム)が単独で追走を開始。この動きをきっかけに集団が一気に活性化し、逃げ集団との差を急速に縮めていく。

そして残り7周、先行していた7名を吸収すると、間髪入れずにヴィクトワール広島のベンジャミン・ダイボールがカウンターアタック。瞬く間に後続を引き離し、単独での逃げ切り態勢を築いた。一時は後続に1分以上の大差をつけ、その独走力を見せつける。

岡も「彼の独走力はこれまでのレースで証明済み。捕まえるのは難しいと思った」と語るほどの強力なアタックだった。

宇都宮ブリッツェン、王者の組織力で追走

絶体絶命かと思われたメイン集団。しかし、ここから年間チームランキング首位で個人との2冠を狙うAstemo宇都宮ブリッツェンの組織力が火を噴いた。

岡は、「チームメイト全員が先頭に集まるまでしっかり待って、コントロールに入った」と振り返る。焦って単独で追うのではなく、チームとしてペースをコントロールし、ダイボールを追い詰めていく。逃げていた武山や、谷順成らが身を粉にして集団を牽引。その走りには鬼気迫るものがあった。

ダイボールも必死の逃げを見せるが、ブリッツェンの組織的な追走の前に、その差は徐々に縮まっていく。

最終周回、岡と金子が抜け出し、3名の頂上決戦へ

そして運命の最終周回。ブリッツェンの強力な牽引によって、ついに残り1km付近でダイボールを吸収。その直後、今度は息を潜めていた山田拓海(シマノレーシング)、そしてプロリーダージャージの金子がカウンターで抜け出すという、目まぐるしい展開に。

金子は「(ダイボールを吸収して)大集団のスプリントになるのは嫌だった。」という思いで、自らアタックを仕掛けたという。これに岡と山田が反応し、勝負はこの3名に絞られた。

最後は3名によるゴールスプリント勝負となり、僅差で岡が先着。シーズン最終戦を見事な勝利で締めくくった。2位には山田、そして3位に入った金子は、この結果をもって年間個人ランキング首位の座を確定させ、2年連続のJプロツアー年間総合チャンピオンに輝いた。

選手たちの声

優勝 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン)

「正直、自分が今日勝てるとは思っていなかった。チームメイトが自分の成績を犠牲にして追ってくれて、本当に価値ある勝利。金子選手が(最終盤)1本引きだったので、少し申し訳ない気持ちもあってガッツポーズはしなかった。個人総合は2位だったが、最後の最後で優勝できて、本当に良い終わり方ができた」

3位・年間個人総合優勝 金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)

「総合がかかっていたので、いつもより消極的になってしまった。(最後の3名になった時も)岡選手が勝ってくれて、ほっとしているというか、嬉しい気持ち。お互いに嫌なマークをして思い通りのレースができない状態だったので。負けはしたけど、気持ちよく終えられたシーズンになった」

Jプロツアー JBCF群馬CSCロードレース10月大会 リザルト

1位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) 3時間45分35秒
2位 山田拓海(シマノレーシング)
3位 金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)
4位 松本一成(チームサイクラーズ・SNEL) +8秒
5位 中村圭佑(ヴィクトワール広島)
OPN 寺田吉騎(バーレーン・ヴィクトリアスデベロップメントチーム)
6位 望月蓮(アヴニールサイクリング山梨)
7位 山﨑健(備後しまなみeNShare)
8位 池谷隆太(稲城FIETSクラスアクト)
9位 シーム・キスコネン(レバンテフジ静岡)
10位 エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島)

敢闘賞

ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)

2025年 Jプロツアー 年間ランキング

  • 個人総合:金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)
  • U23:林原聖真(群馬グリフィンレーシングチーム)
  • チーム総合:Astemo宇都宮ブリッツェン

冷たい雨の中、シーズンの終わりを告げるにふさわしい、各チーム、各選手の思惑が交錯するドラマチックな展開となった最終戦。来シーズン、新たなチャンピオンジャージを巡る戦いが、今から待ち遠しい。

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PROFILE

せいちゃん

せいちゃん

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

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