
メリダの上位モデルスクルトゥーラvsリアクトを徹底比較|MERIDA
山口
- 2025年11月22日
INDEX
MERIDA の2大ロードレーシングモデル、SCULTURA(スクルトゥーラ)とREACTO(リアクト)。ともにワールドチーム「バーレーン・ヴィクトリアス」の選手たちが実戦で使用し、世界的評価も高い2台だ。軽量オールラウンダー「スクルトゥーラ 」(第5世代)と上れるエアロロード「リアクト」(第4世代)を改めて徹底比較してみた。
軽量オールラウンダー「スクルトゥーラ 」(第5世代)

第5世代となる最新スクルトゥーラは、軽量モデルとしての伝統に加え、エアロロード「リアクト」の設計思想を積極的に継承。

一体型ハンドル&ステムによるケーブル完全内装化、エアロ形状のフォーク、フレーム前面の空力最適化など、現代ロードレーシングの要素を総取り。それでいてMサイズ861gという軽さを誇る。
快適性への配慮も見逃せない。シートチューブを短くし、シートポストを露出させたことで、しなりを活かし、軽量/高剛性バイクにありがちな突き上げ感を抑制。ヒルクライムからロードレース全般まで「死角のない万能性」が最大のポイントだ。

上れるエアロロード「リアクト」(第4世代)

メリダが誇るエアロロードの第4世代として登場したリアクト。ケーブルフル内装化、フォーク形状の最適化、シートクランプのビルドイン化するなど当時の先端のCFD解析を軸に設計されたモデルだ。

最近でこそ次世代モデルがうわさされてこそいるが、シートポストにはエラストマーを搭載し、エアロロードの弱点である快適性を補完する設計している。まさらに“速いだけのエアロ”から脱却した先駆け的な存在だ。フレーム重量も「965g」54サイズと軽量で、登坂性能にも優れるのがポイントとなる。

スペック比較

| モデル | スクルトゥーラ TEAM | リアクト TEAM |
|---|---|---|
| フレーム | SCULTURA CF5 V | REACTO CF5 IV |
| 重量 | 6.7kg(XS) | 7.5kg(S) |
| コンポ | SHIMANO DURA-ACE Di2 | SHIMANO DURA-ACE Di2 |
| ホイール | Vision Metron RS 45 SL Clincher TL Disc | Vision METRON 60 SL Clincher carbon |
| タイヤ | Continental Grand Prix 5000S TR 700x28C | Continental Grand Prix 5000S TR 700x28C |
| ハンドルバー | VISION METRON 5D ACR EVO MAT carbon | VISION METRON 5D ACR EVO MAT carbon |
| 価格 | 165万円 | 175万5000円 |
編集長山口が2台試乗レビュー

ここではメリダの主力2車種、スクルトゥーラとリアクトに乗ってみた。新ためて試してみると「乗りやすい2台」であることを改めて感じることになる。
この2車種のうち比較的新しいスクルトゥーラも登場から4年の月日が経っているが、いまだに色あせた感じはない。むしろ、その後プロの世界に流行した「ナローハンドル」の影響を受けなかった分、週末楽しむライダーにとってはむしろ乗りやすいトップモデルとして高評価を得ているともいえる。ここは一般ライダーがバイクを選ぶうえでは大切なポイントとなる。

さらに2019年に登場してから、スーパーロングセラーとなっているリアクト。ジャパンカップではその次世代モデルのプロトタイプと噂されているバイクが優勝するなど、レースの現場ではスクルトゥーラにその登場シーンを譲すことも多いのは事実。ただし、リアクトの安定した走りは今なお衰えることを知らない。
この2台、総じて路面からの衝撃を緩和してくれる「いわゆるコンプライアンス性能」については特筆すべきものがあり、レースを前提とした走りをしなくなった自分でも、無理なく楽しめるところが好印象だ。
ハンドリングに安定感があるリアクト、クイックなスクルトゥーラ

あえて2台の違いを指摘するとすれば、大きくはハンドリングの違いだろう。これは乗り方の好みで大きく分かれるところだ。
リアクトはバイクを大きく倒して曲がっていくタイプ、いっぽうスクルトゥーラはステアリングを切るようにしてクイックに反応していくタイプ。このため高速の下りコーナーではリアクトの方が安心して攻めていける。例えば群馬CSCや修善寺などでは乗りやすく感じるだろう。

この傾向はダンシングをしたときにも同じで、スクルトゥーラはハンドルを抉るように切りながら上っていく選手でも扱いやすいため、身軽な選手はよりスクルトゥーラを好む傾向になるだろう。いっぽうリアクトはダンシングでも大きくハンドルを倒すように大きく左右に振っていくと登っていく。これは良し悪しではなく好みが分かれるところだ。
無難に選ぶならリアクト、ロードバイクらしさを楽しむならスクルトゥーラ


どちらもトッププロが認めるハイエンドマシン“軽さのスクルトゥーラ”、“空力のリアクト”という根本的なキャラクターは、今も確固として存在している。ただし、オールロードやグラベルバイクなど多くのバイクが存在するなか、スクルトゥーラのほうが汎用性という点ではより幅広いニーズに合わせることができる。
いっぽう素直にロードバイクでスポーティーな走りを追求したいというのであれば、リアクトのほうがそのレーシングバイクさしさを楽しめると感じた。リアクトはあくまでも”レーシングバイク”というわかりやすいバイクだった。
GEOMETRY

スクルトゥーラ
| FRAME SIZE | 41 | 44 | 46 | 48 | 50 |
| SEAT TUBE (ST) | 400 | 435 | 458 | 481 | 501 |
| TOP TUBE (TT) | 505 | 520 | 535 | 545 | 560 |
| CHAIN STAYS (CS) | 408 | 408 | 408 | 408 | 408 |
| HEAD TUBE ANGLE (HTA) | 70.5 | 70.5 | 72 | 72.5 | 73.5 |
| SEAT TUBE ANGLE (STA) | 75.5 | 74.5 | 74 | 74 | 73.5 |
| BOTTOM BRACKET DROP(BD) | 70 | 70 | 70 | 66 | 66 |
| HEAD TUBE LENGTH (HT) | 100 | 105 | 112 | 128 | 140 |
| FORK LENGTH (FO) | 385 | 385 | 385 | 385 | 385 |
| REACH (R) | 373 | 377 | 383 | 390 | 395 |
| STACK (S) | 512 | 517 | 529 | 542 | 557 |
| STAND OVER HEIGHT (SH) | 700 | 721 | 745 | 765 | 782 |
リアクト
| FRAME SIZE | 44 | 47 | 50 | 52 | 54 |
| SEAT TUBE (ST) | 440 | 470 | 500 | 520 | 540 |
| TOP TUBE (TT) | 505 | 520 | 535 | 545 | 560 |
| CHAIN STAYS (CS) | 408 | 408 | 408 | 408 | 408 |
| HEAD TUBE ANGLE (HTA) | 70.5 | 70.5 | 72 | 72.5 | 73.5 |
| SEAT TUBE ANGLE (STA) | 75.5 | 74.5 | 74 | 74 | 73.5 |
| BOTTOM BRACKET DROP(BD) | 70 | 70 | 70 | 66 | 66 |
| HEAD TUBE LENGTH (HT) | 100 | 105 | 112 | 128 | 140 |
| FORK LENGTH (FO) | 385 | 385 | 385 | 385 | 385 |
| REACH (R) | 373 | 377 | 384 | 390 | 395 |
| STACK (S) | 512 | 517 | 529 | 542 | 557 |
| STAND OVER HEIGHT (SH) | 727 | 746 | 771 | 792 | 810 |
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