
まんが家が行く「銚子電鉄駅舎めぐりサイクリング」|夏福ゆるポタエッセイ vol.22
Bicycle Club編集部
- 2026年02月01日
連載「まんが家・夏福のゆるポタコミックエッセイ」、今回は千葉県銚子市へ。銚子電気鉄道の駅舎を巡るサイクリング、名物の駅看板のある駅舎を自転車でのんびり散策してみました。
銚子駅からスタートし、個性的な駅舎を巡ってみた
千葉県銚子市を走る銚子電気鉄道は、全長6.4kmととても短いローカル鉄道です。副業で始めたぬれ煎餅の大ヒットや、駅名愛称の命名権を販売するネーミングライツで廃線の危機を乗り越えてきたことで知られています。
10駅ある駅舎は、レトロだったり海外の建築物を模したものがあったりと個性的で、愛称入りの駅看板も設置されているということでぜひ見てみたい。
ということで、今回はその銚子電鉄の駅舎を巡りたいと思います。

JR銚子(ちょうし)駅スタート。総武本線と成田線が乗り入れる駅舎は近代的な大きな駅ですね。銚子電鉄の銚子駅は改札内にあります。

仲ノ町(なかのちょう)駅に到着。外観だけではなく、待合室にはヤマサしょうゆのレトロなベンチや黒板に書かれた運賃表があったりと、とても趣があっていい感じです。ネーミングライツの愛称は「えぇ銚子!!えぇトラックレンタル♡A-TRUCK」。ノリノリですね。冷凍車のレンタルやリースを行っている会社が命名。

駅の周りにはヤマサ醤油の本社や工場があり、その間を走って行きます。

観音(かんのん)駅に到着。突然の洋風の建物に驚きました。スイスの登山列車駅をイメージした駅舎です。駅名とのギャップがすごい。愛称は命名権を取得した「金太郎ホーム」の名前がそのままつけられています。


本銚子(もとちょうし)駅。愛称は「上り調子本調子(ほんちょうし)京葉東和薬品」ですが、駅の読み方は「もとちょうし」駅です。命名権を取得した会社名が入っています。
数年前にテレビの企画でリフォームしたそうで、待合室には綺麗なタイルが貼られたベンチや子どもたちが作ったのであろう、かわいいステンドグラスがありました。

次の駅へはこの住宅の間の細い道を入っていきます。

笠上黒生(かさがみくろはえ)駅。こちらは以前のネーミングライツで命名された「髪毛黒生」がSNSで話題になっていたのを覚えています。当時命名権を取得したスカルプケアメーカーがつけた愛称で、その名から髪の聖地として好評だったそうです。おもしろい。そして現在の愛称は「ナウル共和国」になっていました。なぜ国名…調べてみると、驚いたことに本当にナウル共和国が命名権を取っていることがわかりました。銚子電鉄とナウル共和国、それぞれのSNSアカウントでの交流がきっかけなんだそうです。すごいですね。

次の西海鹿島駅のすぐそばに、近距離で隣り合う踏切があったので思わずパシャリ。

西海鹿島(にしあしかじま)駅は他に比べてひときわ小さな駅で、ホームと待合室の小屋があるのみでした。愛称は「見えないことで、未来を拓く アシザワ・ファインテック株式会社」。企業理念と会社名が入っています。

海鹿島(あしかじま)駅。ステンドグラス風の窓がおしゃれなレトロな駅舎。関東最東端の駅で、以前の愛称は「とっぱずれ」だったそう。現在の愛称は「AdBlue丸山化成」。命名権を取得した丸山化成の会社名と、その会社が扱うディーゼル排ガス浄化液AdBlueから命名。

君ケ浜(きみがはま)駅。愛称「ロズウェル」は、1947年にUFOが墜落して宇宙人が米軍によって回収したとされるアメリカのニューメキシコ州の地名で、銚子がUFOで町興しをしていることもあって名付けられたのだとか。
特徴的な柱は、以前はアーチ状のゲートだったものが老朽化で上部が撤去され、柱だけが残っているようです。
外川漁港の食堂で金目鯛の煮つけを堪能

次の駅へ向かう前にちょっと道を逸れて、犬吠埼灯台に立ち寄り。

犬吠(いぬぼう)駅に到着。こちらの駅はポルトガルの宮殿がモチーフでになっています。愛称は「崖っぷち」。2025年から銚子電鉄自体の愛称が「犬吠崖っぷちライン」となり、同年デビューした歌手(デビュー曲「崖っぷち」)とのコラボ企画での命名なんだとか。銚子電鉄は「経営が崖っぷち」ということでしょうか。
駅舎内には売店「てつみちの駅」があり、銚子電鉄を救ったぬれ煎餅や名前が話題になったまずい棒、その他銚子のお土産が購入できます。
残すはあとひと駅!その前にご飯にしましょう。

銚子市の南側に位置する漁港へとやってくると、巨大な真っ赤な金目鯛のオブジェが設置されていました。金目鯛といえば伊豆や熱海のイメージがあったのですが、銚子も金目鯛が名産で、手釣りによって水揚げされることから銚子つりきんめと呼ばれています。
子供の頃によく赤魚の煮付けが食卓に上がっていて、嫌いではないものの子供の舌にはあまり合わず、その後も食べる機会はありつつも魚の煮付けにはいい思い出がないまま今に至ったのですが、それでも産地ものもはきっと美味しいに違いないと、いつか食べてみたいと思っていました。
海の目の前に立つ魚料理ふくやさんで「きん目煮&さし身定食」を注文。
こちらの煮付けは注文後に煮始めるため、少々お時間いただきますとのこと。
海の目の前に立つ魚料理ふくやさんで「きん目煮&さし身定食」を注文。こちらの煮付けは注文後に煮始めるため、少々お時間いただきますとのこと。これまで飲食店で煮魚定食を選択したことがなかったので、じゅうぶんいい歳なのに「煮付け定食を頼むなんて大人だわ…」と思いながら待ちます。

作り置きをしていないため、味が染みすぎておらず身はふっくらとしていて甘い。甘辛い煮汁を絡めていただくと最高です。記憶の中の飴色でやや身が固くなったものとは異なります。お刺身も新鮮でとても美味しかったです。優しいご夫婦お二人で切り盛りされていました。
頼朝伝説の犬岩を見てから、とっておきの「豆腐プリン」

ふくやさんからすぐ近く、犬岩にやってきました。源義経が頼朝に追われ逃れる際、残された愛犬が主人を慕って七日七晩泣き続けて岩になったという伝説があり、犬吠埼の「犬吠」はその声が届いたことからその名がついたと言われているそうです。

駅へと向かう途中、榊原豆腐店に寄り道。外壁に「フ」の文字が10個で豆腐なんですね。フフフフフ…とつい口から出てしまいます。
豆乳プリンをお店の前のベンチでいただきます。豆腐一丁分くらいある豆乳プリンに黒蜜ときなこがたっぷりとかかっていて、定食を食べた直後に完食できるかと一瞬ひるみましたが、プリン自体が甘みのないほぼなめらかなお豆腐で、濃厚な蜜と香ばしいきな粉にピッタリでペロリといただけました。
自転車で来たとわかる私に、以前犬吠埼で行われていた自転車レース「犬吠埼エンデューロ」の参加者がこのプリンを食べに来ていたとお店の方がお話ししてくださいました。豆腐は良質なタンパク質ですもんね。喉越しも良く、なんといっても美味しい。銚子サイクリングの補給に是非。

お豆腐屋さんからすぐ近く、いよいよ最後の駅となる外川(とかわ)駅に到着です。趣のあるノスタルジックな外観です。敷地内には引退した車両が展示されていました。
愛称の「ありがとう」は、命名権を取得した早稲田ハウス株式会社が最も大切にしている言葉から、そして銚子電鉄の「ありがとうと言ってもらえる会社になりたい」という思いが一致し命名されました。
ここからは自転車を輪行し銚子駅まで戻ります。ローカル線でいつも不安になるのが、無人駅からの乗車方法です。線によってルールが違うのでスマホで調べます。銚子電鉄では電車内で乗務員さんから切符を購入する流れのようです。

のどかな町中を走り抜ける車内では、見どころや駅ごとの紹介などが放送されていました。

スタート地点の銚子駅へ到着しゴール。改札内にある銚子電鉄の乗り場には、オランダの風車小屋をイメージした駅舎があります。愛称は「いつでもどこでも人とともに ROUTEINN HOTELS」。
全長6.4kmと自転車ではあっという間で徒歩でも行ける距離ですが、かわいい駅舎をのんびりと巡れ、のどかな列車の旅も味わえて楽しい一日となりました。

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