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宮里優作最終盤に語った集中力と苦しい時期を支える思考法|EVEN連載 The NEXT STAGEより

変化と進化を繰り返しながらその先に広がる“新たな地平”に挑む宮里優作プロのインサイドストーリー。
繰り返し語られてきた「やるべきことをやる」の真意を今さらながら痛感した今季最終盤。

集中の継続は大前提。

長く話を聞いているのに、今もって優作の心情を理解できていないのかもしれない。そんな悔やみ交じりの疑念を抱いたのは、それこそ今さら不適当な質問を用意したように思ったからだ。

1980年沖縄県生まれ。2003年4月ツアープロデビュー。2013年のツアー最終戦で初優勝。再び2017年の最終戦、ゴルフ日本シリーズJTカップでシーズン4勝目(通算7勝)を挙げ賞金王に。2年間のヨーロピアンツアー挑戦を経て、2020年から戦いの場を再び国内へ。 www.yusakumiyazato.com [大和ハウス工業 所属]

来ている時、来ていない時。または来そうな時、来なさそうな時。1ラウンドが長時間に渡るゴルフには様々な局面が訪れるが、各場面でいかに集中力を保とうとするのか。そこにメソッドのようなものはあるのか。

以上の質問を初球に選んだのには理由がある。インタビュー直前の11月第3週に開催された「三井住友VISA太平洋マスターズ」。その初日が5バーディ・ノーボギーの1位タイ。見守る側にすれば、シーズン後半でいよいよ来たんじゃないかと、沸き立つ気持ちを抑えられなくなった。

だが、2日目以降はスコアが伸びず、というより下降の一途をたどり、最終的には5オーバーの56位タイまで沈んでしまった。その直近の結果に限らず、今季は2位タイでフィニッシュした5月の「中日クラウンズ」以外でトップ10に入っておらず、いわば苦しい試合が続いている中、結果に対して集中力が切れることはないのだろうか。その点をたずねたかった。

今回の写真はいずれも5アンダー1位タイで終えた「三井住友VISA太平洋マスターズ」の初日から。最終日への期待を膨らませるスタートながら、プレーする本人はショートゲームのつながりの悪さに不安を感じていたらしい。

ところが、最初の返事からして意表を突かれた。
「太平洋マスターズの初日5アンダー。あれは、まったく手応えのないものでした」
早くもこの時点で、見守る側とプレーする側の観点の、あまりの違いを思い知らされることになった。

「良いところからのパーセーブが保てたなら、内容的には納得できたかもしれません。けれどパターは入らず、あの日はたまたまつながっただけで、調子が良ければ誰でも出せるスコアだったと思いますよ」

誰でも出せるスコア?

「自分に手応えがないのに良い結果が出ることはよくあるんです。そんな時こそ大事なのは、悪くなってきた時でもスコアをまとめること。それができるほどの調子が出ていなかったから、ボディブローを喰らったみたいに、徐々に順位を落としていったんじゃないですかね」

特に調子が出なかったのは、ショートゲームだったらしい。

「何にせよ、スコアメイクの鍵を握るのはショートゲームですからね。ここが滞ると、つながりの良さを感じることができません。4日間を通してスコアがつくれないのは、そこに原因があります」
言うまでもなく、優作の自己分析は常に冷徹だ。それを知っていながら、しかも芳しくない成績で終えた直後、本人の口から分析結果を引き出すつもりがなかったのなら、やはり質問の仕方は間違っていたのかもしれない。などとしばし無言で反省していたら、優作から言葉を継いでくれた。

「よい結果が出ているからと言って、油断することはないんです。ゴルフは一寸先が闇。最終日の18番ホールが終わるまで、何が起こるかわからないし、何が起きてもおかしくはない。その過程で集中を切らすことはありません。苦しいゴルフが続いている最中でも、それは同じです。自分のメンタルが強いとは自負できませんが、メンタルの調子そのものは大して変わらないんです。とにかく、目の前のショットを頑張る。時々でやるべきことをしっかりやる。すべての集中力は、そこに向けられていると言って良いでしょうね」

やるべきことをやる。これは優作がよく口にするセリフだが、その意味を正しく理解していなかった可能性を、暗に指摘されたような言葉が続いた。

この続きはEVEN1月号Vol.207にて

プロの世界ならではの集中力の維持の大切さや、ゾーンに入りやすくするトレーニング方法など、気になるインタビューの続きは是非本誌を手に取ってその目で確かめて欲しい。

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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。

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