
上田桃子プロが語る、“勝つために”生きた20年。
シミズ
- 2026年06月08日
“勝つために”生きた20年。その先に見えたゴルフとファッションの本当の魅力。
パーリーゲイツとゴルフの現在地
今春のウェア市場で大きな反響を呼んでいる「パーリーゲイツ」の『GOLD RABBIT』。その特別プロジェクトでディレクションを務めた上田桃子プロに“ゴルフ”について伺ったロングインタビューをお届けする。
4月発売の『GOLD RABBIT』がわずか30分で完売。その背景には、上田桃子が長年愛してきた「パーリーゲイツ」への深い想いがあった。勝負の世界で戦い続けた20年。現役時代、ゴルフを楽しいと思ったことはなかったと語る彼女が、今あらためて感じる〝好き〞という感情。ファッション、勝負哲学、そしてこれからのゴルフとの向き合い方まで。今だから語れるゴルフへの本音を聞いた。

大好きなパーリーゲイツをもう一度伝えたかった
4月発売の『GOLD RABBIT』第1弾は、抽選受付開始からわずか30分で限定数が完売に達したそうですね。率直なお気持ちは?
「本当に素直にうれしかったです。今回はかなり細かいところまでこだわって、パーリーゲイツの皆さんにも、ここはこうしたい!と何度もお願いしていたので、その想いがちゃんと伝わった気がしました」

今回のコレクションで特にこだわった点は?
「私が昔から、パーリーゲイツって可愛いなって思っていたものをあらためて今伝えたかったんです。過去のアーカイブでも好きなものが本当に多くて。どれも思い出があるし、『懐かしい』『今見ても可愛い』ってなるので、選ぶのがすごく難しかったですね」
印象的だったのが、今回復刻されたオールインワン(第2弾)。
「これ、実は当時着られなかったんですよ(笑)。すごく好きだったんですけど、サイズや組み合わせの問題でうまく着こなせなくて。でも今見てもやっぱり可愛いし、〝パーリーゲイツらしさ〞が詰まっているデザインだと思います」
あらためて感じる、パーリーゲイツというブランドの魅力は?
「何年経っても色褪せないところですね。昔のデザインを今見ても『可愛い』って思えるのって、本当にすごいことだと思うんです。あと、ディテールの繊細さとか上品さ。派手なんだけど品がある。そのバランス感覚がパーリーゲイツの強さだと思っています」
現役時代、ウェアを選ぶ際に1番大切にしていたことは?
「〝自分らしく着こなす〞ことです。私は身長が高いわけでもないし、モデル体型でもないので、同じ服でもどうしたら自分らしく見えるかをすごく考えていました。色使いとか、サイズ感とか、ちょっとした丈感とか。そういう細かい部分ですね。当日の天候とか、コースの雰囲気とか、海辺のコースならシーサイドビューに映える色とか、そういう空気感を見て決めていました。他の選手とかぶらないという点もすごく意識してましたね」

ゴルフを楽しいと思ったことはなかった
以前、「ゴルフは仕事なので楽しいと思ったことはない」とお話されていました。今振り返って、心境の変化はありますか?
「たしかに言ってましたね。今思うと、生意気言ってたなって(笑)。でも本当に、現役中は〝楽しいからやる〞って感覚じゃなかったんです。勝ちたいとか、期待に応えたいとか、強くなりたいとか。そういう気持ちでずっとやっていました」
では、現在は?
「今振り返ると、すごく好きだったんだなって思います。じゃなきゃ、あんなに続けられないですよね。でも、もし今またゴルフをやるとしても〝楽しくやりたい〞とは思わないかもしれないです。ちゃんと練習して、準備して、そのプロセスを大事にしたい。多分、私はその過程が好きなんだと思います」

上手くなる人は1つを続けられる人
ゴルフが上達する人に共通するポイントを上げるとすると?
「1つのことを続けられる人ですね。今って、YouTubeとかSNSで新しい情報がすぐ入ってくるじゃないですか。でも、新しいことを始めるって、毎回〝1年生〞になることなんです。だから、いろんなことをやりすぎると、自分の軸がなくなってしまう。もちろんトライすることは大事です。でも、〝続ける力〞ってすごく大事だと思います」
今後、ゴルフとどう関わっていきたいですか?
「あらためてゴルフってすごく魅力のあるスポーツだなって思うんです。ファッションも楽しめるし、人とのコミュニケーションもある。だからこれからは、ゴルフを知らない人にも、その魅力を様々な形で伝えていきたいです。育成にも興味がありますし、ジュニア世代ともっと関わっていきたい気持ちもあります」
最後に、今やってみたいことは何でしょうか?
「実は、お酒を飲みながらゴルフしてみたいんですよ(笑)。現役中からずっと気になってて。アマチュアの方って、ハーフターンでお酒飲んで『後半の方が良かった』って言うじゃないですか。あれがどういう感覚なのか知ってみたい!たぶん、〝余計なこと〞を考えなくなるんですよね。それって、ゴルフにはすごく大事なことかもしれないなって思います」
〝勝つため〞に生きてきたトッププロだからこそ、言葉に説得力がある。ウェアの着こなしも、ゴルフとの向き合い方も、自分自身を知り尽くした上でのスタイル。上田桃子が今見つめるゴルフの景色は、以前より少し柔らかく、そして、変わらず真っ直ぐだった。


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