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30勝の先にしかない場所。申ジエが手にした「永久シード」の重さ

30勝とは、何なのか。

ひとつ勝つだけでも難しい。調子がいい。それだけでは勝てない。技術がある。それだけでも足りない。身体、心、天候、コース、そして相手。毎週のように条件が変わる世界で、最後の18番を終えたとき、ただひとり頂点に立つ。それを30回。日本女子ゴルフにおける永久シード権とは、その途方もない積み重ねに与えられる資格だ。

永久シードとは、どれほどすごいのか

JLPGAツアーでは、通算30勝を達成した選手に永久シードの資格が与えられる。申ジエ以前にこの資格を持っていたのは、樋口久子、大迫たつ子、涂阿玉、岡本綾子、森口祐子、不動裕理の6人だけ。申ジエは7人目だ。長い日本女子ゴルフの歴史を振り返っても、両手で数えられるほどしかいない。

ここに、この記録の異様さがある。年間で活躍するだけでは届かない。数年強かっただけでも届かない。30勝には、圧倒的な強さと、それを長く保つ時間の両方が必要になる。

30勝は「強かった」の証明ではない

一度勝つ。それは才能で説明できるかもしれない。だが、何度も勝つとなれば話は変わる。若い選手が次々に現れ、飛距離も伸びる。道具も変わる。コースセッティングも変わる。自分の身体だって、昨日と同じではない。

それでも勝つ。30という数字が証明するのは、ある瞬間の強さではない。変化しながら、第一線に居続けたことだ。永久シードとは未来の出場資格であると同時に、過去に積み上げてきた時間への勲章でもある。

最後は、18番のバーディーだった

宝塚ゴルフ倶楽部旧コースで行われた日本女子オープン最終日。申ジエは66をマークし、通算11アンダーで桑木志帆と並んだ。勝負はプレーオフへ。そして18番でバーディー。日本女子オープン初優勝を決めた。

その一打で、JLPGAツアー通算30勝。史上7人目の永久シード権。そして公式競技4冠。いくつもの歴史が、同じ瞬間に重なった。

面白いのは、永久シードを取るために30勝したわけではないということだ。目の前の一打を打つ。目の前の一勝を取りにいく。それを長い年月、繰り返した。その結果として30という数字が残った。

「永久」という二文字

スポーツ選手の時間には限りがある。だからこそ、「永久」という言葉は重い。勝てなくなる日は来る。クラブを置く日も来る。しかし30勝は消えない。永久シードという資格もまた、その選手がどれほど長く、どれほど高い場所で戦ったかを記録し続ける。

申ジエは日本女子オープンを制した。けれど、この日の勝利を「メジャー1勝」で片づけると、本当の大きさを見失う。1勝の先に30勝があり、30勝の先に永久があった。

ゴルフは、一打を積み重ねる競技だ。偉業もまた、そうしてできている。

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EVEN 編集部

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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。

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