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「伝える」から「伝わる」へ。BiKom20が変える自転車ライド|SENA

グループライドで「声が届かない」と感じたことはないだろうか?
そんな小さな不便を感じていたサイクリストにとって、SENAの自転車用インカム「BiKom20(バイコム20)」は新しい解決策になるかもしれない。元アテネ五輪ロードレース代表で、現在は「リンケージサイクリング」を主宰し、自転車のサイクリングガイドツアーの運営をはじめ、ガイドの育成にも携わる田代恭崇さんに、「走行中に声が伝わる」メリットを聞きつつ、実際にBiKom20を使ってもらった。

ガイドツアーではハンドサインと声が命

田代さんが日常的に行っているサイクリングガイドツアーは、1名のガイドに対して3~6名のお客さんという構成が多い。グループライド中の車列の長さはおよそ30~50mにおよぶ。お客さんが6名以上になる場合は、最後尾にもガイドがつく。

「ガイドツアーに参加される方は、もともと走行に不安を感じている方が多いです。だからこそ、ガイドからの情報伝達はとても重要になってきます」と田代さんは話す。

ガイドの場合、走行中の情報伝達はハンドサインと声の両方を使って行う。ハンドサインを出しながら声で、「右(左)に曲がります」「右(左)に寄りましょう」「減速します」「止まります」等をその都度伝えてルートを案内していく。さらに、「この先は上りが続きます、ギヤを軽くしましょう」とアドバイスを端的に伝えることもあれば、「右手に富士山が見えますね」とロケーションの情報を伝えることもある。グループ全体の安全に配慮しながら、お客さんが安心して自転車で走れるようにする、それがガイドの役割だ。

神川県藤沢市でガイドツアーの企画・運営を手掛ける「リンケージサイクリング」代表の田代恭崇さん。JCGA(日本サイクリングガイド協会)の理事として、これまで100名を超えるサイクリングガイドの育成に携わっている
案内の基本はハンドサインと声。目視で後方を確認しつつ、自身の走行も安定させながら行う

しかし、実際に走りながら先頭が最後尾に声を届けることは容易ではない。

「一応、6名までは滞りなくガイドする技術を持っていますが、車列が長くなると後方の方に「止まります」を声で伝えるのが難しくなってきます。後ろを振り向きながら大きな声を出す必要があります。経験上、1番目から3番目の方までは比較的通じやすく、それより後ろになればなるほど情報の共有が困難になってきます」

田代さんの話は、私たちがグループライドするときにもそのまま当てはまるだろう。集団走行中に前車のブレーキにヒヤリとした経験など、事前に仲間が注意喚起したつもりでも、それが伝わっていない、というケースは多いものだ。

ストレスのない装着感と直感的な操作性

では、グループライドにおいて「声の届かなさ」をどう解消するか――そんな方におすすめなのが自転車用インカムだ。なかでも手頃で使いやすいと評判なのが、2025年6月に発売されたSENAの最新機種、BiKom20で、その使い勝手を田代さんに試していただいた。

SENAのBiKom20。手のひらにすっぽり収まるコンパクトな大きさで、サイズは縦54mm×横27mm×厚み16.3mm。重量はわずか20g。価格はシングルパック(1個入り)が、27,280円(税込)、デュアルパック(2個入り)が50,380円(税込)。カラーはホワイトとブラックの2色

田代さんは現役のロードレース選手だったころ、レースでよくインカムを使っていたという。レース中のトップとのタイム差や、遅れている選手、天気や風の強さ、他のライバルチームの情報などをチームカーや選手同士でやり取りできるため役に立った。

「走りながら多くの情報を得られるのがインカムならではの強みですね」と田代さんは振り返る。ただ、当時使っていたインカムは、イヤホンを耳に入れて背中にケーブルを回し、本体をバックポケットに入れるタイプ。スタート前の準備に手間がかかり、トイレに行くのもひと苦労だった、と笑う。

「その点、BiKom20はいいですよね。マイクと本体が一体型になっていて、ヘルメットのあご紐に装着するだけで使える。とても手軽です」

加えて、マイクのオンオフがマイクバーを回すだけで切り替えられる操作性も評価する。感覚的に簡単に扱えるから使用感がよく、マイクをオンにすると「マイクオン」、マイクをオフにすると「マイクオフ」と音声で知らせてくれる。

マイク機能はマイクを下向きに回転させるとオン、上向きに戻すとオフになる

「生きた情報」をおたがいに共有できる

このBiKom20を先頭の田代さんと後方(最後尾)のガイドがそれぞれ装着して、6名のツアーで試してみた。自転車は一列走行が基本だから前後のライダー同士で長い会話はしにくいが、BiKom20があると隣に人がいるかのように耳元に声が届くのが新鮮だ。

「おたがいが50m離れていてもコミュニケーションが取れるのは心強いですね。一番良かったのは、『後ろからクルマが来るよ』と伝えてもらえること。安全にかかわる情報共有ができるのはとても大きい」と田代さん。先頭はグループの様子を把握するための後ろを振り返ることが多いが、慣れてないとなかなかうまくいかないもの。後方から状況を伝えてもらえることで先頭はより前方の交通状況に集中できる。

一方、後方のガイドにもメリットがある。先頭のガイドが「一時停止で少し前に詰めて止まりましょう」と声がけしたら、その情報をすぐに後ろの参加者に伝えて全体の動きをフォローできるようになる。これまでハンドサインや視覚的に判断していた部分が、声として届くのでライドがよりスムーズになった。障害物や急カーブ、後続車など先頭と後ろで視界を共有するような感覚がある。

ガイドツアーでBiKom20をテスト。走行中の「情報の遅れ」が減り、ライドの心地よさが増した
機器はヘルメットのあご紐に装着する。身体に密着しないので長い時間使っていてもストレスフリーだった

声が届くからグループライドはもっと楽しくなる

ガイドはコースの案内のほかに観光情報などもお客さんに伝える。走りながらだと前方の人にしか伝えられないが、もし全員がインカムを付けていれば簡単に共有できる。

「走行中に『富士山が見えます』と声をかけるだけでも、ライドの楽しさは変わってきます。コミュニケーションの重要性は、仲間同士のグループライドでも同じだと思います」と田代さん。

仲間うちでは、「次を左(右)に曲がるよ」といった案内をはじめ、「坂の勾配はどれぐらい?」「ペースを少し落として」「そろそろ休憩しよう」「ボトルが空だから水分補給したい」「ウインドブレーカーを脱ぎたい」「先にいくね」など、伝えたいと思うことはいろいろ出てくる。こうした細やかなやり取りがリアルタイムでできるとグループライドの快適性はグッと増す。

BiKom20には専用アプリが用意されている。ただ、それを介さなくても起動後すぐに会話を始められるので誰もがとっつきやすい

親子ライドにも心強い

親子で走るサイクリングでもBiKom20は心強い存在だ。子どもと一緒に走るときは自分のライド以上に安全への気配りが必要になるもの。子どもが前方へ進んでしまったときには「その先に危険がないか確認してね」と伝えられるし、反対に遅れているようなら「調子はどう?」と様子を聞くこともできる。自転車に乗り始めたばかりの子どもなら、なおのこと役に立つだろう。以前は風切り音にさえぎられていた声が、しっかり届くようになるのは大きい。

目的地までの移動が、ただの移動ではなく安全で楽しい時間に変わる──そんな体験を手軽に作ってくれるのがBiKom20だ。

安全性を補えるだけでなく、子どもはこうしたギアを遊び道具として楽しんでくれる
サイクリングだけでなく、買い物や習い事の付き添いなどにも便利

SENA公式サイト

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

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