
メリダがバーレーン・ヴィクトリアスとのパートナーシップ終了を発表 9年間の共闘関係に幕|MERIDA
Bicycle Club編集部
- 2025年11月28日
11月28日、メリダジャパンは、台湾の自転車ブランド「MERIDA(メリダ)」とUCIワールドチーム「バーレーン・ヴィクトリアス」とのパートナーシップを、2025年シーズンをもって解消することを発表した。チーム創設の2017年から9シーズンにわたり、グランツールやモニュメントで数々の勝利を支えた名タッグがその歴史に幕を下ろす。
2017年のチーム創設から9シーズン 戦略再編に伴うパートナーシップ解消

2017年のチーム創設時、「バーレーン・メリダ」として共同タイトルスポンサーを務めて以来、長きにわたりメインバイクサプライヤーとしてチームを支え続けてきたメリダ。その後チーム名は「バーレーン・マクラーレン」、「バーレーン・ヴィクトリアス」と変遷したが、メリダは一貫してテクニカルパートナーとして、その走りを足元から支え続けてきた。
今回の発表によると、両社のワールドツアー・スポンサーシップ戦略の再編に伴い、2025年シーズン終了をもってパートナーシップを終了することで合意したという。
ニーバリ、コルブレッリ、モホリッチらと築いた黄金時代

9年間に及ぶパートナーシップは、まさにチームの黄金時代そのものだった。
初期にはヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)が2017年のイル・ロンバルディア、そして2018年のミラノ〜サンレモを制覇し、設立間もないチームとメリダの存在感を世界に知らしめた。


記憶に新しいところでは、2021年のパリ〜ルーベにおけるソンニ・コルブレッリ(イタリア)の劇的な勝利が挙げられる。泥まみれの激闘をエアロロードのREACTO(リアクト)で制し、欧州王者としてのジャージを泥で覆い隠しながら号泣したシーンは多くのファンの脳裏に焼き付いているはずだ。

また、機材面での革新性において特筆すべきは、2022年のミラノ〜サンレモにおけるマテイ・モホリッチ(スロベニア)の勝利だろう。ロードレースでは異例とも言えるドロッパーシートポストをSCULTURA(スクルトゥーラ)に投入し、ポッジョの下りで他を圧倒した走りは、メリダの技術的な柔軟性とチームの戦術が見事に噛み合った瞬間だった。モホリッチはその後、2023年にグラベル世界選手権もSILEX(サイレックス)で制している。

ミラン・エルゼン代表「メリダは生涯の友人」

チームのマネージングディレクターを務めるミラン・エルゼン氏(スロベニア)は、チームのリリース内で次のようにコメントを寄せている。
「メリダは単なるパートナー以上の存在であり、生涯の友人です。彼らは当初からファミリーの一員であり、我々の成功のすべてにおいて不可欠な役割を果たしてくれました。近い将来、レースで競い合うことになる偉大なパートナーに別れを告げますが、彼らが今後もロードレースで成功を収め続けることは間違いありません」
このコメントにある「レースで競い合うことになる」という言葉、そしてメリダ側のリリースにある「新たなワールドツアープロジェクトに向けた取り組みを進めております」という一文は、メリダが2026年以降、別のワールドチームへの供給、あるいは新たなチーム体制での参戦を画策していることを示唆している。
新城幸也が長年所属し、日本のファンにとっても馴染み深い「バーレーン×メリダ」の体制はこれで終了となるが、世界的バイクブランドであるメリダの次なる動き、そして新たなバイクスポンサーを迎えることになるであろうバーレーン・ヴィクトリアスの動向に注目が集まる。
今後の取り組みについては決定次第発表されるとのことだ。
問:メリダジャパン https://www.merida.jp/
- BRAND :
- Bicycle Club
SHARE
PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。



















