ただの写真教室ではない！写真と言葉を育む「宇宙HIKE」の魅力

2025年、フォトグラファーの松本茜さんが、山岳写真に捉われず自由な心で山と写真に向き合うコミュニティー「宇宙HIKE」を立ち上げました。「写真が好き」「自然が好き」——そんな人たちがゆるやかにつながりながら、それぞれのペースで学び、挑戦し、楽しむ場所である宇宙HIKEについて、今日はご紹介します！

ただの写真教室ではないのがおもしろい！

ワークショップは世の中にいろいろありますが、茜さんの空気はちょっと特別。撮影技術を教えてくれるだけでなく、参加者がどんな性格で、どこでつまずき、どんな視点で世界を見ているのか。写真を通して、そんな部分まで自然に読み取ってしまうのです。「写真を見れば、人となりはすぐ分かるよ」と茜さんはさらりと言いますが、初対面でも心の奥まで見抜かれているような感覚になり、最初は驚くかもしれません。

彼女がよく口にするのは、「写真が上手くなりたいなら、いまの悩みをそのままにしちゃだめ」という言葉。ここでいう悩みは、ISOや露出のことではなく、もっと根っこの部分です。あと回しにしてきた気持ち、小さく引っかかっていたこと、言葉にできない不安やモヤモヤ。それを丁寧に整えると、写真にもふしぎと表れるのだそうです。

「写真を通してなにを叶えたい？」

現在、宇宙HIKEは二期目を迎えています。メンバーは、「写真を通してなにを叶えたい？」という問いに向き合いながら、思い思いの一歩を踏み出したところ。個展を目指す人、活動を広げるためポートフォリオを作る人、自分のブランドを立ち上げる人など。“自然が好き・写真が好き・茜さんが好き”というシンプルな共通点でつながり、互いの挑戦を応援し合っています。

撮影会やフォトトレッキングでは、初対面でもあっという間に距離が縮まります。山の空気のせいか、「撮りたい」という気持ちが共有されているからか、みんな肩の力が抜けてのびのびと撮影しています。「ちょっと撮りに行かない？」と誘い合い、気軽にフィールドへ飛び出すことも。

最近の宇宙HIKEの特徴のひとつが、“写真と言葉をセットで育てる”スタイル。写真を撮って終わりにせず、そのとき何を感じたのか、どんな景色が心に残ったのかを少しずつ言葉にしていきます。それが自分の視点を整理し、撮りたいテーマをクリアにしてくれるのです。言葉にするのが苦手でも心配はいりません。茜さんは一人ひとりのペースに合わせて、そっと、時には勢いよく背中を押してくれます。

目の前の小さな喜びを撮る

私自身も宇宙HIKEに参加して、写真との向き合い方が大きく変わりました。最初は「自然や登山する友人をうまく切り取りたい」という思いから始まり、移住先（安曇野）の風景や日々の暮らし、人とのつながり、目の前の小さな喜びまで撮りたくなっていきました。“自分がなにに心を動かされているのか”を受け止め、それを写真に込められるようになってきたのは、茜さんの言葉と言葉にならないまなざしのおかげです。

ただし、宇宙HIKEは“待っていれば、だれかがなにかしてくれる場所”ではありません。自分から動きたい、一歩踏み出したいと思っている人にこそ、このコミュニティの空気がぴったりです。

自然に心が揺れた瞬間を写真に残したい。その写真を通して誰かと感動を分かち合いたい。もっと自由に、自分らしく表現したい。宇宙HIKEは、そんな思いをそっと受け止めながら、次の一歩を後押ししてくれる“居場所”のようなコミュニティです。

もしいま、あなたの中に少しでもそんな気持ちが芽生えているなら、ぜひ輪に加わってください。新しい人との出会いは、宇宙HIKEに新しい風を吹かせます。楽しみにお待ちしています。

写真＆テキスト◎佐藤 郁（宇宙HIKE）
Instagram@iku_sato2014
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