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「世界最速」を更新。UCI新規定が生んだ異形のエアロロード、ファクター ONE登場|FACTOR

イギリスのファクター・バイクスが、ブランド史上最速となる新型エアロロード「ONE(ワン)」を発表した。クリテリウム・デュ・ドーフィネですでに実戦投入され、その特異な形状が話題を呼んでいたプロトタイプがついにベールを脱ぐ。UCI(国際自転車競技連合)の新レギュレーションを逆手に取った「チン(顎)」フェアリングやバイオネットフォークを搭載し、同社のOSTRO VAMをも凌駕する空力性能を実現したピュアレーシングマシンだ。

UCIルールの緩和が生んだ「チン」フェアリングとバイオネットフォーク

イスラエル・プレミアテックの選手たちが駆り、2025年のクリテリウム・デュ・ドーフィネでステージ優勝を挙げた謎のプロトタイプ。その正体がついに明かされた。ファクター・バイクスが満を持して発表した新型「ONE」は、「UCI公認ロードバイクとして、真にどこまで速くなれるか?」というシンプルな問いに対する回答だ。

その答えは、データによって、そしてレースでの勝利によって実証された。ファクターは新型ONEを「世界最速のUCI公認ロードバイク」と定義する。

新型ONEを一目見て強烈なインパクトを与えるのが、フロントエンドの造形だ。かつてのONEのアイデンティティであった、ダウンチューブが縦に割れる「Twin Vane」構造とは決別。新型では、近年緩和されたUCIの機材設計レギュレーションを極限まで活用し、全く新しい空力アプローチを採り入れた。

最大の特徴は、ヘッドチューブ前方に突き出した「チン(顎)」のようなフェアリングと、独自の「バイオネット(銃剣)フォーク」システムだ。数百回に及ぶCFD(数値流体力学)解析によって導き出されたこの形状は、バイクの最前面で気流を整流することに特化している。

ワイドスタンスのフォークレッグとダクト形状のチンフェアリングにより、タイヤ周辺で発生する乱流(スピルオーバー)を制御。真正面からの風だけでなく、15度を超える深いヨー角(斜めからの風)においてこそ、他社のプラットフォームが効率を落とす中でアドバンテージを維持し続ける。

OSTRO VAMを8%、他社ライバルを圧倒する空力性能

ファクターには既に、軽量かつ空力に優れたオールラウンドレーサー「OSTRO VAM 2.0」が存在する。しかし、ONEはそこからさらに空力性能を突き詰めた。

GuelphおよびSASI風洞施設で行われたテストデータによると、新型ONEはOSTRO VAM 2.0に対して「8%以上」の空気抵抗削減を実現。さらに競合他社の最新エアロロードとの比較では、サーヴェロ S5 (2024)に対して約15%、スペシャライズド Tarmac SL8に対しては22%以上もの空力優位性を記録したと発表されている(いずれもファクター調べ)。

「時速50kmを超えると飛ぶようだ」プロトタイプでの実戦評価

開発段階では、イスラエル・プレミアテックの選手による実走テストが繰り返された。ジェイク・スチュワート(イギリス)は「ホーリーシット(なんてこった)、時速50kmを超えると本当に飛ぶようだ」とコメント。深いヨー角でのドラッグ低減効果により、横風区間でバイクがライダーを助け、スピード維持を容易にする感覚が報告されている。

また、パスカル・アッカーマン(ドイツ)は「単に空気を切り裂くだけでなく、バイクが自分を前に引っ張ってくれるような感覚がある」と評価。フロントエンドの剛性とバランスの取れた重量配分により、スプリント時のフルパワー入力でもステアリングの振れが発生しない点も特筆されている。

チーフエンジニアのグラハム・シュライブ氏はこう語る。「このバイクは私がこれまでに作った中で最高のバイクであり、ロードバイク業界でこれまでに生産された中で最高のバイクだと信じています。その理由は目的の明確さにあります。誰もそのミッションに疑問を抱きませんでした。それは『ライダーがレースに勝つためのバイクを作ること』です」。

現代のレーシングポジションに最適化

ONEの開発において空力と同じく重視されたのが、変化し続けるプロトンのポジションへの対応だ。近年のプロライダーは、より前乗りのポジションを取り、幅の狭いハンドルバー、短いクランク、そして太いタイヤを使用する傾向にある。

ONEは既存のフレームジオメトリーにそれらを無理やり合わせるのではなく、最初からこれらのトレンドを前提に設計された。ハンドルバーマウントをステアリング軸から切り離す独自構造を採用することで、従来であれば不安定なステム長が必要だったようなアグレッシブなリーチポジションも、ハンドリングスタビリティへの影響なしに実現可能としている。

コックピットには、ステムを完全に廃した新しい統合型バーステムシステムを採用。サイズは「1〜5(110〜150mm相当)」に加え、ハイトの高い「1H〜3H」も用意され、計8サイズ展開となる。ハンドルバーマウントをステアリング軸から切り離す独自構造により、140mmを超えるようなリーチポジションでも、ハンドリングへの悪影響を排除した。

フレーム素材にはT1000/T1100ピッチ系カーボン繊維やナノレジンなど最高グレードの素材を使用。フレーム重量は900g、フォーク重量は540g(サイズ54)と発表されている。タイヤクリアランスは実測34mm(公称28mm)を確保しており、現代のワイドリム・ワイドタイヤトレンドに完全対応する。なお、変速システムは電動シフティング専用設計となる。

カラー・価格・国内展開

カラーラインアップは、淡いピンクの「Blush(ブラッシュ)」、クールな「Nimbus Grey(ニンバスグレー)」、精悍な「Onyx Black(オニキスブラック)」、そして金属的な輝きの「Silverstone(シルバーストーン)」の4色展開。サイズは47、52、54、56、58の5サイズが用意される。

日本国内での価格はフレームセットが1,155,000円(税込)。完成車はシマノDura-Ace、Ultegra、スラムRED AXS、Force AXS、カンパニョーロSuper Recordなど豊富なラインアップが用意される。また、シマノ完成車にはアップチャージでCeramicSpeed製OSPW(ビッグプーリー)へのアップグレードオプションも用意される。

FACTOR ONE

価格(すべて税込)
フレームセット:1,155,000円
フレームセット(Black Inc 62ホイール付):1,562,000円
シマノ Dura-Ace 完成車:2,090,000円
シマノ Ultegra 完成車:1,815,000円
スラム RED eTap AXS 完成車(PM付):2,145,000円
スラム Force eTap AXS 完成車(PM付):1,848,000円
カンパニョーロ SUPER RECORD 完成車:2,200,000円

※シマノ完成車はCeramicSpeed OSPWアップチャージ(+82,500円税込)が可能

Blush
Nimbus Grey
Onyx Black
Silverstone
  • フレーム素材:テキストリーム・カーボン、ピッチ系ファイバー、ナノレジン
  • フレーム重量:900g(サイズ54)
  • フォーク重量:540g
  • タイヤクリアランス:実測34mm(公称28mm)
  • サイズ:47、52、54、56、58
  • カラー:Blush、Nimbus Grey、Onyx Black、Silverstone
  • ハンドル:専用インテグレーテッドバーステム(サイズ:1/2/3/4/5/1H/2H/3H)

問:トライスポーツ https://www.trisports.jp/

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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