Astemo宇都宮ブリッツェン2026体制発表　増田成幸が3年ぶりに復帰、過去最強体制で「夢のその先」へ

Bicycle Club /

せいちゃん

2025年12月11日

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12月11日、Astemo宇都宮ブリッツェンが2026シーズンの新体制発表会見を栃木県庁記者クラブで行った。最大のトピックは、チームのレジェンドである増田成幸の3年ぶりとなる復帰だ。ワールドチーム経験を持つセルジオ・トゥ、同じく3年ぶりの復帰となる宮崎泰史を加えた計13名の「過去最強」の布陣で、悲願の全日本タイトルと国際レースでの勝利を目指す。

「ミスター・ブリッツェン」増田成幸の帰還

2025年シーズン、鈴木真理監督の初年度ながらJプロツアーで存在感を示したAstemo宇都宮ブリッツェン。結成18年目を迎える2026年シーズンに向け、継続選手10名に新規加入3名を加えた総勢13名という厚みのある新体制を発表した。

会見の主役となったのは、やはりこの男だった。「ミスター・ブリッツェン」こと増田成幸が、3シーズンの時を経て古巣に帰還する。

2023年からチームUKYOで活動していた増田は、42歳となる来季、再び赤いジャージに袖を通す。「自分の競技人生を見つめ直したとき、残りの時間をどこで戦いたいのか。その答えは迷いなくこのチームでした」と語る増田。一度チームを離れたことで気持ちも新たになったと言い、「42歳という年齢ですが、自分の限界値をまだ更新できると信じています。これまで届かなかった全日本選手権のタイトルにも挑戦し、チームとともに大きな成果をつかみにいきます」と、ベテラン健在をアピールした。

ワールドチームから台湾のTTスペシャリストが加入

増田に加え、強力な即戦力が加わる。バーレーン・ヴィクトリアスから移籍する台湾のセルジオ・トゥだ。独走力に定評がある28歳のTTスペシャリストであり、直近の台湾選手権個人タイムトライアルでは優勝を果たしている実力者だ。

チームには既に台湾の英雄、フォン・チュンカイが在籍しており、トゥにとってフォンは尊敬する先輩にあたる。「同じ台湾籍のフォン選手と共に、チームに新しい力と化学反応を生み出せると感じています」とトゥはコメント。台湾トップの2名が揃うことで、アジアツアーにおけるチームの展開力は格段に向上しそうだ。トゥは2月のロードアジア選手権、そしてトラック競技での活躍も視野に入れている。

地元を愛するクライマー、宮崎泰史も復帰

もう一人の新規加入選手は、2022年まで同チームに所属していた宮崎泰史だ。その後キナンレーシングチームで経験を積み、増田と同じく3年ぶりの復帰となる。「自分は宇都宮が大好きなんだと強く実感しました」と語る26歳のクライマーは、全日本選手権ロードおよびTTでのタイトル獲得、そしてUCIポイントの獲得を厳命されている。「2026年のメンバーなら必ず達成できる」と、宮崎も強力なチームメイトへの信頼を口にした。

「優勝」にこだわる2年目の鈴木真理監督

継続選手も盤石だ。キャプテンは2025年に引き続き谷順成が務める。エーススプリンターの岡篤志、マルチな才能を見せる沢田時、ベテランの域に入りつつある武山晃輔らが脇を固める。若手では日本大学在学中の菅野蒼羅や、今季加入した阿蘇来夢、最年少の秋元碧らが成長を見せており、ベテランから若手までバランスの取れた構成となった。

就任2年目を迎える鈴木真理監督は、2025年の「表彰台確保」という堅実な戦い方から、2026年は「優勝」の二文字に強くこだわるスタイルへの転換を宣言した。「エースをどう勝たせるか」にフォーカスし、貪欲に勝利を狙いに行く構えだ。