ベルマーレの枠を継承する新チーム「NEXT TEST SET」発足　ベテランと若手の融合でJプロツアー参戦

Bicycle Club /

せいちゃん

2025年12月31日

2026年シーズンより、東京・神奈川を拠点とする新たなロードレースチーム「NEXT TEST SET（ネクスト・テスト・セット）」がJプロツアー（JPT）に参戦する。2025年をもってJPTでの活動を終了したBellmare Racing Team（ベルマーレレーシングチーム）の出場枠と意志を引き継ぎ、小畑郁や米谷隆志ら7名の選手で新たなスタートを切る。

ベルマーレレーシングの活動終了に伴い発足　「継承」と「新たな挑戦」

2025年12月28日、新チーム「NEXT TEST SET」の設立と2026年シーズンの体制が発表された。チーム設立の背景には、長年国内ロードレースシーンで存在感を示してきた「Bellmare Racing Team」の運営体制変更がある。同チームが2025年をもってJPTチームとしての活動を終了することに伴い、「このメンバーで共に走りたい」という強い意志を持った所属選手たちが結集。同チームの参加枠を引き継ぐ形で、新チームを発足させることとなった。

チーム名である「NEXT TEST SET」には、次世代（NEXT）のサイクリストを育成し未来を切り拓くという意志と、発展途上であることを自覚し試行錯誤（TEST）を繰り返しながら成長し続けるという姿勢が込められている。

拠点は東京および神奈川エリア。チームの運営方針として「若手選手の育成」「持続可能なチーム運営」「自転車の魅力を広める社会貢献」の3本柱を掲げる。経験豊富なベテラン選手が若手に技術を伝承し、小規模ながらも効率的な運営モデルの確立を目指すほか、年齢や障がいの有無に関わらず楽しめるインクルーシブな自転車文化の推進にも力を入れるという。

「オバター」こと小畑郁らベテランと、MTBアジア王者ら若手が融合

2026年シーズンのメンバーは計7名。チームの精神的支柱となるのは、旧チームから引き続きプレイングマネージャー的な役割を担うベテラン勢だ。

選手兼メカニックを務めるのは、「オバター」の愛称で親しまれ、提携ショップである「なるしまフレンド」で現在も敏腕メカニックとして活躍する小畑郁（49）。そしてエース格には、2018年ジャパンカップオープンレースでの優勝経験を持つクライマー、米谷隆志（30）が据えられる。また、Eスポーツ世界選手権49位の実績を持ち、最新のトレーニング理論に精通する高杉知彰（39）が脇を固める。

これらベテラン勢に対し、将来有望なU23世代の若手4名が融合する。中でも注目は、2019年にMTBクロスカントリーのアジアジュニア王者に輝いた経歴を持つ高橋翔（19）だ。2024年から既にJPTへ参戦しており、2025年シーズンはおんたけヒルクライムで8位、石川クリテリウムで10位に入るなど、登坂でも平坦でも戦えるオールラウンダーとして頭角を現している。

また、2025年南魚沼クリテリウムで9位に入った藤澤勇聡（20）、同レースで15位の知名透真（19）らがスプリントやクリテリウムで存在感を示すだろう。さらに、現在岩手県立盛岡農業高等学校に在学中の大澤礼寛（18）は、全国都道府県対抗自転車競技大会や全国高等学校選抜自転車競技大会ロードレース6位などの実績を提げての加入となり、明治大学進学後のさらなる飛躍を誓う。

チーム運営を統括するGM兼監督には、国内外のUCIレース帯同経験が豊富な小畑昭子氏が就任。マッサーも兼任し、チームを支える。

メインパートナーには株式会社品川鐵工場（Sirius GYM）、セカンドパートナーには株式会社インクルージョン・ワークスが決定。機材・ウェア面では株式会社フカヤ（MINOURA）、株式会社マルイ（MAXXIS）、サンボルト株式会社などがサプライヤーとしてサポートを行う。また、提携ショップとして「なるしまフレンド（東京）」と「K-BASE（神奈川）」が名を連ねている。

国内最高峰リーグであるJBCF Jプロツアーへの全戦参戦を予定しており、ベテランによる戦略的アプローチと若手の爆発力を武器に、チーム・個人での上位入賞を目指す。