
増田や松井の逃げを吸収した集団スプリント ラヨビッチが2勝目を挙げる| ツール・ド・台湾第4ステージ
せいちゃん
- 2026年03月18日
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台湾南部を舞台に行われたツール・ド・台湾(UCIアジアツアー2.1)第4ステージ。増田成幸(Astemo宇都宮ブリッツェン)や松井丈治(愛三工業レーシングチーム)を含む5名の逃げが終盤までレースをリードしたものの、最後は集団スプリントに。最高時速71km/hのスピードを見せつけたドゥシャン・ラヨビッチ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、セルビア)が第1ステージに続く今大会2勝目を飾った。
増田成幸や松井丈治が入った5名の逃げグループ

大会4日目は、台湾最南端の屏東県を巡る「屏東六堆ステージ」。高樹郷公所をスタートし、歴史ある客家の集落を抜けて六堆客家文化園区へと至る131.2kmのコースだ。山岳ポイントは設定されていないものの、序盤から細かなアップダウンが連続し、コース上に3つ設定された中間スプリントポイントでのボーナスタイム争いが総合順位に直結する。
気温30度を超える過酷なコンディションの中、リアルスタート直後からAstemo宇都宮ブリッツェンが積極的な動きを見せる。「今日は逃げに乗る」という明確な意思のもと、台湾のスター選手であるセルジオ・トゥ(台湾)やフォン・チュンカイ(台湾)が次々とアタックを仕掛けてレースを活性化させた。

激しいアタックの応酬が40kmほど続いた後、残り88km地点でついに決定的な5名の逃げグループが形成される。メンバーは、大ベテランの増田成幸(Astemo宇都宮ブリッツェン)、松井丈治(愛三工業レーシングチーム)、イェルン・メイヤース(ビクトリアスポーツプロサイクリング、オランダ)、ユン・ジェビン(ルージャイ・インシュランス、韓国)、ヤカ・プリモジッチ(フリンコフ・アドヴァリックス、スロベニア)。
この日山岳ポイントがなかったため、山岳賞(ポルカドットジャージ)を着用する留目夕陽の総合順位を守りつつ、自身の総合順位を上げるというオーダーを受けていた松井は、中間スプリントポイントで躍動。1回目(56.38km地点)をメイヤースに次ぐ2位で通過すると、2回目(92.93km地点)では見事にトップ通過を果たし、3回目(119.3km地点)でも3位に入って貴重なボーナスタイムを荒稼ぎした。
残り1.7kmで逃げ吸収 ラヨビッチが圧倒的なスプリントを披露

逃げグループとメイン集団とのタイム差は、イエロージャージのマティス・グリゼル(フランス)を擁するロット・アンテルマルシェのコントロールにより1分30秒〜2分程度で推移する。
レース終盤に入ると逃げグループの協調が崩れ始め、残り16km地点で増田がドロップ。増田は「集団とのタイム差を考えながら脚を溜めつつ走る難しい駆け引きを続けていたが、最後はペースを上げて粘ったものの、暑さと疲労で完全に脚が止まってしまった。自分のパフォーマンスに納得がいっていない」と悔しさを滲ませた。

残る逃げメンバーも懸命に踏み続けたが、スプリント決戦に持ち込みたいメイン集団の追撃は力強く、フィニッシュ手前1.7kmでついに全員が吸収。勝負は集団スプリントへと委ねられた。
残り700mの直角右コーナーを抜けて緩やかな上り勾配のフィニッシュストレートへ。混戦の最終ストレートを完璧なタイミングで抜け出したのは、第1ステージを制したドゥシャン・ラヨビッチ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、セルビア)だった。トップスピード71km/hという圧倒的な加速でライバルたちを突き放し、今大会2勝目をマーク。2位にはポール・エヌカン(エウスカルテル・エウスカディ、フランス)が入り、アンドレア・ダマト(TEAM UKYO、日本)が3位でフィニッシュした。日本人では黒枝士揮(スパークルおおいたレーシングチーム)が今大会初のTOP10となる9位に入っている。

小石と留目がジャージをキープして最終日へ

ステージ優勝争いがスプリンターによるスプリントで決着したため、個人総合トップ10に変動はなし。グリゼルがイエロージャージ(個人総合首位)とグリーンジャージ(ポイント賞)をキープし、留目もポルカドットジャージ(山岳賞)をしっかりと守り抜いた。
また、メイン集団内で安全にフィニッシュした小石祐馬(キナンレーシングチーム)は個人総合9位(トップから14秒差)を維持し、ベストアジアンライダーのブルージャージを堅守している。「今日は結果的に順位変動なく終えられたので、最終日は総合成績だけにフォーカスして走りたい。明日は何が起こってもすべてが決まる1日。受け身にならず、どんどん攻めの姿勢を見せていきたい」と小石は最終日への意気込みを語った。
翌日の最終第5ステージは、台湾東部の「幸福台九線(Blissful Route 9)」を北上する今大会最長の153.71km。終盤には最大の淡水湖である鯉魚潭の周囲を巡り、フィニッシュへ向けて約5kmの上りが待ち受ける。個人総合19位までが16秒差の中にひしめく大混戦となっており、1秒を争う熾烈な最終決戦が幕を開ける。
ツール・ド・台湾2026 第4ステージ リザルト
1位 ドゥシャン・ラヨビッチ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、セルビア) 2時間44分49秒
2位 ポール・エヌカン(エウスカルテル・エウスカディ、フランス)
3位 アンドレア・ダマト(TEAM UKYO、イタリア)
4位 リアム・ウォルシュ(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア)
5位 マティス・グリゼル(ロット・アンテルマルシェ、フランス)
6位 ロドリゴ・アルバレス(ブルゴス・ブルペレット・BH、スペイン)
7位 ティレン・フィンクスト(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、スロベニア)
8位 黒枝士揮(スパークルおおいたレーシングチーム、日本)
9位 セレスタン・ワテル(チームノボノルディスク、フランス)
10位 マックス・キャンベル(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア)
個人総合成績(イエロージャージ)
1位 マティス・グリゼル(ロット・アンテルマルシェ、フランス) 10時間12分31秒
2位 マシュー・フォックス(ロット・アンテルマルシェ、オーストラリア) +4秒
3位 ジョルディ・ロペス(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン) +7秒
4位 ニル・ヒメノ(エキポ・ケルンファルマ、スペイン) +12秒
5位 イバン・コーボ(エキポ・ケルンファルマ、スペイン) +13秒
6位 マティアス・ブレグノイ(トレンガヌサイクリングチーム、デンマーク)
7位 カーター・ベトルス(ルージャイ・インシュランス、オーストラリア)
8位 ロレンツォ・クアルトゥッチ(ブルゴス・ブルペレット・BH、イタリア)
9位 小石祐馬(キナンレーシングチーム、日本) +14秒
10位 ディラン・ホプキンス(ルージャイ・インシュランス、オーストラリア) +15秒
ポイント賞(グリーンジャージ)
マティス・グリゼル(ロット・アンテルマルシェ、フランス)
山岳賞(ポルカドットジャージ)
留目夕陽(愛三工業レーシングチーム、日本)
アジアンライダー賞(ブルージャージ)
小石祐馬(キナンレーシングチーム、日本)
チーム総合成績
エウスカルテル・エウスカディ
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PROFILE
せいちゃん
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている



















