
新型エンデューロバイク「Bad Habit」 マレット専用設計の本格グラビティマシン|Cannondale
Bicycle Club編集部
- 2026年04月07日
INDEX
キャノンデールから、エンデューロ世界選手権(EDR)を戦い抜くための完全無欠の新型グラビティマシン「Bad Habit(バッドハビット)」が発表された。既存のトレイルバイク「Habit」の名を冠しながらも、その中身はゼロから新設計されたマレット専用のピュアレーシングプラットフォームだ。DH基準の堅牢性、革新的なフレーム内ストレージ、そして圧倒的な走破性を誇る新型バイクの詳細に迫る。
Habitの名を冠するも中身は別物。EDR直系のピュアエンデューロレーサー

「Feed Your Demons(もっと攻めたいという衝動に応えろ)」。キャノンデールがBad Habitに与えたこの過激なコンセプトは、このバイクがどのようなライダーに向けて作られたかを雄弁に物語っている。
キャノンデールのオールマウンテン/トレイルカテゴリーには、すでに「Habit」ならびにロングトラベル仕様の「Habit LT」が存在している。名前に「Habit」と入り、4バーリンケージ(ホルストリンク)のサスペンションシステムを採用している点こそ共通しているものの、キャノンデールは「それ以外はまったくの別物」と断言する。
Bad Habitは、既存のトレイルバイクをベースにストロークを伸ばした派生モデルではない。アグレッシブなエンデューロライディング、そして世界最高峰のEDR(エンデューロ世界選手権)で勝つために、ジオメトリー、キネマティクス、フレーム構造のすべてがゼロから再設計された新しいプラットフォームである。
通常のトレイルバイク基準ではなく、ダウンヒル/グラビティ基準の過酷な製品テストをクリアする強靭なフレーム剛性を獲得。市販モデルのサスペンションチューニングは、プロ選手、エンジニア、そしてRockShox社による共同開発で極限までブラッシュアップされている。その上で、キャノンデールが誇る「フレーム生涯保証(ファーストオーナーのみ)」が付帯するという事実は、ビッグマウンテンを攻め立てるライダーにとってこれ以上ない安心感となるはずだ。
走破性と「楽しさ」を両立するマレット専用設計と、妥協なきジオメトリー

ホイールサイズはフロント29インチ、リア27.5インチの「マレット仕様」専用設計だ。昨今のトレンドである「フリップチップによるフル29インチ対応」というギミックはあえて採用していない。キャノンデールは「マレット仕様こそが最も楽しく、最適なエンデューロ性能を発揮するから」と、その理由を極めてシンプルかつ力強く説明している。フロントの大径ホイールによる直進安定性とロールオーバー(障害物乗り越え)性能、そしてリアの小径ホイールによる俊敏なコーナリングと腰の引きやすさは、テクニカルな下りで絶大なアドバンテージとなる。
サスペンショントラベルはフロント160mm、リア155mm。ジオメトリー表に目を向けると、最先端のエンデューロバイクとしての計算し尽くされた数値が並ぶ。ヘッドアングルは64°と寝かせ、ハイスピードな下りでのスタビリティを確保。一方で、実効シートチューブアングルは77.7°〜77.8°と非常に立たせており、リーチの長さ(Mサイズで455mm、Lサイズで480mm)と相まって、急峻な登り返しでもフロントが浮きにくく、高効率なペダリングポジションを維持できる。
また、キャノンデールが得意とするサイズ別設計「プロポーショナルレスポンス」も徹底されている。ライダーの身長(重心位置)に合わせてサスペンションのキネマティクスが最適化されているだけでなく、チェーンステー長もS/Mサイズで430mm、L/XLサイズで435mmと細かく設定。どのサイズに乗っても、前後輪への荷重バランスが均一になるよう緻密に計算されている。
あえて「FlexPivot」を非採用。剛性と拡張性を追求したフレームワーク

キャノンデールのフルサスMTBといえば、カーボンそのもののしなりを活かしてピボットを省略する「FlexPivot(フレックスピボット)」が代名詞だが、Bad Habitには採用されていない。
「軽量化」を最大のメリットとするFlexPivotだが、グラビティライドを主眼とするBad Habitにおいては、わずかな軽量化よりも耐久性と剛性が最優先された。コストを抑えつつ、過酷な使用環境下での耐久性への懸念(誤解)を払拭するため、実績のある大口径ベアリング式ピボットが採用された。この「適材適所」の割り切りこそが、リアルな現場の声を反映した証拠だろう。

セットアップの自由度の高さもBad Habitの大きな魅力だ。標準のフロントフォークは160mmストロークだが、シングルクラウンで最大170mm、さらに最大180mmのデュアルクラウン(ダブルクラウン)フォークの装着までも公式に許容している。リアショックもエアとコイルの両方に対応(コイル使用時はコンプレッションレートを一段階上げることを推奨)しており、コースレイアウトや好みに応じてミニDHバイクのような凶暴なアッセンブルに仕立て上げることも可能だ。
ヘッドセットには信頼のドイツブランド「Acros(アクロス)」を採用。標準は0°仕様だが、±0.5°の角度調整が可能なアングルアジャストヘッドセットにも対応し、ハンドリングの微調整が行える。

ユーザーフレンドリーな独自ギミックと、Aiオフセットからの脱却

昨今のハイエンドMTBで必須装備となりつつあるフレーム内ストレージだが、キャノンデールもついにダウンチューブストレージ「StashPort(スタッシュポート)」を初採用した。カバーの裏側やトップチューブ下部にツールを装着できるマウントを備えつつ、ダウンチューブ内部には大小2つの専用スタッシュバッグが収納可能。チューブやポンプ、補給食などのアイテム同士が接触して異音を発するのを防ぎ、スマートに携行できる。

さらに注目すべきは、これまでキャノンデールのMTBに長く採用されてきた独自の非対称リアトライアングル設計「Aiオフセット」が撤廃されたことだ。かつてはタイヤクリアランスとチェーンラインの確保に必須だったが、SRAMが提唱した「55mmチェーンライン」規格が市場に定着した現在、特殊な設計を用いずとも同等のメリット(最大2.6インチのタイヤクリアランスとマッドクリアランス)が得られるようになったためだ。これにより、市販のリアホイールをセンター出しのために組み直すことなくそのまま使用できるようになった。
ケーブルルーティングは、フレーム内部にガイドパイプが通された「DirectLine tube-in-tube」を採用し、メンテナンス性は抜群。さらに、最近賛否が分かれるヘッドセットからの完全内装ルーティングと、ヘッドチューブ横から挿入するオーソドックスな外装ルーティングの「両方」を選択できる仕様となっている点は、世界中のメカニックから大絶賛されることだろう。リアディレイラーハンガーは当然UDH(Universal Derailleur Hanger)仕様だ。
即戦力の完成車「Bad Habit 1」と、組む楽しみを味わえる「フレームセット」
日本国内では、ハイエンドコンポーネントを搭載した完成車「Bad Habit 1」と、「Frameset」の2ラインアップで展開される。

「Bad Habit 1」のアッセンブルは「そのままレースに出られる」という表現すら控えめに感じるほどの超実戦仕様だ。サスペンションは前後ともRockShoxの最上位「Ultimate」グレード(Lyrik & Vivid)。コンポーネントにはディレイラーハンガーを介さずフレームに直接マウントするSRAM GX Eagle T-Typeトランスミッションを採用。

ホイールには高剛性なアルミリムを採用したReserve 30|HD ALをアッセンブルし、OneUpのアルミハンドルバーと同社のV3ドロッパーポスト(Mサイズ以上でなんと240mmの超ロングストローク)を装備。さらに、詰まりにくく大流量を誇るFillmore(フィルモア)のチューブレスバルブまで標準装備されるなど、MTBマニアのツボを完全に押さえた妥協なきパーツチョイスとなっている。

フレームセットにはRockShox Vivid Ultimateリアショックが付属。「Black and WOW」と名付けられた、鮮やかなグラデーションが施されたアグレッシブなカラーリングが目を惹く。好みのパーツで究極の1台を組み上げたいライダーはこちら一択だ。
Cannondale Bad Habit 1
価格:1,280,000円(税込)

- フレーム:Bad Habit, high-strength carbon construction, 155mm travel, StashPort, Proportional Response Suspension and Geo, 55mm chainline, ISCG05, 73mm BSA MTB Wide BB, 1.5″ headtube, DirectLine tube-in-tube, UDH hanger
- フォーク:RockShox Lyrik Ultimate, 160mm
- リアショック:RockShox Vivid Ultimate, custom Bad Habit tune, 210x55mm
- ホイール:Reserve 30|HD AL, 30mm inner width, tubeless ready, 29″ F / 27.5″ R
- コンポーネント:SRAM GX Eagle T-Type, 12-speed
- ハンドル:OneUp Alu, 35mm clamp, 35mm rise, 8°sweep, 5°rise, 800mm
- シートポスト:OneUp V3, internal routing, 34.9, 180mm (S), 240mm (M-XL)
- 付属品:Large and Small StashBag, Downtube Shuttle Guard, Fillmore tubeless valves, SRAM AXS Charger
- サイズ:SM, MD, LG
- カラー:Raw (RAW)
Cannondale Bad Habit Frameset
価格:499,000円(税込)

- フレーム:Bad Habit, high-strength carbon construction, 155mm travel, StashPort, Proportional Response Suspension and Geo, 55mm chainline, ISCG05, 73mm BSA MTB Wide BB, 1.5″ headtube, DirectLine tube-in-tube, UDH hanger
- リアショック:RockShox Vivid Ultimate, custom Bad Habit tune, 210x55mm
- ヘッドセット:Acros 0°, internal or external routing, (headtube compatible with Acros angle adjust headsets)
- 付属品:Large and Small StashBag, Downtube Shuttle Guard, 12x142mm Thru-Axle
- サイズ:SM, MD, LG
- カラー:Black and WOW (WOW)
問:インターテック https://www.cannondale.com/ja-jp
- BRAND :
- Bicycle Club
SHARE
PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。



















