
サイクルモードで初のバイシクル・オブ・ザ・イヤー授賞式開催!大賞はファクター、特別賞はブリヂストンとコーダーブルーム
Bicycle Club編集部
- 2026年04月26日
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4月25日(土)サイクルモードのACTIONステージで「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2026」授賞式を初開催。大賞に輝いたFACTOR ONE、そして新設「ベストファーストロード賞」を受賞した2台を、選考委員とメーカー担当者のコメントとともに紹介する。
満場一致の衝撃──2026年の頂点は「FACTOR ONE」

今年のサイクルモードACTIONステージで大きな注目を集めたのが、4月25日(土)に開催された「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2026(BOTY)」授賞式だ。
今年で9年目を迎えるBOTYは、スポーツ自転車を専門とするジャーナリストたちが企画・運営する年間アワード。直近1年間に登場したニューモデルの中から選ばれた「ノミネート5台」から、その年を象徴する1台が決定される。
2026年のファイナリストに名を連ねたのは、いずれも現在のロードバイクシーンを象徴する実力派モデルばかり。性能、思想、カテゴリーの異なる5台が揃い、それぞれが“今年を代表する1台”として評価された。

ノミネートされた5ベストバイク
- CANNONDALE SuperSix EVO LAB71
- SPECIALIZED S-WORKS AETHOS 2
- CANNONDALE SuperX LAB71
- FACTOR ONE
- CANNONDALE Synapse LAB71
今年の大賞に輝いたのは、FACTORの最新エアロロード「ONE」。最終選考では、7名の選考委員全員が複数ポイントを投じるという圧倒的な支持を集め、文句なしの受賞となった。

トライスポーツの大西恵太さんは、「空力性能を徹底的に追求しながらも、ロードバイクとしての扱いやすさをしっかり確保したモデルです。従来とは異なる設計でありながら、“普通に乗れるバイク”として成立させた点が大きな特徴です」とコメント。
FACTOR ONEは、単なるハイエンドバイクではない。革新的なフォルムと構造を持ちながら、ロードバイクとしての自然な走行感を高いレベルで実現した“完成された異端”ともいえる存在だ。

「速い」だけじゃない──審査員全員が評価した“完成度”

選考委員たちの評価も驚くほど一致していた。
山口博久編集長は、「見た目のインパクトだけでなく、乗ったときの完成度が非常に高い。奇抜に見えて、驚くほど自然で楽しいバイクです」と評価。
吉本司さんは、「強烈なエアロフォルムから生まれる性能は圧巻ですが、それでいて挙動に破綻がない。この“高次元のまとまり”は見事です」と語った。
安井行生さんは、「独特な形状でありながら、エアロ性能と扱いやすさを高いレベルで両立している点は特筆すべきです」とコメント。
難波賢二さんも、「挑戦的な構造を採用しながら、それを“普通に走れるロードバイク”として成立させている。この技術は今後のトレンドになるでしょう」と、FACTOR ONEの将来性を高く評価した。
評価されたのは、単なる速さやスペックだけではない。新しさをロードバイクとして成立させた完成度そのものが、今回の受賞理由だった。

特別賞「ベストファーストロード賞」──異例のダブル受賞に込められた意味

今年から新設された「ベストファーストロード賞」は、25万円以下の完成車を対象に、“最初の1台”として最適なモデルを選出するカテゴリーだ。
最終選考に残ったのは、ブリヂストン アンカー「RE6 105 MODEL」と、コーダーブルーム「FARNA SL1」の2台。協議の結果、いずれも方向性の異なる魅力を持つことから、異例のダブル受賞となった。
ブリヂストンサイクル──“最初の1台”に込めた拡張性という価値

ベストファーストロード賞を受賞したブリヂストン アンカー「RE6 105 MODEL」は、“初めての1台”という枠にとどまらない完成度の高さが評価されたモデルだ。
ブリヂストンサイクル マーケティング部 商品戦略課の田中拳太さんは、「RE6は、初めてのロードバイクとしてだけでなく、その後の楽しみ方まで見据えて設計しています」と語る。
実際、このモデルは単なる入門機ではなく、カスタムによって用途を広げられる“拡張性”が大きな特徴となっている。リアキャリアを装着してツーリング仕様にしたり、太めのタイヤを履かせて走破性を高めたりと、ユーザーの志向に応じて自由に進化させることができる。

「自転車に興味を持った人が、そのまま長く楽しめる1台にしたかった」と田中さん。ロードバイクに乗り始めるハードルを下げつつ、その先の楽しみまでしっかり用意するという思想が、このモデルには貫かれている。
完成車としてのバランスはもちろん、価格帯を考慮したパーツ構成や設計の妙も光る。結果として、単なる“エントリー向け”ではなく、“長く付き合える最初の1台”というポジションを確立した。
今回の受賞は、ロードバイクの入り口を広げるだけでなく、「最初の1台のあり方」そのものをアップデートしたことへの評価とも言えるだろう。
ホダカ(コーダーブルーム)──“走りの質”で勝負するリアルロード

同じくベストファーストロード賞を受賞したコーダーブルーム「FARNA SL1」は、価格以上の走行性能で高い評価を獲得した1台だ。
ホダカ株式会社 企画開発部 次長 兼マーチャンダイジング グループマネージャーの詫間啓耀さんは、「FARNA SL1は、あえて過剰な装備やスペック競争に寄らず、“純粋に走る楽しさ”を感じてもらうことを重視しました」と語る。
エントリー帯のモデルでは、装備の豪華さやコストパフォーマンスが強調されがちだが、このモデルが重視したのはあくまで“走りの質”。軽快な加速感や素直なハンドリングなど、ロードバイクとしての基本性能を高いレベルで仕上げている。

「最初に乗った瞬間に“楽しい”と思えることが重要。その感覚が次のステップにつながる」と詫間さん。単に安いだけではなく、乗る楽しさを実感できることが、このバイクの価値だ。
また、無理にハイエンドに寄せない設計思想も特徴的だ。あえてシンプルな構成とすることで、価格と性能のバランスを最適化。結果として、実用域での満足度を高めている。
審査員総評──「完成度」と「時代性」が分けた明暗

選考委員たちの総評として共通していたのは、「単なるスペック競争ではない」という視点だ。
今回大賞に選ばれたFACTOR ONEについては、革新的な構造や空力性能だけでなく、それをロードバイクとして違和感なく成立させた“完成度”が高く評価された。
また、特別賞についても、価格帯の中でいかにリアルな使用シーンに応えられるかという“実用性”と“提案力”が重視された。つまり評価軸は明確だ。「新しいことをやっているか」ではなく、「それがきちんと成立しているか」。その意味で今回の結果は、現在のロードバイク市場における成熟と進化の両面を示すものとなった。
トレンドトークショー──“高い=正解”ではない時代へ

授賞式後に行われたトークセッションでは、ロードバイクの最新トレンドについても議論が交わされた。印象的だったのは、「必ずしも高価なモデルが最適とは限らない」という認識が広がっている点だ。
これまでのようにハイエンド一辺倒ではなく、価格帯に関わらず完成度の高いモデルが増えてきたことで、ユーザーはより自由にバイクを選べるようになっている。
「無理をして高いモデルを選ぶ必要はない。自分に合った1台で十分楽しめる」——そんな価値観が、確実に広がりつつある。
また、バイクの使い方も多様化しており、レース志向だけでなく、ツーリングやライフスタイル用途まで含めた広がりを見せていることも指摘された。ハイエンドはさらなる進化を遂げ、エントリーはかつてない完成度へ。その両輪が揃った今、ロードバイクの世界はかつてないほど面白くなっている。
“最速”だけではない、“最適”を選ぶ時代へ。BOTY2026の結果は、その変化をはっきりと示していた。
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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